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第75録 神託と魔王の生まれ方

前回のあらすじ

・マールさんの不安解消

・マキジ、泣く


今回は本題の魔王について

 

「だ、大丈夫ですか? マキジくん」

「……ごめんマール、もう大丈夫だから」


 一通り泣いて、感情を出しきった俺は、心配して声をかけてくれたマールに大丈夫だと伝える。

 ……日本で生きてた頃と合わせて、ここまで泣いたのは久し振りかもしれない。


「さてマキジ。そろそろ本題に入りませんか? 肝心の話が出来てませんよ?」


 ……女神様。ホントに空気読んでくださいよ。


「ほらもう神託も下しちゃったんですから」

「分かりました、分かりましたから。えぇっと、皆。実はここまでの話は本題の前置きなんだ。前置きにしてはちょっと内容が重かったかも知れないけど……」

「女神様に異世界から来た主殿、それが前置きとは一体どんな話をするつもりでござるか……」

「ちょっと聞くのが怖いわね~……」


 まぁ、そういう反応になるよな。


「残念ながら明るい話ではないんだ……ルージェニア様、お願いします」

「では、お話しします。皆心して聞いてください……んっんん! ……いま、世界には魔物が溢れつつあり、五年も経つ頃には世界は荒れ、魔物達を統べる王、魔王が誕生することでしょう。私、女神ルージェニアはこれを防ぐため、この世界の各地に存在する【勇者】候補達に神託と新たな力を授けました」


 ルージェニア様が朗々と語りだすと、皆真剣に話を聞き始める。

 魔王が現れる、と言うところで息を呑む音が聞こえたが、先ずは話を聞くことに専念するのだろう。特に声を上げることはなかった。


「そして、このマキジにも同じく神託を。【勇者】達がもし、マキジの力を求めて訪ねて来たときは、その力を貸して欲しいと。マキジは異世界からの転移者。その力はきっと、魔王の誕生を阻止する【勇者】達を助けるでしょう。貴女達には私の使命を受けたマキジを是非とも支えてあげてほしいのです」


 そういうと、ルージェニア様はマール達の所に歩み寄り、一人一人の手を取り、「お願いしますね」と伝えていく。


「あの……ルージェニア様。マキジくんは魔王と戦うことになるんでしょうか」


 最後に手を握られたマールが、少し不安そうな表情でルージェニア様に問いかける。


「いいえ、マキジが直接魔王と対峙することはないでしょう。先程申し上げた通り、私達はこれから魔王の"誕生"を阻止するのですから」

「そう、そうですよね。それならいいんです」


 俺が魔王と戦うことはない、と言われても、まだ少し不安そうだが、一応は納得してくれたようだ。


【それにしても、魔王の誕生阻止に【勇者】……随分と大きな話になってしまった。マキジ、これからどうするの?】

「確かに大きな話にはなったけど、魔王の誕生にはあと五年ある。今は当初の予定通り、この【レムリアリア】で出来ることをするつもりだよ」


 大図書館にエレミアさんの【無声病】治療薬の入手とやることは多い。

 誕生阻止に動く【勇者】達もそうそうすぐに俺を訪ねて来ることはないだろう。今の内に出来ることをしておく必要がある。


「そう言えば拙者、一つ聞きたいことがあるのでござるが」


 エレミアさんの問いに答え、今後のことを考え始めた俺を横目に、ララーナがルージェニア様に質問し始めた。


「なんですか? ダークエルフの……えぇと」

「拙者は【黒き森ベルデナット】のララーナでござる」

「では、ララーナ。質問とはなんでしょうか?」

「魔王の誕生を阻止するというのはわかったでござるが、具体的にはどのようにして防ぐのでござるか? 先程の説明だけだとその辺りがわからないのでござるが……」


 ……そういえば、その辺りの話は俺も聞いてなかった。


「あら? 言ってませんでしたか? それでは改めまして……こほん! この世界の各地には、邪霊の溜まりやすい場所が幾つかあるのです。そこでは力の強い魔物が生まれ易く、何れその邪霊溜まりから生まれた力と知能のある魔物が、周りの魔物を従え魔王となるのです」


 また邪霊か……エレミアさんの【無声病】とも関係があるし、本当に面倒だな。


「成る程……その邪霊溜まりに生まれた魔物を【勇者】達が倒すことで、魔王の誕生を阻止する訳でござるか。思ってたより力業でござるな」

「えぇまぁ……私の力で出来ることにも限界がありまして。女神として申し訳なくは思うのですが」

「いや、責めている訳ではござらぬ。ただ分かりやすくて拙者は好きでござるよ」


 聞けば聞くほど力業だ。ちゃんとした勇者が召喚出来ていればややこしくならなかったんだと思うと、あのジジ神は本当にろくなことしかしないな。


 ……あ、そうだ。一つ聞いておこう。


「そう言えばルージェニア様。この辺には邪霊溜まりは無いんですか?」

「この辺りにですか? えーっと、確かレムリア王国にも邪霊溜まりがありましたね。南の森の中にある古代の遺跡でしたか」


 南と言えば、【アレグレッテ】の方か。


「ちなみにマキジ。貴方の【分析(アナライズ)】なら邪霊溜まりを【分析】することでその位置が分かるはずです」

「あぁ、そうか。今、邪霊溜まりについては聞いたから、次からは【分析(アナライズ)】で位置が分かる訳ですね」


 闇ギルドの拠点を割り出したときと同じ要領だな。

 もし、【勇者】が俺のところにきて邪霊溜まりの場所を聞いて来るようなことがあれば、これで教えてやればいいだろう。


「さて、これで大体私の役目は終わりましたね。今回はここでお暇します……マキジ、またなにかあれば、遠慮なく呼んでいただいて構いませんからね」

「あ、はい。その時は是非」


 そんなポンポン女神様を呼ぶような事態になるのは勘弁してほしいけどな!


 ルージェニア様は最後に皆に向かって手を振ると、最初に出てきたときのように、一瞬目映い光を放ったかと思うと、たちどころに姿を消してしまった。


「さて……これから忙しくなりそうだな……」

「大丈夫ですよマキジくん! 私達も頑張ってお手伝いしますから!」


 俺の呟きを聞いて、マールが励ましてくれる。

 そうだな、折角皆が俺の素性を知っても一緒に居てくれるんだ、頼れるところは頼って、俺の出来ることをやっていこう。


 となると先ずは……


「……会議室、使い終わったってナタリアさんに伝えて、この後は各自所用を済ますとしよう!」

「はい!」「承知!」「は~い」【分かった】


 一つ一つ、用事をこなしていくとしますか!

続きが気になるぞい!な貴方も、なんじゃつまらんのぅ、な貴方も下の☆から評価して頂けますと作者が泣いて喜びます。

気に入って頂けたらブックマークも宜しくお願いします~!

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