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私、イノリがこの星を調査するために地球を旅立ってから、十五年が経ちました。
この星に到達するまでに十年もの間宇宙を飛び続け、この星に降り立ってから早くも五年。
今日も私は、調査を続けています。
私には、ある重大な任務があります。
それは、地球外生命体を見つけることです。
三十年前、この星が地球の環境にかなり近いことが観測によって分かりました。さらに詳しく解析すると、なんと水が存在する可能性が出てきたのです。
人類がたどり着くことのできるギリギリの距離に、地球に似た星があり、しかも水が存在する。
人々は、地球外生命体の存在を期待しました。
そしてそれを確かめるべく、私がこの星へ向けて旅立ったのです。
目的地への長い長い旅路の中、私は期待に胸を膨らませていました。
私が向かう星はいったいどんな所なのだろう。
地球外生命体はいるだろうか。
もしかしたら、そこには知的生命体がいるかもしれない。
さすがにそれはないとは思うけれど、私の期待は際限なく広がります。
小惑星にぶつかりそうになったり、エンジントラブルに見舞われたりしながらも、何とか私は目的の星にたどり着きました。
私がこの星に降り立って、最初に見た光景。
見渡す限りの砂と岩。空は赤茶け、海はもちろん、湖も、池も、小さな水たまりでさえ見当たりません。
あまりにも、期待からかけ離れていました。
知的生命体どころか、小さな虫一匹もいるように見えないこの星を見て、私は一瞬絶望しました。
何のために、私はここまで来たのだろうか、と。
それでも気力を振り絞って調査を始め、様々なデータを集めているうちに、私は冷静さを取り戻しました。
気候は決して穏やかではないけれど、生物が住めないほどではありません。
採取した鉱物の組成は、地球のものにかなり近いようです。
大気には酸素こそないものの、生命が誕生するのに必要最低限な元素は含まれているようです。
地球の砂漠も、一見生き物なんていないように思えるけれど、実は多種多様な生き物が潜んでいます。きっとこの星のどこかにも、生命が隠れているはずです。
そうしてさらに詳しく分析を進めていくうちに、大気中にわずかですが水が存在することが分かり、私は再び元気を取り戻しました。
地球では、生命の存在に水は不可欠と言われています。これで、この星に地球外生命体がいる可能性が一気に広がりました。
とりあえずこれまでの分析結果、そしてこの星には確かに水が存在することを通信で地球に送ります。
ここから地球までかなり遠いので、地球から返信が来るのは当分先です。私は調査を続けます。
数日後、地球から届いた通信には確かにデータが届いたこと、次の調査の指示、そして私への労いの言葉が記されていました。私はさらにやる気を出しました。
それからしばらくして、私は水が流れていた痕跡を発見しました。まとまった水があるのならば、そこに生命が存在する可能性がさらに高まります。私はもちろん、地球の科学者たちも非常に喜んだでしょう。
この調子で成果を上げ続けられたなら、きっと近いうちに地球外生命体を見つけることができる、そう思っていました。
物事は、そう簡単には上手く行かないようです。
それ以来、私は大きな成果を出せませんでした。
かつて水が流れていたような地形は時々見つかるものの、肝心の液体の水も、当然生物も。
何も見つけられないまま、時間だけが過ぎていきます。
私は焦りました。
もしこのまま何も発見できなければ、私は見捨てられてしまうかもしれない。
そう思うと、とても怖くて…。
私は新しい成果を求めて、あちこち移動し続けました。あちこち、と言っても車や飛行機があるわけではないので、大した範囲ではありません。私は遅い自分の足を呪いました。
一か月経ち、一年経ち、気付けば五年もこの星で過ごしていました。




