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『覇王アンシュラオンの異世界スレイブサーガ』(新版)  作者: 園島義船(ぷるっと企画)
「海賊たちの凱歌」編
144/618

144話 「裏切りの代償 その2『罪の所在、マキの覚悟』」


 マキと小百合は、牢屋を抜け出してそっと施設の様子を探る。(小百合のトイレは、牢屋に備え付けのもので済ませた)


 地下牢は拡張されているようで思った以上に大きく、部屋数も多かった。どうやら普通の部屋も改造して牢屋にしているようだ。


 どれも簡素な造りだったが、力の弱い女性では抜け出すことはできないだろう。一般人ならばこれくらいで十分なのだ。


 その次に、荷物の回収を果たす。


 全員の私物が無造作にまとめられて置いてあったので、そこからリュックを回収。ポケット倉庫はもともと服の裏側に隠してあったため最初から無事である。


 そして、マキが違う部屋を調べていた時だ。



「ううっ…ぁぁっ……ぁは…」


「はぁ……はぁはぁ……んくっ」



 隣の部屋から艶かしい女性の声が聴こえてきたので、そっと扉を開けて覗くと、ベッドの上で縛られた女性たちが悶えていた。


 誰かに襲われているわけではなく、一つのベッドに一人ずつ固定されており、かろうじて片手だけが股間に触れられるようにしてある。


 女性がさらわれると聞けば、どうしてもそっち関係のことを想像してしまうので、ある意味では想定通りなのだが、思っていたものとは少し違った。



「マキさん、ここの棚にあるのは全部『興奮剤』です。ハローワークでは禁止されている成分ばかりですね。いわゆる『媚薬』と呼ばれるものです」



 興奮剤といってもさまざまな種類がある。たとえばコーヒー等に含まれるカフェインも立派な興奮剤だろう。


 ただし、ここにあるものは、それよりももっと強いもの。言ってしまえば麻薬に近いものばかりだ。それらを調合して独自の媚薬に仕立て上げているらしい。


 しかも女性にだけ効く成分が多いので、女性専用の媚薬なのかもしれない。



「これはその…『そういうこと』が目的なのよね?」


「そうでしょうね。普通に考えれば私たちは『商品』でしょうから、用途別に調整しているのだと思います。しかし、やたらと手慣れていますね。場当たり的にさらっているのではなく、販売ルートが確立されている可能性もあります」


「あのメガネの男も北部がどうこう言っていたから、やっぱり南から来た連中なのかしら?」


「たぶんそうですね。私の両親が南部のヴェルト地方にいますので、定期的に情報が送られては来るのですが、南部には監獄や牢獄を破壊して凶悪犯を解放している勢力があるらしいです。そんな人たちがいたら治安が良くなるわけがないですよね」


「なんてことを…! 許せないわ!」


「でも、それはあくまでこちら側から見た風景であって、彼らからすれば違う見方があるのかもしれません。ただ閉じ込めるだけじゃ、人間の欲望ってかえって増大しますからね。何かもっと根本的に解決する方法がないとイタチごっこになりそうです」


「…難しい問題ね。そんな方法があるのかしら? だからって殺すわけにもいかないものね…」


「それも結局は恨みを買い続けることになりますからね。強い人はいいですけど、弱い人に八つ当たりされると治安は荒れます。少なくとも今の状況だと各人が自衛するしか手段がありませんね。ここにいる彼女たちはかわいそうですが、ひとまずこのままにしておきましょう。まだ見つかりたくないですし」


「悔しいわね…」



 この段階でも怒り心頭なのだが、まだマキはクラッカーの怖ろしさをすべて知ったわけではなかった。


 次に赴いた部屋では、もっとも直接的な方法が取られていた。



「ひっ、ひぃっ! いやぁあああ!!! やめてええ!!」



 縛られた女性が鞭で叩かれている。


 泣いても叫んでも叩かれ続け、失神したら水をかけられて起こされる。


 中には石抱いしだきと呼ばれる、膝の上に石を乗せる拷問を受けている女性もいる。(よく時代劇で見るアレ)



「どうだ? これでもまだ逆らうか?」


「た、助けて…なんでもするから…!」


「んー、駄目だな。まだ目の中に反抗心がある。もう一度だ」


「いやよおお! もうやめてえええ!」


「いい『スレイブ』になるためには、ちゃんとしつけないとなぁ!」



 基本的に商品を傷つけないのが決まりだが、反抗的な女性にはこうして恐怖と痛みを与えて調教することがある。


 なぜならば【劣等スレイブ】の生産も彼らの仕事の一つだからだ。


 劣等スレイブとは、ロリコン講座でもあったようにスレイブの等級の中で最下層の存在であり、従来の悪い意味での奴隷に等しいものだ。


 これが普通の奴隷と違うのは、ギアスで精神を縛ってしまう点だろう。


 常識的に考えて(一部を除き)自ら奴隷になりたい人間などいないので、その契約を受け入れさせるために「痛いよりは従ったほうがまし」という奴隷根性を植え付けることを目的とした行為である。


