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イノサンスフェンリル  作者: 泉 燈歌
第2章 聖都破滅編
35/35

召喚

……。


――……。




 ………………。


 眠い……。


 ……。


 ……ん?


 自分は誰かと問われれば。

 さてなんと答えようか。


 ……うん。

 俺だ。

 この面倒な思考回路はまぎれもなく俺だ。


 目を開ける。


 ……なにも変わらない。真っ暗だ。

 一切の光がない世界。


 えーっと……回想、回想。


 山田太郎をあの場所から退避させて……ベル様が独立して奴――謎の左腕との一騎討ちに挑んで、その隙に俺ことフェリの肉体をどこかへ放り出して……?


 浮遊感、倦怠感、消失感?


 俺はいったいどこに向かっているのか。

 サードは……いるな。寝てるみたいだけど。

 スーラは?


『……ssroffuisosll?』


 解読不能。

 パスがいかれてるな。


「――さて」


 声を出して、自分という存在を改めて思い出す。

 幼女ボディは……ちゃんと動く。

 動いても無重力みたいな感じでなんにも触れられないんだけどな。

 じゃあなんで呼吸ができるのかと。


 ……なんでだろうな?


[召喚術式を確認]

[契約内容……認証?]

[絶対服従?]

[思考抑制?]

[実行中……]

[加護は破棄されます……抵抗に成功しました]

[制限を破壊します]

[言語領域が封印されました]

[――陣の展開を確認]

[吸引開始]


「……は?」


 頭の中で勝手に流れていくメッセージ。

 それを読み終わるよりも早く目の前に現れる魔法陣。

 引き込まれる……!

 いや、どうせこのまま漂ってても衰弱死するだけだしチャンスなのかもしれない。

 ……不穏なメッセージが見え隠れしていたのは、気にしない。


 それにしても酔う。

 洗濯機の中でぐるんぐるん回されているような感覚。

 それなのに体のあちこちで感じる慣性が全て別方向になっているような。


 よくわからない説明だろうが、俺だってこんなのうまく言葉にできないし。




 視覚が閉ざされたのに軟らかくてほんのり温かい光に包まれた?

 どういうことだってばよ。


 ……意識が薄れていく。


 ねむ、い……。


 ……疲、れた。









 ――右足


 ――左足




 ――世界を救え


 ――世界を滅ぼせ




 ――右腕


 ――左腕


 ――不備を正せ


 ――手間を潰せ




 ――われはかみなり




 ――吾は神也


 ――真なる神と為る


人生に疲れた、って。

言うほど生きちゃあいないでしょうよ、私。


とりあえず、無理矢理にでも完結させにいこうかと思います。

たとえどんな話になっても。


フェリちゃんの活躍をご期待してもいいのよ?

裏切りは、信用と信頼がないと生まれないのだから。


……病んでてごめんね? いや、割と本気で。

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