第56録 衝撃の事実
前回のあらすじ
・エレミアさんの下着姿、しかと目に焼き付けた!
・マキジくんは女たらし?
今回はマキジ最後のスキルについて衝撃の事実が……?
ドアを開けた先にあるエレミアさんの部屋はもう既に荷造りが済んでおり、綺麗に片付いていた。
あんなことを言っていたから相当散らかしているのかと思ったんだが……それとも朝から頑張って片付けたんだろうか?
さっきお風呂にも入ってたみたいだし。
まぁ片付いてるなら話は早い。パパっと【ストレージ】に仕舞い込んでしまおう。
「じゃあこの部屋にあるもの全部持っていくってことで」
俺は近くにある荷物を片っ端から【ストレージ】に仕舞い込む。
すると、さっきまで俺の背中をポカポカやっていたエレミアさんが物凄い力で俺の服を引っ張ってきた。
「ぐえっ! え、エレミアさん……首っ……! 首が絞まってますから……!」
「! ……」
俺が後ろ手にエレミアさんの手を叩くと、エレミアさんも引っ張り過ぎていたことに気付いたのか、服を離してくれた。
……なんだって言うんだ一体……
「……げほっ、んん! 急にどうしたんですかエレミアさん。何か仕舞うと不味い物でもありましたか?」
「……!(ぶんぶん)」
俺がそう聞くと凄い勢いで首を横に振ると、近くにあった机でメモ用紙に文字を書き始める。
【マキジ! 今のはなんです!? どうして私の荷物が貴方に触れられた瞬間消えていくのですか?!】
あれ?昨日【ストレージ】スキルの話、エレミアさんにしてなかったっけ?
……いかん、マールに軽く【ストレージ】の容量は大丈夫かどうかは話した覚えがあるけどエレミアさんに詳しく話した記憶はないな。
「ええっと……これは【ストレージ】といって、俺のMPと引き換えに異空間へと物を収納できるスキルでして……エレミアさん?」
なんかプルプルしてるんだけど。
あ、凄い勢いでメモを書き出したな。
【確かに物を収納できる【ストレージ】なるものがあるのは昨日会話に出ていたのは覚えていますが、それが貴方のスキルだとは聞いていませんよ!? 【ストレージバッグ】のことをそう言ってるとばかり……! 【ストレージ】スキルがどれ程珍しいか自覚はあるのですか!?】
やっぱり昨日スキルについては話してなかったか……
まぁ【ストレージ】が珍しいのは既に【アレグレッテ】の冒険者ギルドで聞いてるからな。今更な話だ。
あとは【ストレージバッグ】ね……何となくどんなものか想像はつくけど、そういうものもあるのか……
【兎に角! あまりそのスキルを易々と使ってはいけません! 変なのに目をつけられたら大変ですよ! ゲイルとかゲイルとかゲイルとか!】
「お、落ち着いて下さいエレミアさん! 誰彼構わずこのスキルを使ってるわけではないですから!」
まぁ【アレグレッテ】じゃ大分知られちゃってるけどね!
俺の言葉を聞いて少しは落ち着いたのか、ペンが走る速度が少し遅くなる。
【……ならいいです。【ストレージ】スキルを持っている人と【紋章術】を使える者が居れば【ストレージバッグ】を作ることが出来るのです。なので、ヘタをすると怪しい組織などに狙われます。気をつけて下さい】
……へ?ちょ、ちょっと待った!
「エレミアさん! 【ストレージバッグ】って作れるんですか!?」
勝手なイメージだが、どっかの遺跡とかから発掘されるとばかり……!
【そうですが? 現に市場に今出回っている【ストレージバッグ】は帝国にいると言われる冒険者【馬車馬】が作っているはずです】
「【馬車馬】って……」
他になにかいい二つ名は無かったのか……まぁ俺も【運び屋】呼ばわりだから大差ないか。
「いや、冒険者の二つ名は置いておいて、じゃあエレミアさんと俺が居れば【ストレージバッグ】が作れるってことですよね?」
エレミアさんは紋章術士、俺は【ストレージ】スキル持ち。
条件は満たしている。
恐らく【ストレージバッグ】は冒険者なら誰でも欲しい品だろう。いや、一番欲しいのは商人か。何はともあれ、かなりの高値がつくのは目に見えている。
うまく生産できればエレミアさんの薬の資金が調達できるのでは……?!
誰でもそう思うだろう。俺も気付くようなことだからな。
そしてそういうことには大抵落とし穴があるものだ。
【……確かにその通り。でも問題がある】
ゆっくりと、しかし震える手で文字を書くエレミアさん。
「……エレミアさん?」
【……【ストレージバッグ】を作るためには消えない紋章を描くことが必要。そして、この世界で唯一、消えないインクと言われているのが……【邪霊樹】の樹液を使ったインク。とてもお勧めは出来ない】
「あ……何て言うかその、すいません……知らなかったとは言え……」
【構わない。でも、【ストレージバッグ】を作るのは諦めた方がいい】
【邪霊樹】の樹液は【無声病】の原因だ……知らなかったとは言えエレミアさんには悪いことを言ったな……
あれ? でも待てよ?
「エレミアさん、【刻印術】って知ってますか?」
「……?(ふるふる)」
急に俺がスキルの名前を持ち出したからか、キョトンとした顔で首を振るエレミアさん。
もしかしたら俺の【刻印術】……こいつもヤバいスキルだぞ……
「……もし、もしもですよ? 消えない刻印を記すスキルがあったとしたら……どうなります?」
俺は恐る恐るエレミアさんに聞くことにした。
彼女の持つペンがたまに止まりつつも文字を綴っていく。
【……そんなスキルは現在、古今東西様々な国において存在していない。遺跡から発掘された古代の品の中には、消えない刻印のされた物もあるそうだけど。もし、そんなスキルを持った人物が居たら色んな所から目をつけられると思います】
……何てこったい……
この日、俺はエレミアさんの部屋の荷物を取りに来て、何故かとんだ現実を目の当たりにする羽目になったのだった……
……あの時三本もダーツを投げるんじゃなかった……
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