 こうした劣等スレイブの存在は、単純な消費という側面と同時に、『捌け口』としての意味合いも持つ。人間は自分より下の誰かを蔑んでいる時、もっとも安心するからだ。


 これにマキは大激怒。



「あいつら…絶対に許さない! ぶん殴るだけじゃ済まさないわ! 身体中の骨を砕いて殺してやる!」


「待ってください。スレイブ・ギアスの機械があるってことは、裏側でスレイブ商人が関わっているかもしれません。いや、もしかしたらもっと大きな存在がいるかもしれません。スレイブ商会ってものすごく大きくて特殊な組織なので、機器の私的利用は簡単にはできないはずなのです」


「それがどうしたの!? このまま見ているわけにはいかないわ!」


「もちろんです。しかし、ここで動けばもう後戻りはできません。いずれ相手に見つかってしまいます。失敗すれば、数多くの女性たちを危険に晒すことになりますよ」


「それは…」



 一人でも敵を倒してしまえば、近いうちに絶対に露見する。


 まだ脱出の手筈も整えていないのだ。ここで騒ぎを起こせば、捕まる前より悪い状況に陥るかもしれない。



(我慢しろというの…これを見ても…)



「ひぃ…ひぃいいい……な、何をするんですか…」



 その時、聞き覚えのある声が聴こえた。


 息を殺して様子をうかがっていると、イリージャが連れてこられて椅子に座らされる。


 彼女は怯えているようで、しきりに周囲をきょろきょろ見回している。


 だが、そこにいる者は拷問に遭っている女性ばかりだ。


 状況がわかるや否や、イリージャの顔が引きつり、まだ何もしていないのに涙がこぼれる。


 そんな彼女に下劣な表情を浮かべた男が顔を近づける。



「そう喚くな。痛いことはしない。ただ、お前みたいな一度仲間を裏切ったやつには、ギアスを付ける決まりなんだ。なに、たいしたことじゃない。本心から俺たちに従うと心に誓えばいいだけさ。その保険みたいなもんだ」


「…そ、そんな……う、裏切ったわけじゃ…」


「どこをどう見ても裏切りだろう。いいか、これはお前のためにやることなんだぜ。普段の生活で友達や仲間を裏切っても、場合によっちゃ信頼を失うだけで済むかもしれない。が、ここは違う。そんなもんじゃ済まされない。たっぷりと死ぬよりきつい罰が下されるのさ。特にハプリマン様は一度拷問を始めると長いからな…そうならないために事前にギアスを付けるんだ」


「…わ、わたし……違うんです。ただマキ様と一緒に…いたくて……。お金も手に入れれば……出ていくこともできるって…」


「んん? どう誘われたのかは知らんが、働けばちゃんと報酬は出るぞ。うちはそういうところだけはしっかりしているからな。先に渡してやるよ。これが今回のお前の報酬だ」



 男が札束を渡す。


 ぱっと見て二百万はあるだろうか。



「…こんなに?」


「それが高いか安いかはわからねえな。お前が多いと思ったのなら、それに越したことはないさ。だが、汚い金だ。お前の仲間の血で染まった金だ。わかるか? 恨みと怨嗟が絡みついてんだよ。そいつはどうやっても消えない」


「っ…」


「ほら、見ろ。お前が売り飛ばしたんだ」


「ひっ…」



 今日連れてきた女性たちはまだ眠っているので、ここにいるのはまったく関係ない者たちである。が、いずれこうなる者も出てくるだろう。


 この金は、彼女たちの犠牲の上に成り立つものなのだ。汗を流して真っ当な方法で得たものではないので罪悪感が凄まじい。


 そして、こうやって追い込むことで仲間に引き入れようとするのも、彼らの常套手段である。



「い、いらないです。こんなの…いらない…」


「嘘を言うなよ。金があればやれることも増えるぜ。その気になりゃ助けてやることもできるんだ。お前が憧れている女も、そいつで買ってやればいい。内部の人間が花を買っても問題ないしな」


「…お金が……あれば…」


「そうだ。がんばって金を稼げば、お前は自由になれる。金に綺麗も汚いもねぇ。表の世界でまともに働いても、女のお前にはそんなに稼ぐことはできやしない。身体を売ってもたかが知れている。どうせ上のやつらに搾取されるだけだ。違うか?」


「………」


「だが、ここなら違う。俺ら『ア・バンド〈非罪者〉』なら、末端のお前でもそこらの商人以上に稼ぐことできる。俺らの王様はそのうち国を作ってくれるそうだからな。初期メンバーは上のほうにいけるかもしれねぇぞ。まあ、それよりも一番重要な点は、お前の【罪が消える】ことだな。罪っつーか、お前がビクビクしているその罪悪感さ」


