第四十七話 学園祭
楽しいことってあっという間に終わっちゃうよね
でもその楽しいのために色んなことを頑張れるよね
★葵
すじ雲が広がる青空。空は青々と清々しいのに……風が強く吹き、砂埃が舞っている。西部劇でガンマンたちの撃ち合いでもはじまりそうな雰囲気だ。
今日から学園祭が行われる。
学園祭の時だけ学校が解放され家族以外の友達や他校の生徒、近所の人たちなど色んな人が訪れることができるようになる。要するに……男子校であるこの学校の学生たちは……このタイミングが彼女を作るチャンスなのである。ここでの学園祭は主に自分たちが楽しむ、成果を見せる、おもてなしをするというより女子にアピールするのがメインのイベントになっている。もちろん学校側はそれを推奨しているわけではないが。
おかげでオレらのクラスの出し物はバトラー&メイド喫茶になった。女子ウケしそうな執事と女子と男子向けのメイドの二種で攻めるようだ。オレや柊は身長があるので執事の格好をすることになり、百合と菖蒲は当然かのようにメイドの格好をさせられている。
オレの執事の格好は……自分で言うのもあれだがまあ普通に執事としていそうな雰囲気を出せている気がする……多分。柊はイケメンなので言うまでもなく執事の格好が似合っている。こんなにも燕尾服が着こなせる奴はそうそういないだろう。クラスメートたちは柊をみると此奴には勝てないというように大きなため息をついていく。
百合や菖蒲が着ているメイドの服装はもちろんミニスカートではなく足首まであるロングスカートで上は長袖。まあ……ギリギリやれなくもない範囲の格好だと思う。オレは絶対に着たくないけれど……。
百合のメイド姿は女の子かと思うレベルの可愛さで本人が少し照れていることもありその感じもプラスして可愛さが増している。しかも話しかけるとツンデレになるので何故か萌えキャラのような存在になっており、クラスメートからは構われまくり状態である。
菖蒲は逆に堂々としていて、いつもの天使の笑顔を振りまき、作法も元々上品なので普通に美少女のメイドさんという感じだ。百合とは真逆で堂々としているので話しかけにくいらしく高嶺の花という感じになっている。
午前の部活の出し物を終え、午後からはクラスの出し物に参加する。オレと柊は執事の格好をし、校門前でクラスの出し物のチラシ配りをする。
「うわ~今日は風が強いね~口に砂が~」
「そうだな、男らしい風だな」
「男らしい……そ、そうだね……」
オレは柊と会話のキャッチボールが未だに慣れない。
「あ、あの…すみません。チラシもらってもいいですか?」
女子高生たちの集団が頬を赤くして話しかけてくる。
「どうぞ」といつもとは違う男らしいイケメンそのものの柊。
「あの……お兄さんたちもお店に出られるんですよね?」
これは……柊、目当てか……。
「ああ、俺らも店にでる予定だ」
柊はキメ顔をしてオレの肩に腕をかじ雲が広がる青空。空は青々と清々しいのに……風が強く吹き、砂埃が舞っている。西部劇でガンマンたちの撃ち合いでもはじまりそうな雰囲気だ。
今日から学園祭が行われる。
学園祭の時だけ学校が解放され家族以外の友達や他校の生徒、近所の人たちなど色んな人が訪れることができるようになる。要するに……男子校であるこの学校の学生たちは……このタイミングが彼女を作るチャンスなのである。ここでの学園祭は主に自分たちが楽しむ、成果を見せる、おもてなしをするというより女子にアピールするのがメインのイベントになっている。もちろん学校側はそれを推奨しているわけではないが。
おかげでオレらのクラスの出し物はバトラー&メイド喫茶になった。女子ウケしそうな執事と女子と男子向けのメイドの二種で攻めるようだ。オレや柊は身長があるので執事の格好をすることになり、百合と菖蒲は当然かのようにメイドの格好をさせられている。
オレの執事の格好は……自分で言うのもあれだがまあ普通に執事としていそうな雰囲気を出せている気がする……多分。柊はイケメンなので言うまでもなく執事の格好が似合っている。こんなにも燕尾服が着こなせる奴はそうそういないだろう。クラスメートたちは柊をみると此奴には勝てないというように大きなため息をついていく。
百合や菖蒲が着ているメイドの服装はもちろんミニスカートではなく足首まであるロングスカートで上は長袖。まあ……ギリギリやれなくもない範囲の格好だと思う。オレは絶対に着たくないけれど……。
百合のメイド姿は女の子かと思うレベルの可愛さで本人が少し照れていることもありその感じもプラスして可愛さが増している。しかも話しかけるとツンデレになるので何故か萌えキャラのような存在になっており、クラスメートからは構われまくり状態である。
菖蒲は逆に堂々としていて、いつもの天使の笑顔を振りまき、作法も元々上品なので普通に美少女のメイドさんという感じだ。百合とは真逆で堂々としているので話しかけにくいらしく高嶺の花という感じになっている。
