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再会を告げる娘

ルシールに新たな仕事が加わった。

レオンハルトの手紙を使者であるオリバーの前で開封し、返事を書くという仕事だ。


今日の午後もオリバーは伯爵邸に来た。

応接室でルシールはオリバーと面会する。

ルシールはレオンハルトからの封書を開封し、手紙の内容を確認する。


(今度は「伯爵邸の庭園を案内してほしい」かぁ…。)


レオンハルトが晩餐会の夜に伯爵邸に来てから、毎日のように手紙が届くようになった。ルシールと外出をしたい旨であったが、伯爵が最低限の交流を望んでいるため、毎回断っていた。


(そろそろ伯爵からも訪問の許可を出すように言われてるんだよな…)


「〚畏まりました。来週のこの時間帯にお越しください。〛と御返事を書いて」


ルシールはまたセバスチャンに代筆を行わせる。

オリバーからの視線が痛い。


(アデライードお嬢様との筆跡が異なるから、直筆はできないんだよ…)


ルシールは心のなかでオリバーに言い訳をした。

セバスチャンがしたためた手紙をオリバーは恭しく受け取る。


「確かにお預かりしました。主人にお渡しします」


レオンハルトはルシールに会いたがっていたものの、会えず仕舞いでついに従者であるオリバーを使いに出すようになった。アデライードが伯爵家で冷遇されているかもしれないから、返事をその場でもらってこいとの言葉を添えて。

オリバーは漸く色良い返事をもらえて胸をなでおろす。


「主人もアデライード様にお会いしたがってましたから、喜ぶでしょう」


オリバーは微笑みながらルシールに告げた。

オリバーが颯爽と去りゆく姿を見送りながらルシールは思う。


(またレオンハルト様に会えるんだ…)


大事な晩餐会にも関わらず、ルシールに会いにきてくれたレオンハルト。ルシールのことを気づかってくれた。自分の味方とも伝えてくれた。

レオンハルトのことを思うと胸が熱くなる。


(嬉しい…)


ルシールは思わず笑みがこぼれる。

そんなルシールに、セバスチャンは淡々と報告する。


「お伝えし忘れていましたが、アデライードお嬢様は、本日午後タウンハウスから戻られます。レオンハルト様とお会いするのはルシール様でなく、アデライード様になるでしょう」

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