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悪役令嬢は可愛いものがお好き  作者: 梓弓
第一章
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三日ほど経ち、プチシュークリームはしっかり乾いてくれました。

これをすべて積み上げてクロカンブッシュを作り、クリームやソースでデコレーションしたらデコ小物入れの完成です。


そして、


「おはよう、シオン。今日も宜しくね。」


「おはようございます、カイトさん。はい、こちらこそ宜しくお願いしますね。」


今日も午前中早々にやって来たカイトさんを迎え入れた私は、カイトさんを連れて自室へと向かいます。


「今日で小物入れは完成するんだよな?」


「はい。今日で完成させるつもりです……が、触って大丈夫な位に乾燥させないといけませんからお渡しするのはまだ少し後になります。」


「分かった。」


私の言葉にカイトさんは頷きます。


程なくして自室に着き、


「どうぞお入り下さい。」


「うん。お邪魔するよ。」


「今日もそちらの作業机で作業しますからね。」


「分かった。」


いつものように奥の作業部屋にカイトさんを案内して、それぞれ向かい合って席に着きます。


作業部屋の机には既に必要な物は準備してありますので、早速仕上げに取り掛かるとしましょう。


「まずはシュークリームを小物入れの上に積み上げてクロカンブッシュの形にします。」


「うん。」


「シュークリームの底に接着剤を付けてから、小物入れの蓋の外側にひと周り並べて下さい。」


「シュークリームを蓋の周りに並べるんだね。分かった。」


カイトさんは私に言われた通り、小物入れの蓋にシュークリームをひと周り並べます。


「……よし、並べ終わった。次は二段目だよね?」


「はい。二段目は一段目のシュークリームの間に置いて行く様にして下さい。」


「うん。」


カイトさんは私の説明に頷きつつシュークリームを積み上げて行きます。


「二段目が並べ終ったらまた三段目のシュークリームは二段目の間に並べて下さいね。そして更に最後、四段目は中心に置いて下さい。」


「分かった。」


カイトさんは私の説明に再び頷きつつ手際良くシュークリームを積み上げ、あっという間に最後の段のシュークリームも乗せ終わりました。


「……よし。全部乗せ終わったよ。どうかな?」


「ええ、綺麗にクロカンブッシュの土台が出来てます。」


「良かった。」


カイトさんは私の言葉にほっとしたみたいです。実際、とても綺麗に出来ています。


「……では、その土台を乾かしている間に周りを飾るクリームやチョコソースを作りましょうか。」


「うん、仕上げ用のクリームとチョコソース作りだね。」


「はい。という訳でまずは先にホイップクリームから作ります。」


「分かった。……で、クリームも確か粘土で作るんだよね?」


「はい、そうです。クリームの作り方ですが、白い紙粘土を水で溶いてから更に接着剤を少し足してまた良く混ぜれば出来上がりです。」


「なるほど。」


「粘土を混ぜる容器と水は予め用意してありますのでそれを使って下さいね。あと、出来上がったクリームはこちらの絞り袋に入れて絞って下さい。」


と言って用意していた容器や水、絞り袋などをカイトさんに手渡します。


「ありがとう。これを使えば良いんだね。」


カイトさんはそれらを笑顔で受け取ります。


その後カイトさんは私の言った通りに粘土のホイップクリームを作り、絞り袋に入れる所まで来ました。


「……クリームの準備が出来たよ。それでこのクリームは何処に絞れば良いの?」


「はい。クリームは、シュークリームとシュークリームの間を埋めるように少しづつ上に絞って行きます。」


「了解だよ。」


私の説明に頷いたカイトさんはこれまた器用にホイップクリームを絞っていき、あっという間にクリームのデコレーションが完了しました。


「……こんなものでどうかな?」


「はい、とても綺麗に絞れてます。」


「良かった。……じゃ、あとは最後の仕上げだ。」


「はい、仕上げのチョコソースですね。ソースは接着剤に茶色と黒を少し混ぜて作ります。出来たチョコソースはシュークリームの真上から格子状に掛けて下さい。」


と言ってまた接着剤や混ぜる容器をカイトさんに差し出します。


「分かった。」


カイトさんは頷き、私の言った通りにチョコソースを作ってシュークリームの上から格子状に掛けます。

そして、


「よし、出来た。後は上の部分を乾かせば、」


「はい。完成です。」


とうとうクロカンブッシュの小物入れが完成したのでした。


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