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僕は、恋愛ができない  作者: 琴々
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プロローグ

「す……好きですっ」


彼は一瞬、驚きの表情のまま動きを止めた。


「それは、恋愛的な意味でかな? それとも友達としてかな?」


「れ、恋愛的な意味で」


「僕のことが、かい?」

彼女は真っ赤な顔をしたまま頷いた。


「そりゃまた随分な変わり者だね」

彼はさも可笑しそうに笑った。


「でも、こんな僕だって、好きと言われて不愉快な気分になったりはしないさ」


彼女の表情は心なしか緩んだ。


「そ、それじゃ、あの、付き合っては……くれませんか?」


「それとこれとは、また違う話でしょ。君と付き合って、僕に何かメリットでもあるのかい?」


「メリット……」

彼女は押し黙ってしまった。


「アハハ。君、かわいいねぇ」

そんな彼女を彼は愉快げに眺めていた。


「そんじゃあ、仕方ないなぁ」


彼は彼女の耳元にそっと口を寄せた。



「僕を本気にさせてよ」



そう囁くと、彼はスッと体を引いた。


「じゃ、そういうことで。ばいばーい」


ひらひらと手を振りながら、彼は飄々と歩み去って行った。


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