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悪役令嬢は可愛いものがお好き  作者: 梓弓
第一章
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「まずは、粘土売り場に向かいましょうか。」


「ああ。ちなみに売り場は何処にあるんだ?」


「確か、こっちだったはずです。」


以前来た時の記憶を頼りに、粘土細工に必要な粘土や粘土板、粘土を成型する為の道具が置いてあるコーナーへと向かいます。


程なくして売り場に到着した私達は、今回作るクロカンブッシュに最も合う粘土を選び始めました。

粘土は数種類あり、紙粘土、石粉粘土、油粘土、銀粘土などが陳列されています。流石にスイーツデコの材料として使われる素材が樹脂の『軽量粘土』や『樹脂粘土』はありませんが……。


「あまり軽い粘土だと壊れてしまいますし、かと言って固過ぎても見栄えが良くないのですよね。」


「なるほどな。というか粘土が意外に種類があって驚いた。選ぶのは中々難しいな。シオンさんはいつもどの粘土を使ってるんだ?」


物珍しそうに粘土を見ていたカイト様から聞かれた私は


「そうですね。私が主に普段使っているのは紙粘土ですが………贈り物にするには流石に強度が心配ですからね。」


と答え、


「確かに、紙粘土だと壊れやすそうだもんな。」


カイト様も私の答えに頷きました。


そして二人で悩みつつ最終的に出した答えは、


「紙粘土と石粉粘土を混ぜて、強度を出したらどうでしょうか?」


というものでした。


この方法は私自身が前世でもやった事があるのですが、意外に強度も出てくれるのでオススメなのです。


「え?二つの粘土をを混ぜるのか?」


ただ、私の提案にカイト様は驚いています。


「はい。二つの粘土を混ぜるとちょうど良い強度が出るのです。」


「なる程。紙粘土の質感と石粉粘土の強度の良いとこ取りという事だ。」


「そうですね、カイト様。その通りです。」


「ふふ。ちょっとは粘土細工の事、分かってきたかな?シオン先生?」


珍しく少しドヤ顔をして答えたカイト様を微笑ましく見ながら、


「はい。とっても優秀な生徒さんですよ。」


と答えたのでした。


クロカンブッシュに使う粘土も決まったので、従者さんが押していてくれていた買い物カートのカゴに紙粘土と石粉粘土を何種類か入れていきます。


なぜ数種類買うかというと、


「粘土の相性もあるので、一応何種類か買っておきましょう。基本は私が使っているので良いと思うのですけどね。」


「そっか。自然の物だし、やっぱり粘土にも相性ってあるもんな。」


「はい。意外と奥深いのですよ。」


という訳なのです。


粘土はカイト様の言う通り自然の物ですし、ましてや贈り物に使う物なので慎重にならなければいけませんからね。


ただ、思ったよりカゴの中身が多くなってしまったので


「……粘土、そこそこな量になったな。」


「そ、そうですね。従者さん、ごめんなさい。」


と従者さんに謝ったのですが、


「いえいえ、お気になさらず。これが務めでございますから。」


と私達の後ろで控えていた従者さんは笑顔で答えてくれたので良かったです……。


そして、そこそこの重さになった買い物カートを押す従者さんに少し申し訳無くなりながら、次の目的地である文房具コーナーへと向かったのでした。


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