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『覇王アンシュラオンの異世界スレイブサーガ』(新版)  作者: 園島義船(ぷるっと企画)
「アーパム財団」編
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458話 「サナの誕生日 その2『ベルロアナはうあー!』」


「このたびは、お誕生日おめでとうございますわ」


「あれ? 帰ったんじゃないのか?」



 続いてやってきたのはベルロアナであった。


 もちろん護衛のファテロナもいるのだが、彼女たちはキャロアニーセと一緒にグラス・ギースに帰ったと思っていたので、アンシュラオンも驚く。



「帰ったのはお母様だけですわ。わたくしたちは残って、土地を探していたのです」


「土地? どうして?」


「ハピ・クジュネで暮らすためにですわ」


「暮らすって…グラス・ギースはどうするの?」


「お嬢様は成人なされましたが、まだまだ経験不足でございます。こちらに居を構えて独り立ちするようにと、奥様から仰せつかっております」



 ファテロナが補足。


 どうやら「定期的に派遣する」というキャロアニーセの言葉は本気のようだ。


 しかし、本格的に暮らすための住居まで用意するともなれば、もはや移住または出向に等しい。



「いやいや、お嬢様がこんな港町じゃ暮らしにくいでしょ。だって、海賊の巣窟だよ? 治安もあっちより良くないだろうし、潮風で髪の毛だって傷んじゃうよ」


「そのあたりは、あ、アンシュラオン様を頼れと言われておりますわ! お母様に!」


「なんでもかんでも丸投げじゃ困るんだよなぁ…。今のベルロアナに勝てるような武人はそんなにいないだろうけどさ。ゴタゴタしているから気をつけろよ。南部の勢力だって紛れているかもしれないしな」


「し、心配してくださるのですか?」


「何かあったらキャロアニーセさんに悪いからね。一応は女の子だし」


「そ、その…あ、ありがとうございますわ!」



 もじもじとしながら顔を赤らめるベルロアナ。


 その姿は年相応の普通の少女のものだ。かつての高慢ちきな様相は完全に消えてしまっている。


 人は敗北を知れば、ここまで変われるものなのだろうか。さすが敗北先輩は偉大である。



「お嬢様は『あの時の痛み』によって愛を知ったのです。その原因を作ったアンシュラオン様の責任は重大かと」


「やめてよ。いろいろとややこしいから」


「お嬢様がハピ・クジュネに滞在することになったのも、アンシュラオン様が奥様を治療したからでございます。そうでなければグラス・ギースに帰っておりました」


「………」



 ファテロナの指摘に何も言い返せない。


 すべてが成り行きでこうなったとはいえ、原因は間違いなくアンシュラオン自身の行動によるものだ。


 サナに固執してベルロアナに敗北を教え、キャロアニーセを治したことでグラス・ギースの勢力図を塗り替えた。


 その結果として、ベルロアナがここにいるわけだ。



「まあいいよ。これが男じゃないだけましさ」


「ちなみにですが、我々が滞在する場所はあそこです」


「あそこって…うちの隣?」



 ファテロナが、かなり遠くにある灰色の建造物を指さす。


 遠くとはいえ白詩宮は高い場所にあるので、そこから見下ろす形になっているだけであり、はっきりいえば隣接した土地である。



「でも、あそこは資料館だったはずだよ?」



 白詩宮の土地はかなり広い。その理由の一つとして、ここがクジュネ家の私有地、いわば公有地だからだ。


 それと同じ理由で、隣接する土地や施設は一般には売りに出されておらず、白詩宮もスザクの紹介があったから手に入れることができたにすぎない。


 そして、その隣はハピ・クジュネの歴史資料館であり、今までの繁栄の歴史がさまざまな展示物とともに公開されていたはずだった。


 が、ファテロナはエア眼鏡をしながら、ニヤリと笑う。



「あそこはグラス・ギースに『譲渡』されたのです。ですので、近日中には改修工事が始まります」


「ライザックが認めたの?」


「はい。賭けの一件を覚えておられますか?」


「ファテロナさんがハローワークで大立ち回りをしたやつでしょ? 嫌でも覚えているよ。というか、若干トラウマなんだけど…」



 これもすっかり忘れそうになるが、例のパンツ姫と汁王子の一件である。


 アンシュラオンも巻き込まれた形になったので、まったくもって迷惑な話であった。(変態紳士のパンツも嫌な思い出である)


