劣等ダーウィン
動物博士って、少し怪しい。
今まで、そんな話してこなかったから。
アスファルトを歩いていった。
目の前に、黄土色の人がいた。
大勝くんだ。
「何、その格好」
「何か、カッコいいじゃん」
「何で2年間、動物好きだって言わなかったの?」
「何か、カッコいいじゃん」
カッコいいじゃんで押し切る人に、カッコいい人はいない。
「ダーウィンさんが、好きなんだ」
「どういうことした人?あまり詳しくないから」
「動物の何かを、調べた人だよ」
「本当に、好き?」
「好きだよ。顔とか顔とか顔とか」
顔のファンだった。
ここは、緑とかあまりない公園だ。
ここで、何を調べるのだろうか。
「何をするの?」
「蟻の観察だよ」
「蟻?」
蟻は昆虫だ。
「そう。働き蟻って、全体の20%くらいしかいないらしいよ」
僕でも知ってる。
テレビで見た。
どこがダーウィンだ。
20%って、この公園の緑より、多いよな。
君の活動できる、脳みその割合くらいかな。