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転生少女と雪の国4

よろしければ、お読み下さい。

 刑務所を出た後、二人は宿に戻った。

「……結局、魔術の継承者についても君の母親についても、詳しくわからなかったね」

「はい。……でも、やっぱりクレマンさんは根っからの悪人じゃ無かったっす」


 ルミ王国に来る前、アニエスはクレマンについて調べていた。

 クレマンは、語学が堪能で、昔から通訳として貴族の外交に関わっていた。その功績から、子爵の位を賜る程だった。そして、色々な国を渡り歩く中で、ルミ王国の商人と恋仲になった。その商人は綺麗な女性だった為、沢山の貴族から目を付けられていたが、クレマン以外の男性に靡かなかった。

 しかしある時、クレマンと共にルミ王国を訪れていた貴族数人がその商人を乱暴しようとした。乱暴される直前で駆け付けたクレマンは、頭が真っ白になる。気が付くと、貴族達は全員息絶えていた。クレマンの拳には、貴族達の血が付いていた。

 クレマンは裁判にかけられ、終身刑となった。貴族を複数名殺害したのに終身刑で済んだのは、貴族達の行いが世間に知られる事を恐れた近親者達が何か働きかけたのかもしれない。

 商人は、クレマンに罪を犯させてしまった事を気に病み、クレマンの元を去って行った。しかし、クレマンのいる刑務所には今でもその商人から手紙が届くとか届かないとか。


「魔物が出現する事案については、また対策を考えよう。明日の朝にはここを出るんだろう?近くにお土産を売っている店があったから、後で行ってみよう。美味しい菓子でも持って行ったら、兄さんやブリジット嬢が喜ぶと思う」

「……そうっすね」

アニエスは、無表情で頷いた。


 翌朝、アニエスとエルネストは宿を後にした。おかみさんは、「お達者で」と言って笑顔で見送ってくれた。今日は天気が良い。アニエスは、レーヴ王国の皆が安心して暮らせるようになる事を祈りながら、エルネストと共に馬車に乗り込んだ。


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