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悪役令嬢は可愛いものがお好き  作者: 梓弓
第一章
39/46

35.5

私はとあるお方の従者をしています。

それは我が国の宰相、『オルト・イール様』のご子息、『カイト・イール様』です。

宰相は代々このイール家が世襲致しますので、カイト様は次期の宰相となるお方でもあります。


十八歳の時にイール家に従者見習いとして雇われてから数年経ち、カイト様がお産まれになってからはカイト様の正式な従者としてずっとカイト様にお仕えしています。


カイト様は小さい頃からとても聡明なお子様でした。

そして宰相様のお父上に恥じぬよう勤勉で、私もこのお方は未来の宰相に相応しいお方だと常々思いながらお仕えしていました。


そんなカイト様ですが、まだ十歳ながら婚約者が出来たのです。


そのお方はオルト様の部下であるローゼット様のご息女のうちの一人、『シオン・ローゼット』様です。

シオン様はローゼット様のお子様の中でもお父上の華やかな雰囲気ではなく、お母上の上品な美しさと穏やかさを継いでいるようでした。


カイト様はシオン様が婚約者になる事を最初は難色を示していたものの、最終的にシオン様の婚約者として恥じぬ様に精進したいとおっしゃっていました。

私もオルト様に認められたシオン様に行く行くは宰相となるカイト様を支えて頂きたいと思ったので、うまくまとまったようで一安心致しました。


それからカイト様は婚約者となったシオン様をお誘いシオン様に逆にお誘い頂いたりと交流を深めていきました。


婚約者のシオン様と交流する中でカイト様はシオン様の意外な一面などを見たりなどして、シオン様により好感を持ちつつあるようでした。

ちなみに意外な一面とは、趣味が粘土細工と珍しかったり、上品な容姿に反してお菓子をとても好んでいたり、という所です。


カイト様はシオン様の趣味である粘土細工に興味を持ったらしく、シオン様に教えて頂きながら作り、完成した粘土細工のアイス型マグネットをとても大切にされておりました。


ただ、そのマグネットをお母上であるミセリア様に見せたところかなり興味を持たれたそうですが、悩みつつもシオン様と作った初作品と言う事もあり、差し上げる事はしませんでした。


カイト様はその後、マグネットの代わりに何かミセリア様に手作りの何かを差し上げたいと思ったらしく、シオン様に何か良い物が無いかと相談を持ちかけ、最終的に粘土細工の小物入れを作る事になりました。


そして、粘土細工の小物入れを作る為の材料を買いに行く事になったカイト様とシオン様に、私も付き添わせて頂きました。


シオン様が的確に材料を選んで下さったおかげで買い物も滞る事無く進み、(買い物かごが重くなった事に申し訳無さそうなシオン様が印象的で、カイト様の従者である私にまで気を使って頂けるなんてと、温かな気持ちになりました。)会計を終え私も馬車へと乗り込み、帰途へとついたのでした。



微笑ましいお二人をこれからも温かい気持ちで見守りながら、末永くお仕えして行きたいと思います。


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