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悪役令嬢は可愛いものがお好き  作者: 梓弓
第一章
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7

内心が大荒れの私の前で兄と姉と談笑しているサーシャ様。

サーシャ様はアルヴィオス家の方ですが、アルヴィオス家は代々医師を輩出しており、その功績により爵位を賜っています。


ちなみにサーシャ様は兄の友人でもありますが、私達が入学する頃、高等学校の養護教諭になっているのです。


まさか、私が高等学校に入学する前に会うなんて思いもしませんでした。

そんな戸惑いが表情が出てしまったのか、


「シオンちゃん、顔色悪くないですか?」


「!」


と、サーシャ様に聞かれてしまい、思わず反応してしまいました。


「え!?」


「なんですって!」



と、姉と兄が同時にこちらを向きました。さすが双子です。


「だ、大丈夫ですよ。ちょっとぼーっとしていただけですから。」


「ほんとなの?無理してない?」


「はい、無理してないですよ。」


と、心配そうな姉と兄に向かってニッコリ笑いかけました。

ぼーっとしていたのは、間違ってはいないですしね。


姉と兄はあまり納得してないみたいでしたが、そのまま笑顔を続けると、諦めたみたいです。


そしてサーシャ様はというと、少し困った表情で


「無理はしないで下さいね?……エクスから話を良く聞いているので。」


と私に言いました。兄から何を聞いているのでしょうか……。かなり気になります。

サーシャ様には心配していただいていますが、『貴方が死亡フラグです』なんて言えませんので、


「はい。」


とだけ、返事をしました。


そして、お互いまだ買い物途中だと言うことで、別れる事になりました。


「それじゃあ、また。」


「ああ、また今度。」


「マリーさんは高等学校で。シオンちゃんもまた会えるといいですね。」


「ええ。また高校学校で。」


「はい。またご機会がありましたら……。」


サーシャ様に微笑まれ、私も返事をしました。


ちなみにサーシャ様は去り際、さりげなく私の頭をポンと撫で、買い物に戻って行きました。


(さ、さすがサーシャ様。攻略キャラなだけありますね。)


さすがに精神年齢は上なのでサーシャ様にときめきまではしませんが……。


数秒間を置いて、姉と兄が口を開きました。


「……サーシャ様、さりげなさ過ぎて何も言えなかったわ。」


「うーん。でもサーシャだから許してあけて?僕が散々自慢していたし、サーシャは兄上しかいないから弟か妹が欲しいって良く言ってたし。」


(だから一体、どんな話をサーシャ様にしたのですか、お兄様!?)


「ふーん。ま、シオンは可愛いからね。撫でたくなるのは分からなくもないけど。」


(なんでドヤ顔なんですか、お姉様。)


何だか短時間で精神的にどっと疲れました……。


サーシャ様と別れた後、また買い物を再開しました。


小物入れの他にもクッションやシーツ、カーテン等の大きめな寝具も選びました。

これで少しは可愛い部屋になるでしょうか。


父に会計をして貰い、今日のお買い物は終了です。


「お父様、今日はありがとうございました。」


「ああ。気に入ったものがあったみたいだし、良かったよ。」


「はい。良かったです。」


サーシャ(死亡フラグ)様との予期せぬ出会いはありましたが、最終的には楽しいお買い物ができたので良かったです。


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