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悪役令嬢は可愛いものがお好き  作者: 梓弓
第一章
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本邸に帰ってきた私逹は、果物狩りに行った事や祖母とジャムを作った事、祖父の友人であるギルバートさんに会った事などを両親に話しました。


両親に果物狩りの話をすると、懐かしそうにしていました。

姉と兄が私達を見ていてくれていたので、両親は最近別邸に行かなかった為、果物狩りに行ったのも数年前なんですよね。


祖父の友人であるギルバートさんの話になると、


「ああ、ギルバートさん。父上の友人だね。私は父上のようにアンティーク品を収集する趣味はないから面識が有るくらいだけど。」


「お父様は私が嫁いで来た時、既にかなりのアンティーク品をお持ちでしたよね。まだ収集を続けていらっしゃるのかしら。」


「お祖父様のお屋敷はどうだった?」


父からの質問に、


「また増えていたみたいですよ。お祖母様が少し呆れていました。」


と、答えました。

祖父自身も増えたと言っていましたからね。


フィリアもうんうんと頷いています。


「やっぱりか。母上が呆れるのも無理はないけどね。古い物だから下手に触って壊しでもしたら大変だし。」


「私達が結婚した時にいくつかいただきましたけど、貴重過ぎて使いづらいものもありますよね。」


両親は顔を見合わせ、少し困った様に答えました。


確かに両親の部屋にいくつかアンティークの家具が置いてあるのを見た事がありますが、祖父からの贈り物だったのは知りませんでした。


「……まあこの話はこれくらいにして、そろそろ夕食を食べないかい?」


「あら、もうそんな時間なんですね。」


本邸に着いたのが夕方だったのですが、今はもう日が落ちていました。

思いの外、話し込んでいたようです。


「せっかくだから、二人が作ってくれたジャムを夕食後のデザートに使って貰おうか。」


「それは良いですね。早速、料理長に頼みましょう。」


「楽しみだね。シオンとフィリアが頑張って作ってくれたものだからね。」


両親は先程とうって変わって、ニコニコと嬉しそうな顔をしながら言いました。


(お祖母様と一緒に作ったので味の保証は出来ますが、こんなに喜んで貰えるなんて。)


私も嬉しくなったので、


「お父様とお母様に喜んで貰えて良かったです。」


と、にっこり笑って返し、フィリアも


「フィリアもお手伝いがんばりました!」


と、少しどや顔で答えました。


すると父が急に私と隣に居たフィリアの頭を撫で始めました。


そんな父を見た母はクスクスと笑い、近くに控えていたナイツやメイドさん達もニコニコと笑顔で、なんだかほっこりした空気が流れたのでした。




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