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転生少女と学園生活4

よろしければ、お読み下さい。

 「アニエス、無事か!!」

そう言って小屋に飛び込んで来たのは、エルネストだった。

 「殿下、どうしてここに……」

アニエスが驚いた表情で呟いたが、エルネストの耳には届いていないようだ。エルネストは、アニエスの乱れた服装を目にすると、スッと目つきが鋭くなった。

「……アニエス、この男達に手を出された?」

「ボタンを引き千切られただけっす」

「そう。……お前達、命拾いしたな」

そう言うと、エルネストは剣を抜き、二人の男達に斬りかかった。

「な、何だお前!?」

背の高い男がナイフで応戦しようとするが、あっけなくエルネストに倒される。背の低い男もエルネストに峰打ちで倒され、気絶している。


 「良かった……アニエスが無事で」

男達をロープで縛り上げた後、エルネストがほっとした表情で言葉を発した。

「ご心配おかけして申し訳ないっす。……でも、殿下は何故ここがわかったっすか?」

エルネストは言いにくそうに言った。

「あー……実は、友人に、君の様子を見るよう頼んでいたんだ」

「え?」

「君が女生徒達から良く思われていないのは知っていたからね。虐められていないか、こっそり見張らせていたんだよ。そしたら、君が襲われたっていう報告を受けて……」

そうだったのか、全然気付かなかった。

「ごめんね、黙ってて」

そう言いながら、エルネストはアニエスを縛っていたロープを解いた。アニエスは、ブレザーのボタンを掛けて胸元を隠した。

「謝る事ないっす。……コレット様、これに懲りたら、もう嫌がらせはやめて欲しいっす」

コレットは、しゅんとした顔で頷いた。

「ええ……ごめんなさい」

 こうして、アニエスは無事帰る事が出来た。エルネストがあまりに心配するので、あの男達にわざとブラウスを脱がさせて油断した所を倒そうとした事は黙っていた。


 その日の夜、エルネストの自室をフレデリクが訪れていた。

「今日は大変だったな。魔物が現れた上に、アニエスが危険な目に遭ったり……」

フレデリクが、苦笑しながら言った。

「うん、そうだね。まあ、魔物は無事倒したようだし、アニエスも無事だったからいいけど」

エルネストも言葉を発した。

 フレデリクは、急に真顔になると、エルネストに言った。

「……なあ、あの事、本当にアニエスに伏せたまま結婚する気か?」

エルネストは、目を伏せた。

「……うん。あの事を話してしまったら、アニエスはショックを受けるだろうから。……いや、違うな。あの話をしたら、アニエスが僕から離れようとするかもしれないから……の方が正しいか。とにかく、あの事は伏せておきたい」

「……そうか。まあ、お前が決めたのなら何も言わないよ」

「ありがとう」

エルネストは、少し憂いを感じさせる表情で礼を言った。こうして、大変な一日は幕を閉じた。



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