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第61話 わんぱくすぎる仮面武闘会

 さてはて、学園祭三日目の仮面武闘会のお題目は、キャバリー――正確に言うと、リミテッド・マヌーバー――の模擬戦である。昨日のコクピット・インファントリのそれと同様にサバイバル戦を勝ち抜く必要があるが、今回は事情が異なった。昨日のハチャメチャでわんぱくな戦いを見せられ、参加者が少なくなってしまったらしい。結果、予選もないトーナメント戦が開催される運びとなったわけだが……。


「やっぱり、俺の仮面はこれなのね……」


 既に諦めていたが、俺に用意された仮面は魔王のもの。ランドが嬉々として渡してきた物である。ちなみに、俺はひょっとこのお面を準備してきたはずなのだが、カバンから消えていた。屋敷を出る際に唯桜(いお)がかすめ取っていたとみえる。そういう部分だけ信用がおけるメイドというのは一体なんなんだろうか。


 仕方なく、仮面をかぶる。普段は戦闘用外骨格も装着しているため心もとないのは事実だが、まさかそんなものを持ち込むわけにもいくまい。制服に魔王の仮面という、昨日と同じチグハグな格好でリミテッド・マヌーバーに乗り込む。


 リミテッド・マヌーバー、ディスケンス。練習機として有名な機体だ。ライダーにとって習熟しやすい素直な操作性と高い次元でまとめられたバランスの良さは、ルーキーからベテランまでが高く評価しているという。なにより安価だ。人気が高いだけあって、めちゃくちゃ量産されているらしく、こがねもちが自己所有している例だってある。


 しかし、全員同機種となったら後は腕と運次第。操縦技術に難がある俺としては、後者にかけるしかない。イヴァルのアホが諦めていたら、俺が今日も駆り出されることはなかったというに! おのれ。イヴァル。俺はブリブリ思った。



 * * *



 面白い催しだ。安っぽいのが相場である学園祭も、流石に貴族学校ともなれば、多少はマシらしい。無論、皇族の()()に比ぶべくもないが、リミテッド・マヌーバーを用いての模擬戦などは観戦の価値はあるだろう。


 そろそろ動き出しても面白かろう。いつになくそう思ったのは、私も祭りの空気にあてられたのかもしれぬ。


 ――たまには童心に帰るのも悪くはない。


 別に計画に支障は出ない。優秀な支援者がいる以上、〝彼〟についても問題はあるまい。なにより――その方が面白い。


 所詮、この世界はゲームだ。ならば、終わりを迎える日まで遊興にふけるのも一興。


 モニターには、我が叛逆の旗印が誕生の瞬間を、今か今かと待ち構えている姿が写っていた。今は、発掘された古代生物の骨格じみたそれは、しかし滅んでなどいない。むしろ逆だ。骨格から臓器を得て、肉を得て、頭脳を得て、肌を得る。生命とは逆の過程を経て生まれ落ちるそれこそが。この世界の矛盾であり、矛盾の内包を甘受し得る世界という証左でもある。


 我が半身は気づいてもいないだろう。スケープゴートは何も知らぬからこそ機能している。


 ――なあ、叛逆者(リヴェリオン)



 * * *



『紳士淑女の皆様、お待たせいたしました! 仮面武闘会二日目、キャバリーによる総勢十名による勝ち抜き戦(トーナメント)、いよいよ開始となります。今回は、一日目のコクピット・インファントリ戦が強豪の強豪による強豪のためのサバイバル戦と化した影響でしょうか、参加者が激減してしまいました! しかしながら! なおこの場に参じた者は、選りすぐりの英雄英傑の資質を持ち合わせているといえるでしょう!』


 !!??


 トーナメント? いやいや、ちょっと待て待て! トーナメントなんて聞いちゃいねぇぞ! そんな衆人観衆の中で尋常に一対一のタイマン勝負とか、純粋な実力しか発揮できねえよ⁉ ヤバいヤバいヤバい。俺は幼い頃に鬼教官にボコボコにされて、ちょっとだけ騎乗兵器に乗れるだけの一般ピーポーですぞ! 頭のネジが一本どころか数本抜けたトンチキ達とか戦えないっス。忌憚のない意見ってやつっス。


『まずはエントリーナンバー1! 参戦理由については? 我が目的はただ一つ。ただ一人の愛を抱きとめられればいい。我は、いずれ宇宙を総べる者――だそうです。シルバースカルのエメラルドの眼は何を見つめているのか? ザ・ロイヤル!』


 ……間違いない。あれはイヴァルだ。あいつ、自分を隠す気が全くなさすぎる。皇族っていうのはわがままだ。本当にそう思う。郷に入れば郷に従えというが、あいつらの場合は、郷には入るが我に従えといった感じなのだろう。しかし、テキトーな名前である。


『エントリーナンバー2! 参戦理由は強い男を見てみたいから。流離(さすら)いの操縦士、ノマド!』


 ……皇族というか貴族も大概かもしれない。もっとも、彼女は零落しちゃっているが……。


 ラインアートが施された小面をかぶった男装の麗人。その正体は見目麗しくも、自身より強い主を認めない危険思想の持ち主、セシリア・サノール。こいつもなんで同じ仮面をかぶっているのかワケガワカラナイヨ。


 仮面武闘会の目的は、貴族は勝って己の名を語るなかれ的な感じだったというのに、隠す気がサラサラない両者の自己顕示欲には呆れ返るばかりだ。


『では、両雄は武舞台の上へ! 本トーナメント戦には場外判定はありません! ただ、開始位置が定められているだけです。ルールは撃墜判定かどちらかの降参によって勝敗が決するのみ! それでは、開始してください!』


 頭おかしい司会者の声。テキトーすぎるだろう、この大会。運営委員会とかないのか? 現代日本ってやっぱりすごかったんだなぁ。


 しかし、両者とも、あの主人公サマであるエイジといい勝負ができる腕の持ち主だ。どちらが勝ってもおかしくない。俺としてはイヴァルが敗退してくれれば御の字なんだが……。うーむ。

どうも、チャーリー・ウィラポンです!

( ゜д゜)、ペッ

評価とか感想とかいただけると嬉しいので、ぜひぜひ!

プッ(・c_,-p[+゜。笑ェル。゜+]q

(゜∀゜∀゜∀゜∀゜∀゜∀゜)ァヒャヒャヒャヒャヒャヒャ

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