第70録 続・ろくでもない再会
前回のあらすじ
・神! 降臨!
・女神も降臨!
今回も引き続き神&女神回
どうやらこのマナルガムに魔王が生まれる予定らしい。
で、それに合わせて女神様が勇者を異世界から召喚する予定だったらしいのだが……
「どうするんですかこの問題」
「いやー、困ったことになったのぅ」
「貴方のせいでしょう!? 何を他人事の様に!」
……話を整理するとこうだ。
そもそも異世界転移と言うものは次元の壁やらをぶち抜く行為で、それはそれは多大なるパワーが必要とのこと。
そしてジジ神はあろうことかマナルガムに蓄えられていたそのパワーを使って俺を転移させてしまったのだ。
で、このマナルガムの女神、ルージェニア様は魔王が生まれたときは異世界から勇者を召喚して、それはもうチートなスキルをてんこ盛りにして何とかするつもりだったらしい。
ところが最近、何やら妙なスキルで【アカシック・レコード】へアクセスしている人間がいることに気づいて下界を覗いてみると、俺がいた。
何かおかしいと思った女神様が俺のスキルの出所を調べ……ジジ神に行き当たったらしい。なので直ぐに話を聞きに行き、俺が転移した事を確認。なんとか話をさせてくれと俺が呼ばれ今に至る、と。
……全部ジジ神のせいじゃねーか!
あとなんか俺が【アカシック・レコード】にアクセスしたとか言われたんだけどそんな大層な物にアクセスした覚えはない。
いや、取り敢えずそれは置いておこう。先ずは魔王だ魔王。
「……で、実際のところどれくらいで生まれそうなんですか、魔王」
「あと5年もすれば生まれるかと……」
あ、直ぐとかではないのね……それはちょっと安心だ。
「しかし、魔王の誕生が近付くに連れて、世界各地で魔物が暴れます。そして次第に世界は荒れ、魔王が生まれるとき、マナルガムは長く苦しい暗黒の時代を迎えることでしょう……」
うーん、とは言え楽観視出来るような状態でもないってことか……
「神様、元はと言えばあなたのせいな訳ですし、なんとかしてあげられないんですか」
「うーむ、そう言われてものぅ。わしは地球側で色々出来るがそっちのことはさっぱりなんじゃよ」
「……じゃあどうやって俺を送るパワーを使ったんです?」
「それは簡単じゃ。地球側のパワーを使ってちょちょっと小さな穴を開けてじゃな。繋がった場所からパワーを使ってヒョイと……」
「なんて事してくれてるんですかこのジジ神~!」
あ、女神様ついにジジ神って言っちゃったよ……
「ジジ神とはなんじゃジジ神とは! ってコラやめんか! 髭を引っ張るでないわい! 痛たたた!」
「このっ! 偉そうなっ! 髭がっ! 勘に障るんですっ!」
……俺は何を見せられてるんだろうか。絵面としては20位の美女が80位のジジイをいじめてるようにしか見えん。
「……取り敢えず、魔王をどうにかする手段考えましょうよ……」
「そ、そうじゃな! 流石はわしの見込んだ男! ちゃんとするべき事がわかっておる!」
確か俺のしょうもない死に様見て決めてなかったか。なにが見込んだ男だこのジジ神め……
「くっ……! 全く忌々しいです! そもそも私は一人で世界を管理しているのに、地球は多すぎるんです! だからこんなとんでもないことするのが一人二人出てくるんですよ!」
「女神様、落ち着いて落ち着いて」
「はぁ……はぁ……んんっ! ……すみません取り乱しました。そうですね、とにかくどうするか考えましょう」
女神様とジジ神のインファイトが落ち着き、漸く話が進む。
「……とにかく、今のマナルガムには他の世界から勇者を招くと言ったことは出来ません。取れる手段は限られてきます」
「と言うことは既に幾つか考えられているんですか?」
「当然です! このまま黙って見過ごすなど女神として許されません!」
おぉ……なんというか、ジジ神が比較対象で申し訳ないが非常に神様っぽい。
「まず一つめの案ですが……マキジ。貴方が」
「お断りします」
「……まだ最後まで言ってないのだけれど」
「言われなくても分かります! ですけど流石に魔王は無理です。既に俺はこの世界で生きるって決めた上で色々手探りで頑張ってます。今更勇者なんて受けることは出来ませんよ」
「……そうですか……」
いやあの、そんなにションボリしないで頂けないでしょうか……別になにもしないって言いたいわけじゃないんだから。
「ですが、協力は惜しみません。さっきも言ったようにこの世界で生きると決めている以上、魔王は俺にとっても面倒な存在ですから。矢面は無理でも手伝えることはあるでしょう?」
「ほ、本当ですか!? 助かります……!」
今度は凄い下手に来たな……
「それではもう一つの案として、この世界に散らばる自称【勇者】達、彼等に教会を通して神託を下すことにしましょう。そしてマキジ、あなたにも」
「俺も……ですか?」
えっ、なんだろう。凄くメンドクサイ予感が……
「あなたには【勇者】達の支援者になってもらいます。そういった能力をお持ちですよね?」
「あー、まぁ、はい……」
「無理に協力しなくてもいいですよ。あなたが絡まれていたのは私も見てましたので。協力を仰がれたとき、手を貸していただければ結構ですので」
「あぁ、それくらいなら問題ないですよ」
流石にゲイルに協力とかしたくないからな……
「それとそこのジジ神! あなたが原因なんだから少しは協力しなさい!」
「ぬぅ……またジジ神などといいおって……まぁよい。確かに無断でやったのは悪かったからのぅ。手は貸すわい」
「では神託と共に【勇者】達には新たに強力なスキルを一つ渡すので、その分のリソースを分けてください」
「しょうがないのぅ、まぁそれくらいならいいじゃろ」
しょうがないって……あんたが原因だろうに……
まぁとにかくこれで方向性は決まったな。
「では私は神託の準備があるのでこれで……あ、そうでしたマキジ」
「? まだなにか?」
そろそろ帰りたいんだけど……
「貴方の【分析】はマナルガムの【アカシック・レコード】に繋がっているの。そこのジジ神が付与したせいでバグを起こしてたみたいだから、さっき直しておきました。なにか困ったら私を【分析】しなさい。連絡が取れますので」
「えっ」
「それではまた」
最後の最後に重大な発言をして、フッと消える女神様。
【アカシック・レコード】とか……まじか……
「女神とメル友とかお主も隅に置けんのぅ?」
「……もうメル友は古いですよ」
「なぬ!?」
はぁ……まぁ取り敢えず戻ってみてから考えよう……皆ともまた相談しなくちゃならないだろうし。
「それじゃ神様。戻してもらえますか」
「うむ、では行くぞい!」
そういうと何処からともなくバットを取り出す神。
……やっぱりバットなのね。
「ではまたの!」
「出来ればもう御免ですよ!」
そういった瞬間、懐かしい衝撃が脳を揺さぶり、俺の意識は闇へと落ちていったのだった……
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