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転生少女と学園生活2

よろしければ、お読み下さい。

 今日の授業が全て終わると、エルネストがアニエスの元にやって来た。

「アニエス、途中まで一緒に帰ろう」

「はい」

アニエスは一言だけ言って、立ち上がった。

 廊下を歩きながら、エルネストが言った。

「アニエスが僕と同じクラスで良かったよ。試験の結果によっては、アニエスの学年も違っていただろうからね」

アニエスは学園に編入する際、試験を受けていた。その試験の結果が良かったので、エルネストと同じ学年の授業を受けても問題ないと判断されたのだ。

アニエスの成績が良かったのは、前世での知識があったのと、ブリジットのテキストを以前から読んでいたからだ。顔なじみがクラスにいるだけでも心強いので、アニエスとしても、試験の結果が良かった事にほっとしていた。

「そうっすね。エルネスト殿下が同じクラスで心強いっす」

「そう思ってくれて嬉し」

「おーい、エルー」

エルネストが言い終わる前に、声が聞こえた。門の方を見ると、フレデリクが真顔で手を振っていた。アニエス達は、急いで門へと向かった。

 「どうしたの、兄さん」

「実は、この近くに魔物が出たって報告があってな」

「えっ」

「お前も退治を手伝え。人手が足りない」

 エルネストは、ちらりとアニエスを見た後、溜め息を吐いた。

「……わかったよ。アニエス、残念だけど、一緒に帰るのはまた今度ね」

「お気を付けて」

そして、エルネストはフレデリクと共に去って行った。


 ブリジットは王妃教育の為に王城に赴く予定なので、既に帰宅している。アニエスは、一人歩いて帰ろうと歩み出した。

「あら、アニエスさん、一人なの?」

声を掛けて来たのは、学園の教師で、アニエス達のクラスの担任をしているイネス・セネヴィル。銀髪を長く垂らしていて、緑色の瞳を持つ美しい女性だ。年齢は、二十代後半だろうか。

「イネス先生。そうっす、一人っす」

「そう……大丈夫?あなたは平民だから、周りからの風当たりが強いのではないかと思うのだけど」

 イネスは、心配そうな顔で聞いた。

「まあ、確かに風当たりは強いっすけど、今の所大丈夫っす。お気遣い、ありがとうございます」

「ならいいけど……何か困った事があったら、言ってね」

綺麗な笑顔でそう言って、イネスはその場を去った。


 アニエスが大通りを歩いていると、また声を掛けられた。

「ちょっと、そこの平民」

そう言ったのは、コレットだった。

「私っすか?」

「そうよ、あなたよ。話があるの。ちょっとこっちに来なさいよ」

「はあ……」

断るとまた面倒な事になりそうなので、アニエスはコレットについて行く事にした。

 裏路地を進んで行くと、人気のない小さな広場のような場所に出た。

「こんな所で話をするんっすか?一体どんな……」

アニエスが言いかけた時、頭に衝撃が走った。後ろから、誰かに頭を殴られたのだ。

不敵な笑みを浮かべるコレットの姿を見ながら、アニエスは気を失った。


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