「罪が…消える? どうして…?」


「いいか、この世界に罪なんてねぇんだよ。誰かが勝手に決めたルールにどうして従う必要がある? お前、知ってるか? どこぞの宗教の聖典には『殴られても殴り返すな。また罪を作るから』なんて書いてあるんだそうだ。ははは、そんなものを信じるやつがいるなんて笑っちまうよな。それってよ、【奴隷を生み出すための口実】なんだぜ? どんなに殴ってもやり返されないなら、こんなに楽な商売はねえからな。よく考えたもんだ。こんな感じで好き勝手罪っていう概念を作って、自分は守らないくせに誰かには守らせようとする。そんなもんさ」



 そう言うと、男は真面目な顔つきになる。



「なぁ、ほら。どこに罪がある? あるなら教えてくれよ。俺に見せてくれよ」


「っ…」


「どこにも罪なんてねぇ。必要なのは力だけだ。それ以外は、力ある者があとから作ったどうでもいいルールなんだよ。俺らの王様が、この世に罪なんてないって決めたんだ。天下を取れば、それが世の中の新しいルールになる。それだけだ。違うか?」


「…わ、わからない…。私には…わ、わからない…」


「ったく、頭の悪いやつだな。どっちにしろ、お前は契約をするしかないんだ。どうせ裏切っちまったんだからよ。その罪を消し去るためには仲間になるしかない。これは勝手に作られた罪に苦しむやつを助ける俺らの慈悲なのさ。ほら、ここに手を乗せるんだ」


「ううっ…はぁはぁ…」



 イリージャが機械に手を乗せる。


 アンシュラオンがサナと契約した際に使った機器とまったく同じものだ。このことから小百合の推測通り、裏側にはスレイブ商人がいるのかもしれない。


 べつにスレイブ商自体、そこまで真っ当な連中ではないのだが、こんな者たちに機器が渡るのは極めて危険であろう。



(私…このままここで生きていくほうが…楽なのかも…。誰かに支配されるほうが…何も考えずに済むし…これで罪が消えるのなら…)



 頭が混濁し、何が正しいのかわからなくなっていく。


 人間は過度のストレスに晒されると思考の放棄を始め、ただ従っていることが楽に感じるようになるものだ。


 気の弱い人間が自白の強要に遭うと、なぜか自分がやったと思い込むことに似ている。


 見ての通り、イリージャは弱い人間なのである。深い考えで生きているわけでもなく、その場その場をただ這いずるしかない弱者であった。


 だがその時、彼女の前に現れる者がいた。



「イリージャ、もうやめなさい!」


「えっ…?」


「一度でも裏の世界に染まったら、もう戻ることはできないわよ。勇気を出すの! 立ち向かうのよ! 腕輪に触って!」


「お、おねえ…さま……どうして…」


「んなっ…眠っているはずじゃなかったのか!?」


「さっきから黙って聞いていれば、滅茶苦茶なことばかり言ってるわね! あんたたち、ちょっと頭がおかしいんじゃないの!! そんな頭なら、もういらないわよね!!」



 マキが男をぶん殴る。


 バキンッと頭蓋骨が砕ける音がするが、それだけで済ますわけにはいかない。そのまま壁に叩きつけて、完全に頭を破壊。



「ぐぎゃっ!」



 ぐしゃっと潰れて、壁に血を撒き散らして男は死亡した。



「あんたには生きる価値もないわ! 地獄で女神様に詫びてきなさい!」



 マキは衛士としての習慣が身に付いているため、滅多に人を殺さない。


 しかし、本当に怒れば殺すこともある。少なくとも拷問に関わった人間には生きる価値はないと判断。怒りの鉄拳が炸裂である。



「ああ…やっちゃいましたね。そこはもう少し待って、イリージャさんの決断を待つパターンじゃないんですか?」


「そ、そうかもしれないけど…こんなものを見て我慢なんてできないわ! でも、どうしましょう。一度やったらもう戻れないのよね?」


「こうなったら行くところまで行きましょう。まずはこの地下にいる見張りを全員倒して、少しでも情報が伝わるのを遅らせるのが先決です」


「ごめんなさい…私っていつもこうね」


「いいんですよ。それがマキさんですし、こんなことをしている人たちは殺されて当然です。自業自得ですね。では、マキさんは見張りの排除をお願いします。私はここにいる人たちを助けて介抱します」


