第62録 首都【レムリアリア】
前回のあらすじ
・今までの振り返り
・行くぜ!レムリアリア!
今回は漸くレムリアリアに到着です
【モデラータ】を出発して数時間、特に魔物や盗賊に襲われることもなく、俺達を乗せた馬車はのんびりと街道を進んでいる。
時折、向かい側から商人の馬車や街道を警備しているであろう兵士とすれ違うが、その頻度は今まで以上だ。
レムリア王国の首都に近づいている、という実感が湧いてくる光景だな。
「もうそろそろ見えてきますかね? 【レムリアリア】」
「そうね~。もう少しで見えてくると思うわよ~」
俺はマリアさんの隣で御者をしながら街道の先に見えてくるであろうこの国の首都に少しばかりワクワクしている。
【アーダジオ】や【モデラータ】も大きな街だったが、それ以上ともなると想像がつかない。
「流石に首都ともなると、年甲斐もなくドキドキするなぁ」
何せ異世界の首都だ。大きなお城に貴族の住まう屋敷が多く建ち並んでいて、城下町は活気に満ち溢れていることだろう。
「年甲斐もなくって、マキジくん私より年下じゃないですか。でも、私も楽しみですね。首都に来るのは初めてですから」
「拙者は任務で何度か……あんまりいい思い出はないでござるが……」
マールは小さい頃の記憶がないらしいから、もしかすると来たことがあるかもしれないけどな。少なくとも記憶のある今は来たことが無いようだ。
ララーナは俺たちと会うまで不幸が押し寄せてきてただろうからな……いい思い出がないのも仕方ないと言ったところか。
【私も何度か、叔父につれてきてもらったことがある。マキジの行きたがっている大図書館にもその時に行った】
一方エレミアさんは【モデラータ】が近いこともあって何度かスティーブさんと来たことがあるようだ。
大図書館に行ったこともあるみたいだし、俺にとっては助かる話ではある。
「あら~? じゃあ私が一番詳しいかも知れないわね~。ギルドでのお仕事が終わったらオススメのお店に案内しちゃうわよ~?」
……そう言えばマリアさんこの国の元王族だったわ……
「というか、マリアさん。普通に街に入って問題ないんですか?」
マリアさん曰くもう王族に籍は無いそうだが、それでも元だ。
何かしらあるんじゃないかと勘ぐってしまう。
「問題無いわよ~私が王族籍にあったのは大分昔の話なの~。だから今の王城に私のことを知ってる人は居ないわ~」
「ならいいんですが。じゃあ町の案内はマリアさんにお任せしちゃいますよ。」
「ふふふ~、任せてちょうだい~」
詳しい人がいるなら任せるのが一番だ。宿探しという点でも変わってくる部分があるだろうからな。
「お! 見えてきたでござるよ! レムリア王国の象徴、【ホワイトアリア城】が!」
マリアさんと話している間に、どうやら城が見え始めたらしい。ララーナが俺の肩をバシバシと叩きながら教えてくれる。
「痛たたた! わかった! わかったからララーナ! 叩くのは止めて!」
「おっと、申し訳ないでござる。こうしてゆっくりと見るのは初めてでござるゆえちょっとテンションが……って熱ぅぅぅぅ!」
……今のも隷属紋的にはアウトなのか……
さて、俺もここから見える城を……と。
「おぉ……」
まだかなり距離はあるが、ここからでもわかる偉容が目の前に現れていた。
白い壁面に深い碧の屋根。白亜の大城、それがここから見える【ホワイトアリア城】だった。
「キレイなお城ですね……」
マールもここから見える城の美しさに目を奪われているようだ。気持ちはわかる。
「城の壁面には汚れのつかない特殊な建材が使われているの~。それもあって~、【ホワイトアリア城】は建てられてからずっとあの美しさを維持し続けているのよ~」
成る程、通りでこの距離からでも目を見張るほどの白さをしているわけだな。
「はぁ~、便利な建材があるんですね……でも俺なら【阻害】で再現できそうな気がします」
【汚損阻害】とかで同じ状況を作れそうだ。【アレグレッテ】に戻ったらガデツさんの炉にこれをかけてもいいかもしれない。
「……(くいくい)」
「ん?」
【マキジ、ただでさえ貴方のスキルは厄介。自重して】
「……はい……すいません」
怒られてしまった……
「ふふふ~、さぁ~城が見えたら街の入り口まであと少しよ~」
エレミアさんに怒られる俺を見て笑いながらマリアさんが言う。
き、気を取り直して【レムリアリア】に入るとしよう。
※※※※※※※※※※
「ギルド職員カード及び冒険者カード、全員分確かに確認致しました。どうぞお通り下さい」
外壁門での審査を無事に終わらせ、【レムリアリア】へと入った俺達。特に問題もなく入れたのだが……
「疲れましたね……」
「全くだ……」
流石は首都と言ったところか。俺達の馬車が門に近付いたときには既に入場待ちの長蛇の列が出来上がっていたのだ。
そして待たされること二時間あまり。先程漸く街には入れたところというわけだ。
「それにしても……凄いもんだなこれは」
馬車は今、大通りを進んでいる。正面には当然ながら【ホワイトアリア城】が見えるわけだが、凄いのはそこまで伸びる大通りだ。
【アーダジオ】でも大通りは領主館まで真っ直ぐに伸びていたが、キレイな真っ直ぐと言うわけではなかった。
だが、この【レムリアリア】の大通りは文字通り真っ直ぐなのだ。城へとひたすらに真っ直ぐな道が延びていく様は、何処か別の世界へとやって来たのではないかと思わせる情景だった。
……いやまぁ、俺にとっては別の世界な訳だけども。
「なんだか吸い込まれそうです」
「拙者も初めてこの大通りを見たときは同じような思いを抱いたでござるよ」
「……(こくこく)」
マールも他の皆もやっぱり凄いと感じているようだ。
「マリアさん、このままギルドへ行きますか?」
宿もとりたい所ではあるが、一応これは護衛任務だからな。先に報告をした方がいいだろう。
「そうね~、そうしましょうか~。場所は大通り沿いだから~着いたら教えるわね~」
「わかりました。じゃあこのまま進みますね」
俺は馬に鞭を入れると、大通りを真っ直ぐに進ませる。
これだけ大きな街のギルド……一体どんな建物なのだろうか。楽しみだな!
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