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第1章 始まり

 「ヤバい」


 無一文で途方に暮れながら、彼の心中はそんな一言に埋め尽くされていた。正確には無一文ではない。ポケットの中には財布が入っているし、財布の中にはもちろんお金が入っている。それでも無一文と表すしかない。なぜなら…


 「やっぱり、これじゃダメだよな」


 財布に入っていた500円玉を見つめて、少年は深いため息をこぼした。


 あまり特徴のない少年だ。少し長めの黒髪に、中性的な顔。体格はやや痩せぎみで低くも高くもない平均的な身長。また、服装にも特徴がなく、ただの黒いジャージ。


 大勢の人に紛れれば、すぐにわからなくなりそうな凡庸な見た目である。だが、そんな彼とすれ違う人たちの視線は、少年に釘付け。当然といえば当然の話。なにせ少年を見る彼らの中には一人も、『ジャージ』のものも『黒髪』のものもいない。


 彼らの格好は、黒一色の全身ローブや鎧、踊子風の衣装など様々で、さらには頭髪も、赤髪や茶髪、金髪を始めとして、青髪やら緑髪やら、いかにも()()らしすぎる。


 「これって、つまりアレじゃね」


 無遠慮な視線にさらされながら、少年は認めるしかなかった。


 「異世界召喚…ってことか!」

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