「わかったわ。ここはお願いね」


「あ、あの……マキ様……」


「イリージャ、話はあとよ。今は生き延びましょう」


「…は、はい」



 マキは部屋から出ていくと、地下にいた見張りを探し出して一気に叩きのめす。


 この場にいる者たちはあまり戦闘が得意ではないようで、一撃で軽々倒すことができた。役割が違うのだろう。


 さすがに少し冷静になったので殺しはしなかったようだが、かろうじて呼吸している程度の、ほぼ半殺しにしたようだ。


 その間、部屋には小百合とイリージャの二人だけが残される。


 小百合は拷問されていた人たちを助け出し、ベッドに寝かせてあげる。それをイリージャは呆けた顔で見つめていた。現実感がないのかもしれない。



「………」


「イリージャさん、私はあなたを許しません。あなたがやったことは最低のことだと思います」


「っ…小百合…さん」


「お金が欲しかったからですか? それともマキさんに対する特別な感情からですか? どちらにしても、あなたは誘惑に負けてしまったのです」


「………」


「こんな場所で女が生きるのは大変です。私は守られて生きてきましたから、みなさんの苦労は完全にはわかりません。だから悪事に手を染める人を一方的に糾弾はしません。でも、それで幸せになれますか?」


「しあ…わせ?」


「幸せの基準も価値観も人それぞれではあります。だから訊きます。あなたは今、幸せですか? これがあなたの求めていたものなのですか?」


「………」


「マキさんは、まだあなたを信じていますよ」


「っ……裏切って…しまったのに?」


「ああいう人ですからね。それが彼女の良いところです。ただ、マキさんだって苦悩しているのです。日々迷って、苦しんで、時には悪いことにだって手を染めようと考えてしまうものです」


「えっ? マキ様が? そんなこと…」


「ありますよ。だって人間ですもの。それでも罪と向き合って、我慢して、耐えて、やっぱり正しい方向に行こうと努力するものです。あなただけが苦労しているわけでも、誘惑に晒されているわけでもないのです」


「………」


「でも、少しだけ気持ちがわかりますよ。私だって大好きな人のために、すでに違法なことをたくさんしていますからね。関係のない他人を不幸にもしています。あなただけを責められません」



※「他人=課長」



「どうすれば…いいのでしょう?」


「自分で決めてください。いつだって最後の決断は自分でするんです。マキさんからもらった腕輪があるでしょう? それに触れて問いかけてみてください。あなたが本当は何をしたいのか。どうしたいのか。そして、どうするのか。最後は結局、自分で決めるしかないんです」


「…マキ…お姉様……」


「私たちは逃げ道を探します。薄情かもしれませんが、最悪は私たちだけでも逃げますよ。こんなところで弄ばれるわけにはいきませんからね。あなたはどうしますか?」


「………」


「もし敵側に寝返るのならば、あなたをここで撃ちます」



 小百合が銃を構える。


 護身用に買った銃で、以前ホロロが使っていた単発式のものだが、殺傷力は通常のものと変わらない。



「…撃って…ください。私…もう、このまま生きていても…」


「また逃げるんですか?」


「え…?」


「彼らみたいになりたいんですか? 罪から逃げることは、罪の存在を認めないことと同じです。あなたはまだ生きているのに、ここで諦めてしまうんですか?」


「…そんな…私……どうすればいいのか…わからなくて……それならもう…死んでもかまわないと…」


「そうですか。では、これをお持ちください」


「これは?」


「大納魔射津という術具です。このボタンを押して五秒経つと爆発します。死にたいのならばご自分で死んでください。楽に死ねるかはわかりませんけどね」



 うっかり誤爆しないように小さな箱に入れて渡し、小百合が軽くイリージャの頭を抱きしめる。



「最後は自分で決めてください。ただ、私はあなたに死んでほしくはありませんよ。マキさんも同じ気持ちだと思います」


「うっ…ううう……ごめんな…さい」


「では、私は行きます」



 イリージャを置いて小百合が部屋を出ると、外には黒装束に身を包んだマキがいた。



「ごめんなさいね」


「マキさん、ありがとうでしょう?」


「…ありがとう、小百合さん」


「これからマキさんとは、一生をかけた長い付き合いになるんです。持ちつ持たれつですよ。でも、イリージャさんはどうします?」


「あの子の決断を信じるわ。それが私の生き方だもの。アンシュラオン君なら…どうするかしら」


「きっと違うやり方をするかもしれませんね。けど、マキさんのやり方も受け入れてくれると思いますよ。さぁ、抜け道があるか探しましょう。マキさんがしっかりしてくれないと私が困ります」


「ええ、そうね。私も覚悟を決めるわ」



 小百合もかなり憔悴しているが、笑顔を絶やさない。


 改めて強い女性だと思い知る。



(私はまだ死ぬわけにはいかない。絶対にアンシュラオン君に会ってみせるわ)



 こうしてこの後、スーサンやシンテツと出会い、援軍が来るまでハプリマンと対峙することになるのであった。


 イリージャがどんな決断をするのか、まだわからない。あえて見向きもしない。


 それがマキなりの覚悟であった。




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