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第十四話 コトバは伝えないと伝わらない

 気になったことは何でも拾ってみよう

 気になることを拾い続けると

 色んな繋がりや新しい世界に

 出会えるかも知れない

★葵


 休日が明けて月曜日。一昨日のゲーム大会ではしゃぎ過ぎて笑いすぎて顔が筋肉痛だ。あんなに笑いまくったのは久しぶりだ。楽しいと笑顔を通り越して大笑いになるのはなんでだろう。

 今日から仮の武器を使っての練習をやってみようと思う。日曜に家に返り、アンバトの練習用の武器を一式回収し足りない分はいつものアンバトの道具が売っているところで調達してきた。

 授業が終わると当時に部室へ向かう。部室にはまだ誰もいない。窓から空を見上げる。空は晴れてはいるが雲が広がっている。太陽が見え隠れを繰り返し雲の動きが活発である。

「羽柴」

「え? 百合君? どうしたの? まさか~入部希望? ウェルカムだよ~」と大きく手を広げて喜びを表現する。

「あ、ごめん。そうじゃなくって……これを落としていったから」

「え、ああ……ごめん。ありがとう」

 落し物は自分で作った片翼が掘られたコイン型のネックレスだ。学校なので表には出していないが常に身につけている。とても大事なもの。

「すぐ追いかけたんだけど、羽柴がスキップしていくから追いつけなかった」

「スキップ? していた? あ、なんか恥ずかしいな」

「ああ、嬉しそうに軽やかな足取りだったよ。本当に部活が楽しみなんだろうなって感じで、全身で表現していたよ」

「ははは……」

 百合に言われた通り部活は楽しい。でもさ、百合がいたらもっと楽しいし嬉しいんだけどな。今日も振られちゃったな……いや……さっきはタイミングと言い方が悪かったんだ。もう一回……言ってみよう……頑張れ、オレ。

「百合君、あのさ……」

「なんだ?」

 オレは目を見開き真剣な顔を見せる。

「アンバト部に入らない……」

「え……」と百合は驚きながらも少し笑顔を見せる。

「お疲れ~っす」

「葵、なぜ先にいってしまったんだ」

 不機嫌そうな顔をした柊と無邪気な笑顔の朴が部室に入ってくる。

 またタイミングが……とことん運が悪いようだ。

「じゃ、俺は行くから。部活、頑張って」

 百合は何事もなかったかのように去っていく。

 オレは百合の態度に落ち込み、大きなため息を突く。


「柊、ごめん。普通にお前の存在を忘れていたよ……」

「貴様、俺の存在を忘れるとはどういうことだ」

「あ~存在が大きすぎて視界に入らな過ぎたんだよ~」

「何を意味の分からないことを! 折角の機会だ! 俺という存在をしっかりと刻み込んでやろう!」と言って柊は手裏剣を取り出し構える。

「え? なにそれ? オレは殺されるの? 小説の世界じゃないんだから転生できないよ? 時間戻らないよ?」

「はやく、剣を出せ!」

「嫌だよ、ごめんて。柊の存在を忘れたことなんかないよ~柊はオレにとって最高のヒーローだよ~忘れられない存在だよ」

「そ、そうなのか。そこまで言われると嬉しいものだな」と柊は手裏剣をしまい、とても嬉しそうにオレの肩を叩く。

「そうだ、今日から武器を使って練習するよ~」

 そういって武器が入ったケースや袋を広げる。

「おお~すごいっす」

「やっとか! この時を待っていたぞ!」

 朴と柊は宝物を開けた少年のように目を輝かせ大喜びをする。

「うふふ、今日も元気いっぱいですね、廊下まで聞こえてきましたよ」

「本当に……少しは落ち着きをだな……」

 菖蒲はいつものように微笑み、柾もいつものように眉間に皺を寄せた顔で部室に入ってくる。

「見るっす、見るっす~今日から武器使って練習するっすよ」

「そうだ! やっと、戦えるのだぞ。もっと喜ぶべきだ」

 朴と柊は武器を胸にギュッと抱き、目をキラキラと輝かせている。

「それは楽しみです」

「ほお、やっとか……」

 菖蒲も柾も嬉しそうな笑顔を見せる。

「よし、これを持って練習場にGOだ~」と声をかけると「お~」と全員の声が揃う。

 やばい……すごく楽しい! 部活っぽい! 青春っぽいな!

 練習場に到着し軽くストレッチをした後、それぞれの練習用の武器を持つ。朴と柊は的を用意し的の前に立ち的に当てる練習を行う。オレ、菖蒲、柾はペアでひたすら練習用の武器で打ち合う。部活の練習メニューは最初に筋トレとストレッチを行い、それが終わったら練習用の武器で練習というメニューとなる。たまに山登りやゲーム大会も行いながら。





* * *

 ある程度形になり朴と柊は走りながら距離を変えながら的を狙う練習を行い、オレたちは朴と柊の攻撃を避けながらも対戦を続けるという練習を行っていく。みんなセンスがいいというか思っていた以上の成長ぶりを見せる。実際の戦いが楽しみで仕方ない。

 何か新しいことをはじめるというのは勇気が必要である。やる前は準備をしてココロはワクワクした期待とモヤモヤした不安でいっぱいになる。でもさ、やっぱやってみなきゃ進まなきゃわからないし、自分に合うか合わないかも実際にやってみないとわからない。例えば、自分が苦手だと思っていたものが実は向いていたりすることもあるわけで。だからさ、気になったことは何でも拾ってみて、やってみたり調べてみたりするのがいいよね。気になることを拾い続けると色んな繋がりや奇跡的なものに出会えるかも知れないのだから。

お読みいただきありがとうございました!

次回もよろしくお願い致します!

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