GA-05◆「上古の時代」
■上古の時代
GAに於けるエルスの歴史では、神古の時代に続く時代を『上古の時代』と称しています。この時代は、凡そBC15000〜BC5000(BEFORE COMMON YEARの略)の間続き、“創世神”(BUilder)のエリスに対するプレセンズが徐々に薄れていった期間でもあります。“創世神”たちからの示唆が減少していったこの時代の人々は、神を忘れない為に持てる全てを注ぎ込み、神々に最も近い都──後世でではWest Heaven(西方楽土)と呼称される壮麗な大都市『上都』――を、“創世神”たちが最初にその足跡を記したと言われる地に建立しました。全ての種族が集まると、一人の神官王、四人の大祭司と十二人の大賢者を選びだしました。聡明で思慮深い彼らが治めるこの煌びやかな都は繁栄を謳歌し、永遠にこの時代が続くかと思われていました。
何時の頃からか、人々に一つの“声”が聞こえてくる様になりました。その声は、“創世神”達のプレゼンスの減少に伴い、徐々にその存在感を増していきました。“時の声”と称されるようになっていったそのメッセージは、上都の人々の間に根付くと共に、単一の言葉を話す全ての人々の間にゆっくりと広まっていきました。それと同時に、人々の考え方、暮らし方は変化を遂げていきました。質素から華美へ。謙虚から顕示へ。献身から支配へ。公平から搾取へ。誠実から利己へ。人々の間の感じ方、考え方、生き方に生まれた差は、坂を転げ落ちる玉の様に互いの亀裂を拡大していきました。
これ以降の部分で、後世に伝わっているのは、巨大な天変地異と共に上都が地の底深く沈んだこと、その時の大変動で時空が歪み、互いの言葉が違ってしまったこと──そして、その全ての背後に、“暗黒神”サリズダンの影が見え隠れしていることです。上都の滅亡と共に上古の時代は終わりを告げ、神聖スール帝国と漠羅爾古王朝が力と魔導で互いに覇を唱えた中古の時代が幕を開けるのです。