転生少女と真相3
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「あら、気付いていたのね」
リュシエンヌが、アニエスに微笑みかけて言った。
「新聞の記事について二人で話している時、失礼ですが、メイドにしては教養があるなと思っておりました。茶色い髪と緑色の瞳はフレデリク殿下と同じですし、もしかしたら王妃殿下なのではないかと。今の装いを拝見して、あなた様が王妃殿下だと確信致しました」
リュシエンヌは、贔屓の商会の選定の他にも政治に関わる場面があり、以前にも命を狙われた事があった。なので、あまり公の場には姿を見せないようにしている。そして、自分の妹のコンスタンスにリュシエンヌを名乗ってもらう事もあった。要するに、影武者である。コンスタンスが影武者になる事は、家族や宰相等一部の人間しか知らない。
ポーラはブリュノからリュシエンヌの特徴を聞いていたが、二人共茶色い髪に緑色の瞳をしている為、間違えてコンスタンスを襲ったのだろう。
「あなた、賢いのね。……私があなた達の婚約を認めなかったのは、剣術大会で準優勝するような子が駆け引きの多い貴族社会でやっていけるのか心配だったからよ。でも、あなたは知識に貪欲だし、第二王子の婚約者でありながらメイドに対して敬意を払っていた。何より、エルネストを心から愛している事が伝わってきた。あなたは、エルネストの婚約者に相応しいわ」
「……ありがとうございます!」
アニエスは、満面の笑顔で礼を言った。エルネストとの婚約を認めてもらえた事が、本当に嬉しかった。
「メイドの振りをしてあなたに近付いて良かったわ」
リュシエンヌが微笑んで言った。ちなみに、ブリュノをコンスタンスの部屋におびき出す作戦を考えたのはエルネストで、その作戦をアニエスに伝えたのはリュシエンヌだ。コンスタンスが事件の真相に近付いていると思い焦ったブリュノは、まんまと罠に嵌ったわけだ。
「もうミストラル宰相……いや、ミストラルに聞く事は無いな。留置所に連行しろ」
レオナールが険しい顔で命令した。
「くっ、どうしてこんな事に……」
ブリュノはそう呟きながら、衛兵に連行されていった。
「アニエス嬢、不便をかけて申し訳なかったね」
ブリュノが連行された後、レオナールが優しい口調でアニエスに話しかけた。
「いえ、疑われても仕方がない状況だったにも関わらず丁重に扱って頂き、感謝しております」
「そうか……王宮に入ると苦労する事もあるだろうが、今後とも愚息の事を宜しく頼む」
「はい。この先ずっと、エルネスト殿下を支える所存です」
アニエスは、真剣な顔で答えた。
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