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許可する娘

ルシールは2週間ぶりに外出を許可された。


あれからアデライードに会いにこないレオンハルトのお陰である。レオンハルトの前から逃亡したことを伯爵夫人にきつく咎められたが、逆にいい作戦だったのかもしれない。


ルシールは窮屈なドレスから水色のワンピースに着替え、気分は町娘になる。アデライードのときは腰まであるハニーブロンドの髪をそのまま流していたが、今日はポニーテールにした。護衛も不要であると伝えてきたので、ルシール1人である。


(これでアデライードとはおもわれまい!)


ルシールは自信満々だ。


辿り着いた中央広場には、沢山の露店が並んでおり、食欲を誘う匂いが漂ってくる。


「美味しそうなものだらけだ!どれにしよう?」 


「アデライード嬢、このクッキーがお勧めだよ」


目を輝かしながら悩んでいたルシールに急に横から話しかけてきたのは、レオンハルトであった。

レオンハルトはアイボリー色のシャツと黒色のズボンといった簡素な格好をしていたが、如何せんオーラが隠せていない。


「あなたはワ…、いやっ、私はアデライードではありませんっ!」

「そうなんだ?では貴方の名前を教えて欲しい」


レオンハルトはアデライード嬢であることを確信していたが、問いただして逃げられることを避けたかった。


「わたしはルシー…、ルーです」


思わず本名を伝えそうになり、ルシールは慌てて途中で止める。


「では、ルー、今は1人?どこか行きたいとこがあるなら付き合うよ。」


「私は1人で大丈夫です!」


「ルー、王都でも女性一人だと危ないよ?貴女に何かあったらと思うと辛くなるから、一緒に居たい。」


レオンハルトは真っ直ぐにルシールを見てくる。

真剣な眼差しに心が揺れ、ルシールはレオンハルトの同行を許可することにした。

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