 要約すれば、傭兵とハンターたちをグラス・ギースとハピ・クジュネの二つの勢力に組み込んで、どちらがより多くの戦果を挙げるか勝負する、というものだ。



「そういえば、賭けの結果はどうなったの?」


「海軍の立て直しのために、賭けそのものは無効になりました」


「そんなことを言っている場合じゃなかったし、それが妥当だよね」



 ハピ・クジュネ側は、傭兵たちに海軍への入隊を勧めていた。


 当初の想定としては、彼らを採用して第四海軍を作る予定だったわけだ。


 がしかし、第二・第三海軍が壊滅的な打撃を受けたことで、彼らの編入を急ぐ必要があったため、グラス・ギース側と折衝を開始。


 結果、賭けは無効となる。


 不公平がないように生き残った者たち全員に対し、グラス・ギース側が提示していた成功報酬である二千万が与えられ、そのうえで誰でも海軍への入隊が可能になった。


 もちろん優秀な者たちには部隊長以上の待遇も約束され、負傷者や犠牲者には保証金や保険金が支払われることにも同意する。


 そのおかげもあって、現在では海軍に入る傭兵やハンターも増えており、義勇兵として参加していた一般人の入隊も加速しているという。


 ただし、賭け自体は『グラス・ギース側が勝っていた』事実が厄介であった。


 なにせファテロナ単独で眷属たちを大量虐殺し、なおかつ破邪猿将にとどめを刺したのも彼女である。


 加えて、錦王熊を倒したのも半分はベルロアナのおかげであり、ボスの首級という意味では、グラス・ギースがハピ・クジュネを圧倒していたのだ。


 これも翠清山でたびたびファテロナが意識していたことであり、すべて目論見通りといえる。(キャロアニーセの指示でもあった)



「ですが、ハピ・クジュネの財政はすでに火の車。我々に支払う莫大な賠償金を用意できません。かといって山の領地をもらっても手に余ります。よって、グラス・ギースにはいくつかの『特権』が用意されることになったのです」


「その一つが土地ってこと?」


「その通りです。通常ならば入手不可能な場所でさえ、特権を使えばいかようにもできるのです」


「だったら、べつに隣でなくてもいいのに…。ほかにも良い場所はあったでしょ?」


「これほど物流と景観が優れているうえ、安全な場所などハピ・クジュネにはございません。いざというときは、こちらの敷地に逃げ込めますので」


「それはちょっと困るんだけど…。トラブルを持ち込まないでよ」


「ご安心くださいませ。キシィルナ様から許可をいただいております」


「門の警備がザルすぎる!!」



 マキが門番なので、彼女の裁量一つでどうとでもなってしまうのが怖ろしい。


 しかしながら、キャロアニーセ絡み以外では非常に厳しく、かつてのモヒカンのように「顔が悪いから」という理由でボコられる事案も多発しているので、平時の警備は万全である。



「それにサナ様は、お嬢様のご友人であられます。親睦を深めるためにも距離は近いほうがよろしいかと存じますが」


「はぁ、もうなんでもいいよ。好きにして。どうせ嫌でも引っ付いてくるんでしょ? 一緒に住まないだけでもありがたいよ」


「その通りでございます。ということで、お嬢様もご挨拶をなさったほうがよろしいかと」


「そ、そうですわね! え、ええと、屋敷の改修が終わりましたら引っ越してまいりますので、その時はよろしくお願いいたしますわ!」


「うんまあ…よろしくね」



 仕方ないので握手を交わす。



(いい肌艶してるな。あとは胸がどこまで大きくなるかだけど…)



 哀しいかな、こうして触れるとついつい女体を観察してしまう。


 ベルロアナとはいろいろあったものの、やはり素材は一流。手の触り心地も良く、香水は使っていないはずだが匂いも良い。


 胸もあまり意識はしなかったが、こうして正面から見てみると思ったより小さくはない。


 小柄なのでわかりにくいだけで、ドレスの上からでも膨らみがわかるほど成長していた。(以前風呂で見た時より大きくなっている)


 まだまだ成長期であることを考慮すれば、将来性は高いといえる。



(おっと、あまり触っていると悪い癖が出るな。このあたりにしとくか)



