第86録 ララーナを探して
前回のあらすじ
・万能スキル【分析】
・マールと合流!
マールと合流した俺達は、野営地を出て山岳地帯の道を進む。
流石に綺麗に整地されている場所は少なく、足元の悪い場所が多い。
「ララーナ、凄いところにいるな……皆大丈夫?」
「これくらいならなんとか……」
「お姉さんも大丈夫よ~」
「私は平気ですね」
俺はマールの時と同じように【分析】を使ってララーナの現在位置までの道を分析したまではよかったんだがなぁ。
流石に道がどうなってるかまでわからないから、こういうこともあるって思っておいた方がよさそうだ。
【マキジ……ごめん。私はあんまり大丈夫じゃない……】
「わかった。じゃあこの辺りで一息入れようか」
エレミアさんはインドア派だもんな。ちょっとこの荒れた道は厳しいか。
「んー……おっ。そこに丁度いい木陰がある。【ストレージ】から飲み物でも出して休んでいこう」
【助かる……】
俺達は木陰に集まって少し休息を取ることに。
皆が座ると、俺はそれぞれに飲み物を渡していく。
「でもララーナさんどこにいるんでしょうか。もうかなり奥の方まで進んできましたけど……」
「彼女は飛竜の様子を見てくると言っていましたからね。飛竜がいる近くに潜んでいるとすれば、そろそろかと思います」
【さっき向こうの方から爆発音が聞こえた。多分飛竜に魔法を撃ってるんだと思う……あ、マキジありがとう】
「ララーナさんが忍者なんだってこういう時よく分かるわよね~」
休憩の話題はララーナみたいだ。
確かに普段はちょっと天然なところもあるけど、こういう時彼女が忍者であることを実感させられる。
「はぁ~、それにしても冷たいお茶が美味しいわ~。【ストレージ】は便利よね~」
「【ストレージバッグ】は容量がそこまで大きくないですからね。こう言った嗜好品も持ち運べるほど余裕のあるマキジには感謝しかありません」
全員で飲んでいるお茶は、予め冷したお茶を俺の【ストレージ】に仕舞っておいたものだ。こういう時時間経過がないと言うのは強い。
……うん。こういう時は冷たい物が旨いな。
そうして休憩していると、視界に映っている光の線が太くなり始めた。そして少しすると……
「主殿! もうこちらに来ていたでござるか」
木の上から探し人が降ってきたのだった。
※※※※※※※※※※
「ふぅ~、こんなところで冷たい茶にありつけるとは……流石は主殿でござるな!」
向こうからやって来てくれたララーナにもお茶を出し、俺達はそのまま木陰で話し合いをすることになった。
当然議題は飛竜についてだ。
「そう言って貰えると用意した甲斐があるよ。それでララーナ。飛竜の方はどんな感じなんだ?」
「その辺りはバッチリでござるよ。この茶を飲みきったら話すので少々お待ちを……んっんっ……」
そう言うとララーナは、手に持っていたお茶を呷る。
……しっとりと汗をかいた彼女の黒い肌と、上げられた喉がお茶を嚥下していく様が妙に艶かしい……って違う違う! 何を見てるんだ俺は!
「プハー! 五臓六腑に染み渡るでござる! ……? 主殿、どうかなされましたか?」
「い、いや。何でもないよ、気にしないで。それよりほら、飛竜の話をお願いするよ!」
俺がちょっと動揺してるのを目敏く見抜いて声をかけてくるララーナ。恥ずかしいので飛竜の話をお願いします!
「……(マキジくんて何時もは大人っぽいですけど、こういう時は年相応ですよね)」
「……(そうなのですか?)」
「……(そうなのよ~、可愛いわよね~)」
【……マキジ、スケベ】
ご免なさい! ホントに恥ずかしいんで止めてください! 中身は30手前なのに反応が見た目相応とかもう穴があったら入りたい!
ていうかエレミアさん、ドストレートにスケベって言わないで!
「? まぁ兎に角、偵察の結果でござるが現在飛竜はこの先の窪地にいるでござる。たまに窪地から飛び立とうとしては、周辺にいる王国兵と冒険者による魔法と弓による集中攻撃で窪地に戻る、と言うのを繰り返しているでござる」
「その辺は聞いてた通りかな……他には?」
マール達のひそひそ話は一旦忘れることにして、偵察結果を聞こう。うん。
「そうでござるなぁ……みたところ飛竜は魔法や弓を鬱陶しがっているだけで、あまりダメージを負っているようには見えないでござるな。どうもこの窪地に追い込んだ、と言うよりは飛竜が攻撃を嫌がってここに来た、という方が正しいように思うでござる」
「……じゃああまり弱ってない、と?」
うーん、そうなると大分状況は悪くなるような。
「そうなるでござるな。しかし、もしこのままこの押し込みを続けていても、何れ痺れを切らして強行突破してしまうと思うでござる。早いところ倒してしまった方が良いかと」
「成る程……うーんどうしたものか……」
飛竜が弱っていないということは、それだけこちらが危険だということだ。だが、ララーナの言うとおりならいつ飛竜が何処かへ行ってしまうかわからない。
俺としてはあまり皆を危険に晒したくは無いんだが……
「マキジ、大丈夫です。いざとなれば飛竜の相手は私が。元より私一人で戦うはずだったのです。マキジ達が無理をすることはありません」
俺が少し悩んでいると、シャルロッテさんがそんなことを言い出す。その顔は決意に満ちており、端正な顔立ちがよりいっそう美しく見えた。
……だが、それに反してその手は小刻みに震えている。
……無理をしているのはどっちだよ……
「……いえ、問題ないです。このまま飛竜の所へ行きましょう」
「で、ですが」
「相手の状態がどうあれ、シャルロッテさんに協力するのは変わりませんよ。こっちの方針を変えれば良いだけです」
そもそも、【阻害】スキルをポンポン使わないのは俺があんまり目立ちたくないと言う理由でだけだ。誰かが無理をしてまでそれを守る必要はない。
「……マキジ、感謝します。この礼は必ず」
「いいんですよ。これも使徒の役目ってことで。気にしないでください」
まぁ、何処かで使徒の話もバレるだろう。ここでちょっとくらい目立ってしまっても問題ない……ハズだ。
「……(マキジくん、あんな感じで今後も女の人を増やしていくんじゃないかと。私、心配です)」
「……(正直、その心配は今更な気がするでござるが……)」
「……(そうね~、まぁでも甲斐性があればいいんじゃないかしら~?)」
さっきからひそひそ話をしてるつもりみたいだけど全部聞こえてるからね!?
これじゃまるで俺が……
【……マキジ、女誑しもいい加減にしないとそのうち刺される】
なんでそうなるんだあぁぁぁぁぁ!
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