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ダーツで始まる異世界転移冒険録〜【阻害】スキルが存外チートだった件~  作者: 奈良よしひろ
2章~自分の行き先はダーツでなんて決められない~
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第58録 紋章術士について

前回のあらすじ

・エレミアさんのステータス公開

・エレミアさん、俺の先生になってください!


今回は紋章術士ってどんなの?って話をします

 

 握手したエレミアさんの手は、その白く透き通るような肌の綺麗さとは裏腹に、皮膚の厚みを感じさせる職人の手をしていた。

 ……まだ若干19才で、だ。

 そこからは年齢以上の努力が感じられた。


 どちらからともなく、繋いだ手を離す。


「……さて、それじゃあ残りの荷物も【ストレージ】に仕舞い込んでしまいますね。それが終わったら、俺達が泊まっている宿に戻りましょう」

「……(こくり)」


 何となく気恥ずかしくて、俺は残りの荷物も手早く【ストレージ】へと仕舞ってしまうことにする。


「「……」」


【ストレージ】に物を仕舞うとき、当然ながらというか特に音はしない。そして、俺はさっきの握手が原因で何を話していいか分からない。エレミアさんは声を出せないのだから……部屋にはそれは見事な沈黙が降りていた。


 ……何か話題を探そう。


「えーっと、エレミアさん?」

「……?」


 なんだろうか? とでも言うように、こてりと首を傾げるエレミアさん。


「実は俺、紋章術士がどのような仕事をするのか全く知らないんですよ……記憶を失う前は知っていたかも知れないんですが。もしよければ、紋章術士について教えて貰えませんか?」

「……(こくこく)」


 俺の質問に対して首を立てに振ってくれるエレミアさん。

 頷くと同時にメモにペンを走らせている。


 この【モデラータ】から【レムリアリア】までは大した距離は無いと聞いているが、それでも外壁のない無防備な平野を1-2日移動することになる。

 とは言え、ララーナの【不幸体質】を何とか出来ている今、魔物に襲われる可能性は極めて低いだろう。

 盗賊等に関しても首都の近くということもあって、普段から騎士団の巡回が行われていると聞いている。

 正直なところ、戦闘になる可能性はないだろう。


 それでも俺は、一緒に旅をするからには彼女について一つでも多く知っておきたかった。


 エレミアさんがメモ用紙に伝えたいことを綴っている間に、俺は【ストレージ】へと残った荷物を仕舞い込む。

 時折、メモを(したた)めるエレミアさんの横顔をチラッと見たが、その顔は真剣そのものだ。


 数分後、全ての荷物を【ストレージ】へと仕舞い終えた俺に、エレミアさんが書き終わったメモを渡してくれる。


【少し長くなるけど、紋章術士について説明させてもらう。まず、当然のながら紋章術士は【紋章術】のスキルを持っていることが大前提。これは【剣術】や【杖術】の用に後天的に習得が可能。それなりに努力は必要だけれど】


 俺も【鞭術(べんじゅつ)】は鞭を使い初めてからスキルに表示されたからこれは分かる。

 それに対して【紋章術】は魔法みたいなもんだから先天的にスキルをもって生まれてくるのかと思ってた。


【紋章術士は基本的に戦闘を自発的に行うことはない。紋章を描くことで効果のある品物を用意して、それを売る生産者と言うのが大半の紋章術士の生活スタイル。やむを得ず戦闘を行う場合は、他に持っている戦闘スキルを持って戦うか、【戦術符】を使って戦うことになる】


 俺がメモを読むのに合わせて、エレミアさんが懐から取り出したのは……護符?呪符?とにかくそれに似た形状の紙切れだ。

 表にはびっしりと紋章が書き込まれている。


【この【戦術符】、使い方は簡単で、【戦術符】に描かれた紋章の効果を発揮させたい対象に符を張り付け【付与魔法】をかけるだけ。そうすると【戦術符】に込められた紋章が張り付けた相手や物に効果を発揮する】


 おっと、ここで【付与魔法】の登場か。

分析(アナライズ)】してもいいけど、折角だからこのままエレミアさんにどういうものか聞いてみようか。


「すいませんエレミアさん、【付与魔法】についても簡単に教えて貰えますか?」

「……(こくり)」


 頷くと、エレミアさんは再び俺の質問に対する答えをメモに書き出す。


【【付与魔法】は魔法効果の委譲を主とする魔法を取り扱えるようになる。紋章術士が人や物に魔術式を描き続けていると、自然と習得するもの。習得すると、面白いことが出来るようになる】


 俺がメモの終盤に差し掛かると、エレミアさんは先程取り出した【戦術符】と更に何も描かれていない紙を取り出す。

 そして両方にエレミアさんが手を翳すと、それぞれが光始め……


「……あっ!?」


 光が収まったかと思うと、何も描かれていなかったほうの紙に、最初に取り出していた【戦術符】と全く同じ紋章が描かれていた。


【【紋章術】の複製。これが【付与魔法】の真価とも言える。ただ、私はまだLv.2だからあまり多くの【戦術符】を複製したり、使用はできない。これから頑張る】


 俺が【付与魔法】のメモを読み終えると、目の前にはガッツポーズをするエレミアさんの姿が。


 ……えっ? なに急に? 可愛いんだが?

 メモの文章が固いから分からんが、部屋にはいる前のウィンクといい、実はお茶目さんなのか……?


 と、兎に角、紋章術士の方のメモも読んでしまおう。


【【戦術符】は相手に張り付けるのが大変だけれど、うまく使うことが出来れば、自分のスキルにない魔法が使えることになる。これで立ち回って冒険者をしている紋章術士も少ないけど存在している……この私のように。以上で紋章術士の説明を終わります】


 俺がメモを最後まで読み終えると、一礼するエレミアさん。

 さっきから思ってたけどメモにこういうの事前に仕込むの好きだな?

 コミュニケーション取りやすいから助かるけどさ。


「説明ありがとうございました、エレミアさん。首都でもこんな感じで宜しくお願いしますね」

「……(こくこく)」


 俺がそう答えると、笑みを浮かべながら頷いてくれた。

 これなら先生を任せても大丈夫そうだ。


 さて、これで紋章術士のことも聞けたし、荷物の回収も終わったな。

 宿にもどって皆と合流するとしようか。

続きが気になるぞい!な貴方も、なんじゃつまらんのぅ、な貴方も下の☆から評価して頂けますと作者が泣いて喜びます。

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