「ええと…ええと……」



 しかし、手を離してもベルロアナはもじもじとしていた。


 どうやら今回はアンシュラオンだけが原因ではないようで、周りをキョロキョロと見回しながら落ち着かない様子が目立っている。



「どうしたんだ?」


「お嬢様は、初めて誕生日パーティーに招かれて緊張なされているのです」


「ふぁ、ファテロナ!! それは言わない約束でしょ!!」


「まさかこのような日が来ようとは…。このファテロナ、感無量でございます。ささ、お嬢様! 早くプレゼントを渡すのです!」


「ちょっと待って! 焦らせないで! すーはーー、すーーはーーー! た、タイミングが重要なのですわ!」



 深呼吸しながら、ラジオ体操のように準備運動をするベルロアナ。


 すでに後ろ手に持った小包が見えているので、あまり意味はないように思えるが、当人にとっては重要な儀式らしい。



「お嬢様、ふぁ、ファイト! ファイトなのです!」」


「ありがとう、クイナ! わたくしはやりますわよ!」



 ファテロナとクイナに見守られる中、ベルロアナがサナの前に立つ。



「さ、サナさん、本日はお日柄もよく、こんな素敵なパー、パーチーにお招きいただき、あ、ありがとうございますわ!! こ、これ、う、受け取ってくださいましぃいい!」


「…こくり。がさごそ」



 もらったものはすぐに開ける。


 日本の文化では、すぐに開けない習慣もあるが、サナはアメリカンスタイルでゴリゴリ開けていくのだ。


 そして、小包の中から出てきたものは、リボンで結ばれた『束』だった。



「…じー。さわさわ」


「ど、どうかしら? お気に召した?」


「…じー」



 サナは無感情にそれを触っている。


 スザクにドレスをもらった時も似たような反応だったが、コレに関しては致し方ない面もあった。


 なぜならば―――



「『現金』がプレゼントってのは逆にレアじゃないか? しかもリボンで結わいているし」



 アンシュラオンが、サナが持っていたプレゼントを手に取る。


 それはまごうことなき現金、言い換えれば『現ナマ』である。


 それをリボンで結わくことで、プレゼント風にしているところがシュールだ。



「え!? 駄目なの!? だって、ファテロナが一番喜ばれるのは現金だって言っていましたわ!」


「うーん、間違ってはいないんだけどなぁ。いや、嬉しいんだよ? でも、やっぱり違うって、もらってみて初めて気づいたよ」



 お年玉とプレゼントの違いが、ここに表れている。


 もちろん現金もよいが、やはり誕生日プレゼントは品物がよいのだと気づく。そこにセンスが出るからだ。



「ガーンッ! ファテロナ、騙したの!?」


「いえ、街の住人にしっかりとリサーチした結果です。千人中、880人が現金を欲しておりました」


「だったらどうしてですの!? 全然喜んでおりませんわ!」


「うーん、嬉しいんだけど…嬉しいんだけどなぁ。なんか違うなぁって」


「その反応が一番痛いですわ!!」



 こんなものはいらない!と言われて投げ捨てられるのもつらいが、こういった微妙な反応も生温くてつらいものがある。


 そもそもファテロナのアンケート自体が、生活がひっ迫している一般人に対して行われているものなので、金持ちのアンシュラオンとは認識が異なるのは自然なことだ。


 そんなことは誰でもわかるため、ファテロナは知っていてやったことになる。


 その証拠に彼女は、いたたまれない気持ちになって悶えているベルロアナを、ニヤつきながら観察していた。



(キャロアニーセさんがいない時は、相変わらずベルロアナで遊んでいるな。まあ、もらうけどね)



