第81録 飛竜討伐決起会
前回のあらすじ
・突然ですが、飛竜だ!
・【無声病】治療薬にはワイバーンの肝が必要
「すみません、お話の最中だったとは思うのですが、先程こちらでご用意すると言っていた夕食が御用意出来ましたのでお持ちしました」
俺が扉を開くと、ナタリアさんとワゴンを押した数人の職員と共に廊下に控えていた。
そう言えば部屋に連れてこられる前にそんな事を話してたな……正直かなり慌ててたから完全に忘れてた……
「ありがとうございます。こちらもさっき話が纏まったの所だったので寧ろ丁度いいタイミングでしたよ」
「そうでしたか。思ったより早く纏まって何よりです。それでは夕食を机に並べますので、少々お待ち下さい」
ナタリアさんが合図をすると、控えていた職員さん達がワゴンを押して会議室へと入ってきた。
彼らは机の上へと手早く料理を並べていく。
……ていうか彼等彼女等はギルド職員だよな? なんでこんなに食事の用意とか洗練された動きで出来るの?
「……我々は、首都ギルドの職員です。貴族様がお越しになられても良いよう、徹底的に訓練されていますので」
「そ、そうなんですか……」
どうやら疑問が顔に出ていたようだ……凄いどや顔で説明されてしまった。
「大皿料理ですね! 美味しそうです!」
「そうでござるな! 今日は任務も頑張ったでござるから拙者もお腹が空い……ってちょっとマール殿! よだれよだれ!」
当然ながらそれに真っ先に反応したのはマール。
安定の食いしん坊キャラっぷりを発揮してるな。でも流石によだれは止めようね!
【私もお腹すいた……お肉はある?】
「あら~? 何時もならお肉あんまり食べないのに~。どうしたの~?」
【今日読んだ本に少しは食べた方が良いと書いてあった。これからはたまには食べる】
「良いことだと思うわ~。私も今日はお腹空いちゃったから~、たくさん食べちゃおうかしら~」
エレミアさんとマリアさんも普段はあまり食べる方ではないのだが、今日はお腹が空いてるようだ。
……さて、俺も隣でどうしようか思案顔の女騎士さんを食事にお誘いするとしますか。
「あー……えぇっと……折角ですし、御一緒にいかがですか?」
うん! やっぱり美人さんをスマートに食事に誘うだなんて高等技術、俺が出来るわけがないよね!
「よろしいのですか?」
「飛竜を一緒倒すんですから、決起会みたいに考えて貰えればいいですよ」
「成る程、決起会、ですか。分かりました。参加させて頂きます」
……よかった。これで「ここは出直して、明日改めて伺います」とか言われてたらちょっと傷付いてたかもしれない。
「……食事の用意が終わりましたので、我々は下がります。片付けは、部屋の使用が終わった旨をカウンターに言っていただければ実施しますので、食べ終わったらそのまま退室されて構いません。それでは失礼致します」
それぞれ話している間に用意が終わったようだ。
ナタリアさんは伝えることを伝えると職員達を連れて部屋から退出していった。
さて、じゃあご飯を食べながら色々話すとしようか。
※※※※※※※※※※
「それじゃあ急ですが、飛竜討伐の決起会という事で、かんぱーい!」
「「「「【かんぱーい!】」」」」
何故か俺が音頭を取ることになったが、こうして晩御飯兼決起会が始まった。
「それでシャルロッテさん。食べながらでいいんで聞いてほしいんですが、討伐にはいつ向かうんですか?」
「一応、協力が得られ次第出発しようかと考えていましたが、マキジ達がついて来るとなれば、色々と用意が必要でしょう。明後日の朝からの出発としたいのですが、どうでしょうか?」
んー、明後日か。俺としては特に問題ないけど、皆はどうかな?
「皆、出発は明後日で問題ないかな?」
「もぐもぐ(こくん)」
「拙者は問題ないでござるよ」
「私も問題ないわよ~」
【私も問題ない】
マール……お腹減ってたのはわかったからせめて返事して……
「問題無さそうです。集合場所はどうしますか?」
話しながら、ローストポークのような肉塊にフォークを伸ばす。
……これ、ギルドで用意したんだろうか。
首都のギルド職員はどれだけのスキルが求められるんだ……
「こちらがお願いをしている立場ですから、宿までお迎えに伺います。宿はどちらで?」
「いいんですか? 宿はギルド直営の場所ですが」
「問題ありません。馬車もこちらでご用意しますので」
おぉ、助かるな。ここまで来たときに使った馬車はギルドのもので、既に返却済みだ。移動手段を用意して貰えるのは有難い。
……尚、馬車にかけてあった【阻害】スキルは当然解除済みだ。
「分かりました。じゃあお願いします」
「はっ! お任せください!」
力いっぱい返事してくれるのは嬉しいけど、せめて敬礼はフォークを置いてやってね……
【マール、お肉食べ過ぎ。野菜も食べなきゃ】
「……わ、わかってますよ。でもこのお肉美味しいんです!」
「あら~、ほんとね~エレミアさんも食べたら~?」
俺がシャルロッテさんとやり取りしている間に、ローストポークらしきものが半分位になっている。
……どうやらマールが殆ど食べたらしい……流石だ……
「マール殿、魚もいいでござるよ? この焼き魚、塩加減が絶妙でござる。パンだとちょっと合わないかもしれないでござるが……」
「あ、いただきます! ……もぐもぐ……」
「は、速い……忍びも驚きの早業でござる……」
うーむ、なんだかマールの食べてる姿を見てるだけでお腹いっぱいになりそうだ。
「ふふっ、愉快なパーティーメンバーですね? マキジ」
「……うん。俺には勿体無いくらいだよ」
こうして、シャルロッテさんとともに飛竜討伐に向かうことになった俺達は、ゆっくりと親交を深めながら、夕食を楽しむのであった
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