第77録 エレミア先生とお勉強
前回のあらすじ
・それぞれ別行動
・エレミアさんと大図書館へ
今回はエレミア先生とお勉強
「えーっと……【マナルガム史】……【レムリア建国史】……【魔術スキルの歴史とその系統】……お、【我が国と教会の歴史】なんてのもあるのか」
エレミアさんと読書用の机と椅子を確保した俺は、歴史書物が納められているエリアに足を運んでいる。
エレミアさんはというと
【私は地理の本を持ってくる。マキジは歴史を学べる本を持ってくるといい】
と言って、別の本を探しに行ってくれている。
「しかしまぁ王に貴族がいるんだから、中世時代辺りだと思うんだけど、もうパルプ紙があるんだよな、この世界」
【レムリア建国史】という本を取り出して、パラパラとページを捲りながら呟く。
まぁ、地球が歩んできた歴史と全く同じという訳ではないんだろうから、紙が早く発明されていてもおかしくはないだろう。
地球にはない魔法もあるわけだしな。
「……よし、こんなもんかな。あんまり持っていっても今日中に読みきれないだろうし」
気になる本を数冊ピックアップして、先程確保した席に戻る。
そこには先に戻っていたエレミアさんの姿と……山のように積み上げられた本が鎮座していた。
【あの、エレミアさん……流石に今日一日でこれ全部は難しいかなぁと……】
【大丈夫、殆ど私が読む分だから。マキジに読んでほしいのはこれだけ】
【以心伝心】でエレミアさんと会話をしながら、【オースティン大陸の歩き方】【ウェスティン大陸の歩き方】とタイトルが書かれている(ように読める)本を受け取る。
……ここが図書館でよかった。でなければ無言でやり取りしてるようにしか見えないからな。
【じゃあ残りをエレミアさんが?】
【私は【速読】スキルがあるから、これぐらいあっても問題ない。さぁ早く読もう】
エレミアさんがそわそわしながら俺を着席を待っている。本当に本を読むのが好きなんだな。
俺はエレミアさんの対面に座ると、今受け取った【オースティン大陸の歩き方】を開く。
「……成る程」
【……?】
俺が開いた最初のページには【オースティン大陸】の全景が書かれており、その上には升目が書かれている。
升目には番号が振ってあるので、恐らくこの番号のページに升目の部分の拡大地図が書いてあるのだろう。
……マッ○ルとかがこんな感じだ。
【エレミアさん、こういう地図ってどうやって作られているんですか?】
正直なところ、測量技術や航空技術は流石にそこまで発展していないと思うんだが、見た感じこの地図は割と精巧に作られている。
……まぁ日本にも江戸時代にほぼ完璧な日本地図を作った人もいるにはいるんだが、何せこっちは大陸規模だ。
【それは【教会】が毎年更新しては国やギルド、公共施設に配布しているこの世界共通の地図。製作方法は【教会】が秘匿してるから少なくとも私は知らない】
【技術の独占……ですか】
【そういった見方も出来る。ただ、【教会】は別にこの地図でお金を取ったりはしていないから、善意と捉えていいと思う。それに……】
【それに?】
【私はさっき女神様に会ったから。あの女神様が汚いことをしてお金を集めている人を放っておくとは思えない】
【あぁ、それもそうか】
確かに言われてみればそうだな。
もしそういう奴がいれば天罰くらい落としそうだ。自分を祀ってる【教会】の関係者なら尚更だな。
何にせよ精巧な地図が見られると言うのは助かる。
俺は余計な考えを頭の隅に追いやり、地図を確認する作業に戻ろうとした。
【……マキジ、少し気になったことがある】
【? なにかありました?】
俺がまずレムリア王国周辺の地図を確認しようとページを開いたところで、エレミアさんの方から声がかかる。
【今までマキジはこの大陸の名前や形を知らなかった訳だけど、たった今それを知った。もし今【分析】で大陸を分析するとどうなるの?】
【……それは】
……どうなるんだろう?
【分析】は調べたものに対して俺が欲しい情報を弾き出してくれる。となると……
【……多分だけど、大陸地図が見えるんじゃないかな。あとは例えば大陸にある行きたい地名さえ分かっていれば、それがどこにあるか教えてくれると思う】
【ふぅん……じゃあもうその【オースティン大陸の歩き方】を読む必要はないということになる。マキジはものの名称と概要さえ分かっていれば【分析】で情報を引き出せるんだから】
【あ……】
そうか……そういうことになるのか。
女神様を呼び出したときもイメージで行っていた。既にヒントはあったのか。
【つまるところ、別に目の前に対象が無くても【分析】は可能なのか……】
【そういうこと】
これは【分析】の使い方をもう一度良く考えた方がいいな……さすが【アカシック・レコード】に繋がっているだけある。
【ありがとうエレミアさん。お陰で色々と試してみたいことが出来たよ。これだけでも、先生をお願いしたかいがあった】
【た、大したことじゃない。それよりも今まで使ってきたスキルに対する知識が乏しいマキジに問題があるだけ】
【あははは……返す言葉もない……】
確かに最近は【阻害】をうまく使おうと色々やってみたりし始めたけど、ホントに最近だもんな。
……というかそもそもあのジジ神が詳しく教えてくれていればこんなことにはならなかったんだけどな!?
【い、いや。責めた訳じゃない。でももう少し自分のスキルを良くわかっていた方が、冒険者をしていく上で大事であって、えっとえっと……】
俺が落ち込んだと思ったのか、急におろおろし始めるエレミアさん。レアだ。
【あぁ、気にしてないから大丈夫。それより【分析】の可能性を広げるためにも、もっと本から知識を得ないと。お願いしますよ? 先生】
【……もちろん。このエレミア先生がよさそうな本を選んであげます】
俺が先生と呼ぶと、胸を張ってどや顔をかますエレミアさん。
これならこの後もいい本を持ってきてくれそうだ。
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