 札束は合計すると三千万はありそうなので、ありがたくもらっておくことにする。


 どんな金でも金は金だ。サナのために使ってあげればプレゼントと同じになるだろう。


 そんなことを考えていると、サナがベルロアナの手を掴んで引っ張る。



「へ? な、何かしら?」


「…ぐいぐい」


「え? オレも座るの?」


「…こくり」



 サナはアンシュラオンを座らせると、右膝に自らの腰を掛ける。


 次にベルロアナを左膝に誘導。


 ペシペシと膝を叩いて合図を送る。



「もしかして、ここに座れとおっしゃっているのかしら?」


「…こくりこくり!」


「で、でも、そんな…! 殿方の膝に座るなど…は、はしたないですわ!」


「…ぐいぐい!」


「あっ!」



 サナが強く引っ張るので、バランスを崩して膝にもたれかかる。


 それでも抵抗しようと足元でバタバタしている姿は、なんとも滑稽だ。



「しょうがないなぁ。よっと」


「きゃはっ」



 アンシュラオンは仕方なく、ベルロアナの腰を抱いて膝の上に乗せてやる。


 ファテロナのように少女を辱める趣味はないし、サナがそうしたいと望むのだから、それを叶えるのが兄の役目なのだ。


 しかし、突然のことにベルロアナは大パニック。


 さらに手足をバタつかせてしまう。



「こらこら、暴れるなって」


「あ、あの…これはいったい!? 何をなさるおつもりなの!?」


「サナはリラックスする時、いつも膝に乗るんだ。たぶんベルロアナにも同じようにさせたかったのさ」


「ど、どうしてですの?」


「どうしてって…【友達】だからだろう?」


「と、ともだちぃいいい! さ、サナさん、そうなの!?」


「…こくり!」


「ぶわっ!! さ、サナぁあああああああああああ!! うわーん! 嬉しいですわぁあああーーー! わたくしたち、お友達なのねぇえええ!」



 これでサナが、ベルロアナを友達認定していることが確定。


 戦友として激しい戦いを共に生き抜いた者たちだけが得られる絆が、ここにしっかりと残っているのだ。


 しかし、絆が出来たからこそ生まれるトラブルもあるものだ。


 サナが懐からクッキーを取り出すと、アンシュラオンに咥えさせてから―――ぱくん



「…ちゅっちゅっ。ぺろぺろ」


「はぅぁーーー!! なにしてますのーー!?」



 もはや某画太郎先生のごとく、激しく狼狽するベルロアナ。


 先日もやっていたが、サナにとってこれは普通のことであり、親しい者とのスキンシップだと認識している。


 ここまではいいだろう。


 だが、これによってベルロアナを左膝に座らせた意味が、徐々に明らかになる。


 サナは再びアンシュラオンにクッキーを咥えさせると、ベルロアナを引っ張る。



「…ぐいぐい」


「ま、まさか…わたくしにもしろ、と?」


「…こくり!」


「そそそそ、そんなはしたないことはできませんわ! むりむり、無理ですわー!」


「…ぐいぐいっ!」


「駄目ですわー! どうして引っ張るのー!?」



 拒むベルロアナをサナが何度も引っ張る。


 どうしてサナがこんなことをしているのかといえば、答えは単純だ。



「お嬢様、なぜサナ様の【友情の証】を拒まれるのですか?」


「っ!?」



 ファテロナの言葉に、ベルロアナがビクッと動きを止める。



「友情の証!? こ、これがですの!?」


「そうです。誰しも『大好きなお友達』には、自分と同じ気持ちを共有してもらいたいと思うものです。そうですよね、サナ様?」


「…こくりこくり!」



 いつにも増してサナの頷きが強い。


 彼女も自分と同じ強さを持つベルロアナに対して、特別な感情を抱いているのだろう。


 よって、自分に与えられている愛を共有したいと考えている、と思われる。



「そ、そんな…そんなこと! お、お友達は大切ですが、さすがにこれは…! だ、だってこれは…その…! せ、接吻せっぷんというやつでは…」


「…ぐい!」


「あっ―――!!」



 友達との絆と羞恥心の間で揺れ動いていた一瞬の隙をつかれ、ベルロアナの体勢が大きく崩れる。


 それを防ごうと顔を真上に上げた瞬間、唇がアンシュラオンの咥えていたクッキーに触れる。


 それだけならばよかったが―――チュッ


 アンシュラオンが唇を押し当てて、クッキーをベルロアナの口内に押し入れる。



「っ―――!?!? ッッッ―――!?!」


「しまった。いつもの癖でつい」



 条件反射とは怖いものである。


 膝に少女の体重がかかる感触があると、ついつい腰を引き寄せる癖までできてしまっていた。


 ベルロアナは、あまりの出来事に硬直。



「…ぺろぺろ」


「―――ッッッ?!?!?!」



 するが、さらにそこにサナも口を寄せて、ぺろぺろと舐め始めたではないか。


 サナの舌が加わるとなると、アンシュラオンも無視できずにペロペロを返すので、その近くにあるベルロアナの唇も舐めることになる。


 それによって、三者の唇と舌が絡み合う事態が発生。


 見る見る間にベルロアナの顔が真っ赤になっていき、ついに限界を突破!



「はうあーーー!! はうあ! ハウァッ!!」



 飛び跳ねるように膝から逃げ出すと「はうあ」を連発。


 そのまま庭を走り抜けて門から出ていってしまう。



「お嬢様、まって、待ってくださいなのですー!」



 それをクイナが追いかけていくが、あまりの速さに追いつけていないようだ。



「あー、やっちゃったな。これくらいで動揺するんだから、ベルロアナも初々しいというかなんというか」


「…?」



 サナは首を傾げているので、何が悪かったのかよくわかっていないようだ。


 アンシュラオンもキス程度では何も感じないため、事故として普通に受け入れていた。


 しかし、その一方でファテロナは大興奮!



「ふひひ、ふひー! あの顔、サイコー!! これで白飯十杯はいけますぜ!! ぐひひひひーー! ハー! 来てヨカッター!」


「あのさ、最近イジり方の方向性が変わってない? 意図的にオレを巻き込んでるよね?」


「そのほうがお嬢様が狼狽するからでございます。しかもファーストキスなので、きっと今宵は恥ずかしくて眠れないはずです。それを天井裏からひっそりと眺めるのが楽しみで楽しみでなりません」


「その情報もいらないんだよなぁ…」


「では、私もこれにて失礼いたします! シュワッ!」



 今回も慌ただしく去っていくベルロアナ一行。


 キャロアニーセといい、彼女たちにはいつも迷惑をかけられてばかりである。



「ベルロアナが隣に越してくるってさ。サナは嬉しいか?」


「…こくり」


「そうか。サナがいいならオレもそれでいいよ。嫌いなものも受け入れれば、案外気にならなくなるもんさ」



 サナはきょとんとしながらも満足げなので、彼女にとっては良い刺激なのが救いであろうか。



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