午前の部活の出し物を終え、午後からはクラスの出し物に参加する。オレと柊は執事の格好をし、校門前でクラスの出し物のチラシ配りをする。
「うわ~今日は風が強いね~口に砂が~」
「そうだな、男らしい風だな」
「男らしい……そ、そうだね……」
オレは柊と会話のキャッチボールが未だに慣れない。
「あ、あの…すみません。チラシもらってもいいですか?」
女子高生たちの集団が頬を赤くして話しかけてくる。
「どうぞ」といつもとは違う男らしいイケメンそのものの柊。
「あの……お兄さんたちもお店に出られるんですよね?」
これは……柊、目当てか……。
「ああ、俺らも店にでる予定だ」
柊はキメ顔をしてオレの肩に腕を回してくる。すると女子高生たちは目をハートにしながらキャーキャーといい満面な笑みを向けてくれる。
「えっと……何時くらいにいけば、お店にいらっしゃいますか?」
「そうだな……あと二十分後くらい後だったか店に戻るのは」
「だね~また後で彼に会いに来てね~待っているよ~」
オレは愛想よく手を振り女子高校生たちを見送るが、女子校生たちは柊だけを見つめている。
「柊~君は本当にモテるよね~」
「なんのことだ」
「いや、だから女性ウケがいいって話だよ」
「何を言っているかわからない」
近くを通る人も遠くにいる人も柊に目線を送っているのがわかる。
「柊のことを見ている人さっきからいっぱいいるよ。気が付いていないようだけど」
「なに? 俺を見ている? もしや、この格好が似合っていないとかか?! はやり俺には忍びの格好が……」
「いやいや、落ち着け。むしろ逆だよ……似合っているから見ているんだって」
「そ、そうなのか……よくわからないが。変でなければいいが……」
「大丈夫、動かず言葉も極力少なく話してれば何も問題ないよ」
「動かず言葉も極力少なくか……わかった努力しよう」
店番をするまでの二十分間……ビラを取りに来る人、話しかけてくる人は見事に女性だけで……柊のモテ具合に驚くばかりだ。
二十分後、ビラ配りの交代のクラスメートがやってくる。
「あ~ジャリジャリが顔にも目にも口の中にも~。柊、早く戻ろ~」
「ん? 目にも? いつもニコニコ顔だから問題ないだろ?」
「あ~そこ突っ込むの。一応、目……あるんだけどね」と手を使い目を開いて見せる。
「綺麗な目だな……。確かに目があるようだな。すまない。それより! これだけ風が吹くと、風の術でも使えそうな気がするな」と柊は胸元に入れていた手裏剣を出しポーズをとり始める。オレは慌てて手裏剣を奪い、柊のポーズを止めさせる。
「ちょっと待て……ここではやめておけ、部活の出し物の時まで待ってくれ~」
「うむ、わかった」
教室に行く間も柊を見つめる、もしくは付いてくる女性たちがたくさんいる。
「あのさ~柊っていつも女性に話しかけられたりするの?」
「ん? そういえば、女性に道を聞かれることは多い気がする」
「お~そうかそうか……うんうん」と柊の肩をポンポンと叩く。
きっとモテてる自覚は全くないんだろうな……。
教室に戻る廊下で制服にエプロンをした朴と柾に出会う。
「あっ! 葵、柊! 二人もカッコイイっすね~」と朴は目を輝かせてるが。
「二人とも、良く似合っていますよ」
柾は直視せずに少し震えている感じからあきらかに笑っているのがわかる。
「そうか? ありがとう」と柊はキメ顔をする。
「でしょ~かっこいいでしょ~ふ・く・が」とオレはボウアンドスクレープをしてみせる。
「ほら、柊も」
柊は何か召喚でもしそうなポーズを取る。
「あはははは~二人ともめっちゃ最高っす~」と朴は腹を抱えて笑う。
「そ、そうだな最高に似合っている」と柾は笑いを一生懸命にこらえている。
「おい……そこのアホ二人……何をやっているんだ……」
可愛いメイド服を着た百合が呆れた顔をして立っている。
「うわ~百合君、すげ~可愛いっす~」
朴は一目惚れでもしたように、少し顔を赤くし目をキラキラさせ百合を見つめる。
「かわ……あ、えっと……と、とても似合っていますよ」
柾は百合の可愛さに頬を赤くし少し戸惑う。
「いや、俺の感想とかどうでもいいから……羽柴も響空もシフトの時間遅れているよ、早く来て」と百合はオレと柊の手を引っ張り教室の方へ向かう。
「メイドさんに怒られているっす~。しかも連れていかれているっす~。二人共、カッコ悪いっす~あははは~」と朴はオレらを指差して笑う。
柾は百合の可愛さに心を持って行かれてしまったようにボーっとしている。
「百合君、ごめんて~」
「百合君、申し訳ない」
「わかったから、急ぐぞ」
可愛いメイド、イケメンの執事にすれ違う人たちは注目している。
そして教室の前には柊を目当てに来たと思われる女性陣が長蛇の列を作っていた。店のシフトは一時間交代のはずだったが、長蛇の列が途切れることがなく……学園祭一日目が終わるまで大忙しであった。
お読みいただきありがとうございました!
次回もよろしくお願い致します!




