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空と海

作者: 紗々イズム

僕はいつだって砂浜につくとすぐに上を見上げる。そしていつも感嘆する。ああ海って本当に広いなあ。淡い青はずっと続いていて、多分僕からは見えないところでも淡い青は永遠に続いていて、終わりなんて存在しないんだろうなと思った。

だけど海は唐突に死ぬ。太陽がいなくなって月がやあと言って参上すると海は死ぬ。真黒な海の死体が頭上に広がる。終わりのない死体に世界は覆われる。僕はそんな海を見ると悲しくなる。普段はただただ穏やかな顔をしているけど突然死ぬ。よく大人が言っている惜しい人から死んでいくっていうのは本当のことなんだなと痛感した。

僕は涙を落とす。落ちた涙は砂浜に溶け込まず、浜をつたってつたった。僕の涙は止まらない。浜は流れる涙でいっぱいで、まるで砂浜が泣いているみたいになった。

気が付くと海はそこにいた。見上げずともそこにいた。淡い青はやっぱりどこまでも続いていて、多分僕からは見えないところでも淡い青は永遠に続いていて、終わりなんて存在しないんだろうなと思った。

夜が明けると、頭上には淡い空が広がっていた。

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