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妖怪事情シリーズ

最近の人魚事情

作者: 束間由一



 昨日、河原で人魚と出会った。

 

 彼女は、河原の石の上で髪の手入れをしていた。

 話しかけると、快く会話に応じてくれた。


 どうも最近、髪質キューティクルが悪くなったらしい。

 特に、海にいると悪化するとのことだった。


 だから、ここのところは川にいる事が多いらしい。

 人間の垂れ流した汚水や、以前に漏れ出した放射性物質等による水質の低下と、身体への不安が主な理由らしい、エチゼンクラゲが体にこびりつくのもたまらなく嫌なのだそうだ。


 最近の流行は、軽音楽らしい。

 人間のアニメに感化されて、今やハーブよりブラスバンドだそうだ。

 彼女達が作ったライブハウスで、毎日のように演奏が行われているらしい。


 他にも聞きたい事は沢山あったのだが、あの人魚はそれ以上は勘弁してほしいと言ってきた。どうも、ライブでボーカルで歌ってきた帰りで、結構疲れていたらしい。


 「人間の男は、あんまり興味無いな。この声を失ってまで付き合いたいとは思わないしね。」 

 その言葉を聞き、僕はその場を後にしたのだった。 


 

 


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― 新着の感想 ―
[一言] 山姥のほうから見たものです。 ああ、失礼しました。 すでに、事情シリーズあたのですね(汗)
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