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転生少女と結婚式2

よろしければ、お読み下さい。

 結婚式が中止になり、緑色のワンピースに着替えたアニエスは、刑務所に向かった。

「ユキルリタテハが?変ねえ。あなたの言っていた香水で弱るはずなんだけど」

そう答えたのは、以前学園の教師だったイネス。鉄格子を挟んで見る彼女は、少し瘦せているものの、相変わらず美しかった。


「そうっすか……先生は生物に詳しいから、何か知ってるかと思ったんですが……」

イネスは、真剣な顔で考え込むアニエスをジッと見ていた。

「……まだ先生と呼んでくれるのね……」

「はい。先生にはお世話になったので」

イネスは、「相変わらずね」と笑った後、ふと思いついたように言った。

「……その蝶、本当にユキルリタテハなのかしら」

「え?」

「魔物っていう事はない?虫に似ている魔物もいるわよ。ロック・オーバンは逮捕されたみたいだけど、まだ自然発生している魔物はいるでしょう?」

「成程……調べてみるっす。ありがとうございます、先生」

「礼なんて良いわよ。……そういえば、言ってなかったわね」

「何をですか?」

「……結婚、おめでとう」

しばらく沈黙が流れた後、アニエスは微笑んで言った。

「ありがとうございます、先生」


 数時間後、アニエスはエルネストと共に王城の広間にいた。しばらく待っていると、レオナールが広間に入って来た。

「待たせてすまなかったね」

「いえ、お時間を頂き、ありがとうございます」

アニエスは、カーテシーをして言葉を発する。

「それで、どんな用件かな?」

「実は、王城で保管しているマリユス・ヴィトリーの本をしばらくお借りしたいのです」

「あの本を?」

「はい」

 アニエスは、人々が倒れていった原因が蝶の姿をした魔物かもしれない事をレオナールに伝えた。

「……というわけで、魔物について調べる為にマリユス・ヴィトリーの本をお借りしたいのです」

「そうか……わかった。書庫の管理をしている者に貸し出すよう言っておこう」

「ありがとうございます」

「アニエス嬢。もし魔法薬を使う事になっても、無理はしないで欲しい。君はエルネストにとって大切な人だからね」

「はい、心得ております」

エルネストは、そんなアニエスを優しい笑顔で見ていた。


 その後アニエスは王城に用意された自室にこもると、マリユス・ヴィトリーの本を貪るように読んだ。結婚式は一週間後に延期されたが、今日から王城に住む事を許されている。アニエスが一生懸命なのは、魔術を使える者としての使命感もあるが、単純に人々が安心して暮らせるようにしたいという思いからだった。

 そして、アニエスは該当のページを見つけた。やはり、あの蝶はユキルリタテハではなかった。ユキルリタテハは羽に白い縁があるが、アニエスが見た蝶にはオレンジ色の縁があった。よく似た魔物なのだ。そして、その蝶の特徴を読んだアニエスは、口角を上げた。


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