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第85録 マールを迎えにいこう

前回のあらすじ

・指揮官バルドレイ

飛竜(ワイバーン)はでかい!

 

「えーっと、確か治療所はこっちだっけ?」

【さっき道を聞いた冒険者が間違ってなければ、そう。というかマキジ、分からなければマールの居場所を【分析(アナライズ)】すればいい。その方が早い】

「いやまぁそうなんだけどさ……」


 バルドレイさんに顔出しして、俺達のパーティーだけで一度飛竜(ワイバーン)と戦う許可を得た俺達は、その足でマールがいる治療所へと向かっている。

 似たようなテントが立ち並ぶ野営地は、どこに何があるかわかり辛いのが難点だな。


「マキジくんは~、【分析(アナライズ)】を使うのが嫌なの~?」


分析(アナライズ)】を使い渋る俺をみて、マリアさんが不思議そうに訊ねてくる。


「嫌って訳じゃないんですけど……あんまり便利過ぎるんで、頼りきるのもどうかなぁと」


 慣れ、と言うのは恐ろしい。

 確かに【分析(アナライズ)】は便利だが、あまり頼りすぎると何かあったときに困るんじゃないかっていう思いがどうしても出てくるのだ……前に晩御飯の食材調べるのに使ってたやつの台詞じゃないかもしれないけど。

 これは多分、俺が便利なもので溢れていた地球で生きてきたからこそ持ってる感性なのかもしれない。


「でも今回はこれから飛竜(ワイバーン)討伐に行かなきゃならないわけだし~、使ってもいいんじゃないかしら~」

「うっ、それは確かに」

「まぁでも最後はマキジくんが決めることだからね~? スキルは自分の力なんだから~」

「自分の力、ですか」


 ……前にロイドさんにも似たようなことを言われたな。

 あのときは確か、「どんなに良いスキルを持っていたとしても、それをどう使うかは人間次第」って言われたんだっけか。


「……まぁそうですね。折角持ってる力なんですから、使わないのは損ですよね」

「そうよ~。私なんて【探知魔法】常に使ってるくらいなんだから~」

「ははは、そうでしたね。……よし! じゃあ早いところマールと合流して飛竜(ワイバーン)のところに向かいましょうか!」


 うん、簡単なやり取りだったけどなんだか吹っ切れた。自分で思ってる以上に俺は単純なのかもしれない。

 俺はマリアさんに答えつつ、【分析(アナライズ)】を発動させ、マールのいる場所までの経路を分析する。


「……お、どうやらこっちの方みたいだな」


 俺の目には、テント間にできた道を縫うように延びていく光の線が映っている。

 恐らくこの先にマールがいるんだろう。

 俺が先頭を歩き、皆を先導する。


「しかしマキジのスキルはどれも素晴らしいですね。流石は、と言ったところでしょうか」

【持ってるスキルの大半がユニークスキルと言うだけはある】

「まぁ腐っても凄い人? から授かったスキルだからね。俺も使っていて凄いとおもうよ」


 あんなでも神様なのは間違いないからな。何だかんだこのスキル達には助けてもらってるし。


 そんな風に道すがらシャルロッテさんとエレミアさんに俺のスキルについて話していると、光の線が周りより少し大きめのテントに入っているのが見えた。

 どうやらあれが治療所みたいだな。


「ここにマールがいるみたいです。ちょっと中を見てきますね」

「そうですね。この人数でぞろぞろ入っても迷惑でしょうから」

【それにマキジの方がマールは喜ぶ】

「うふふ~、そうかもしれないわね~」

「何言ってるんですかもう……それじゃ見てきます」


 エレミアさんとマリアさんの珍しい弄りを聞き流して、テントの入り口を潜る。


 入ると直ぐに、恐らく消毒液か何かだろうが、独特な匂いが漂っており、テントの中に並べられたベッドには、怪我人が何人も横たわっていた。

 そんな中にマールは……いた。


「さぁ、これで大分マシになると思います。無理は禁物ですよ」

「すまないな。助かったよ。それじゃ俺はこれで」


 ベッドの間隔が少し開けた場所に椅子があり、彼女はそこに腰掛けて、怪我人の治療を行っているところだった。

 たった今治療を終えたようで、最後の冒険者らしき男が礼を言って去っていった。


「……」

「……あれ? マキジくん? どうかしたんですか?」


 俺が見ていることに気付いたマールが声をかけてきた。


「あぁいや、こっちの用事が終わったから迎えに来たんだけど……」

「そうでしたか。丁度診察が終わったので、問題ないですよ。治療所の所長さんに挨拶だけしてきますね!」


 そう言うとマールは側に置いてあった杖を持って、奥いる女性に向かって歩いていった。


「……何だか、治療をしてるときのマールってこう、神々しいというか、母性が溢れてるというか……なんか綺麗で声かけづらいなぁ」


 ゴブリン討伐任務の時は野戦病院のようなもので、荒々しい治療しか見てなかったけど、こう、じっくりと治療しているときの表情は慈愛に満ちていた。

 ……正直にいうと、見蕩れてしまっていたわけだが。


「お待たせしました! 行きましょうかマキジくん!……マキジくん?」

「……いや、何でもないよ。行こうか」


 俺は一旦考えていたことを頭から振り払い、マールと共にテントの外に向かう。


「それで、私を迎えに来たってことは、今から飛竜(ワイバーン)の所へ?」

「うん、そのつもり。ララーナが現場の様子を探ってくれているから、あとはララーナと合流する感じだね」

「そうですか、ララーナさんが。それなら私たちも早くいかないといけませんね」


 テントから出るまでに、ララーナが偵察に出た辺りのことを話しておく。


「あんまり待たせるのも悪いしね……っと出口か」


 話をしているうちにテントの出口に着いたようだ。


 さて、あとはララーナと合流すれば準備万端だな……待ってろよ飛竜(ワイバーン)


続きが気になるぞい!な貴方も、なんじゃつまらんのぅ、な貴方も下の☆から評価して頂けますと作者が泣いて喜びます。

気に入って頂けたらブックマークも宜しくお願いします~!

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