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悪役令嬢は可愛いものがお好き  作者: 梓弓
第一章
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3

兄はあの後、私が『大好きな兄と姉が~』と言った事を姉に報告したそうです。


元・日本人の私は『大好き』的なことは恥ずかしくてなかなか言わないので、珍しかったのかもしれません。

姉はかなり悔しそうだったと、姉付きのメイドさんが教えてくれました。


姉付きのメイドさんは、私達の従姉に当たる人で、親しくしています。(父方の伯母は、商家に嫁ぎました)

私も可愛がって貰っています。


精神年齢では一応年上な私ですが、前世で妹だったので姉と兄には自然と甘えてしまっています。


原作のシオンからしてみれば、あり得ない程可愛がって貰っているのでそこはほっとしています。

私だけでなく、私の3つ下の妹も可愛がってますけどね。


原作のシオンは、妹が華やかな外見を持って生まれたので妹を嫌悪していたみたいですが、私の前世は弟も妹もいなかったので、甘えてくる妹が可愛くてしょうがありません。


妹は姉と兄と歳がだいぶ離れているので、歳が近い私に良くくっついて来ます。


そして今日も、昼食が終わった後読書に耽っていると……


「シオンお姉さま、絵本を読んで下さい!」


と、部屋に突撃してきました。

天使の様な外見に似合わず、妹はかなりアグレッシブな性格をしています。


「いいですよ。フィリアちゃんは何を読んで欲しいのですか?」


妹の突撃にも慣れている私は、今まで読んでいた本に栞を挟み、テーブルに置きながら聞きました。


「今日はこれです!」


と、妹が自ら持参した絵本を見せてきました。

その絵本は文字数が多いけれど、かなり内容が好評の絵本シリーズで、半年に一回新作が出ています。


「それじゃあ、こちらにいらっしゃい。」

「はい!」


妹に手招きすると、妹は元気よく返事をして私の方に駆けてきます。


二人掛のソファに移動し、妹に絵本を読み始めました。

シオンの声はちょっと低めの落ち着いた声なので、朗読には適しているみたいです。


原作でもシオンは声だけは評価されました。

原作のゲームヒロインと朗読対決のイベントがあり、名前の由来にもなっています。(漢字で"詩音"と当てるみたいです。)


……話が逸れましたね。


絵本の朗読中は、特に行儀良く聞いている妹に自然と顔が綻びながら、このまま穏やかな日々が続けばいいのに、と思うのでした。


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