第54録 マキジ・ヨコシマとエレミアさんの部屋
前回あらすじ
・ララーナは下着が足りない
・エレミアさんの荷物を取りに
今回はエレミアさんの部屋へいくのだが……
予定について話し合った後、エレミアさんはそのまま帰ろうとしていたのだが、マールがそれを引き留めた。
ゲイルの一件の直後だし、明日から一緒のパーティーになるからと言うことらしい。
結局、宿の主人に頼んでエレミアさんもマール達と同じ部屋で泊まり、何だかんだで疲れていた俺も直ぐに眠りについた。
動くのは昼過ぎからだ。ゆっくり眠るとしよう。
※※※※※※※※※※
「……ん……? 朝か……」
窓から射し込む陽光で目が覚める。
ゆっくり眠ったつもりだが、案外早く起きたしまったようだ。
【分析】で現在時刻を確認すると、10時を少し回ったところだと教えてくれる。
「ん~……朝食って時間でもないなぁ」
ちょっとあれだがもう少し待って朝昼兼用にしてしまおう。
服を着替えて部屋を出る。恐らくもう皆それぞれ動いてる筈だ。
そんな中ゆっくり起きてきて、と言うのは少しの優越感と罪悪感が混じった何とも言えない気持ちになる。
階段を降りて、宿のカウンター前を通り過ぎようとしたところで声をかけられた。
「あ、お客さん。お客さんのお連れさんから手紙と伝言を預かってるよ」
手紙はエレミアさん、伝言はマールかララーナだろう。
マリアさんはギルドに行くだけだから特に何もないだろうし。
「あぁ、どうもすみません。手紙は後で読みます。伝言の方は?」
「はい。手紙はこれだよ。伝言は【夕方には戻ります。荷物は馬車に積んでおくので回収してください】だとさ……馬車の荷物をわざわざ回収するのか?」
「え、えぇまぁ……俺のスキルがそう言うものなんですよ」
流石に【ストレージ】を詳しく説明するわけにもいかない。
「はぁー、よくわからんが兎に角伝えたよ。あぁそうだ、兄ちゃんは飯どうするんだ? 早めに昼食を用意してやれるぞ」
「あ、じゃあお願いします」
「よし、じゃあ食堂で待っててくれ。出来たら持っていくからな」
そういうと宿の主人はカウンターの裏へと姿を消した。
早めの昼食を用意してもらえるようなので、エレミアさんからの手紙は食堂で待ちながら読むとしようか。
食堂に入ると、当然というか俺以外に人は居らずがらんとしていた。ここのところ食事と言えば皆で取っていたので少し寂しくはある。
「さてとじゃあエレミアさんの手紙を、と」
丁寧に封筒に入れられた手紙を取り出すと、中には昨日描いていた地図も同封されている。かなり細かく、分かりやすい地図だ。
これなら迷う心配は無いだろう。
肝心の手紙には
【おはようマキジ。私は昨日言った通り、先に自分の部屋へ戻っている。君はゆっくり昼食を食べてから来て欲しい。地図はできる限り分かりやすく書いたつもり。あと、私が部屋を借りている家の家主が、少し変わり者。そこだけ注意して欲しい。】
と書かれている。
変わり者ね……割と俺の周りは変わり者だらけだからあんまり気にならないんじゃないかな……
「お待ちどう! パンと野菜の玉子炒め、それとスープだ」
手紙を読んでいるあいだに用意が終わったみたいだ。店主が持ってきたトレイの上には出来立ての料理が並んでいる。
「有り難うございます」
「いいさ、これもサービスの一環さ。それじゃあごゆっくり」
そういうと店主は食堂から出ていった。
それじゃあ温かいうちに頂いて、エレミアさんのところに行こうか。
※※※※※※※※※※
「ここか……」
昼食を取り終えたあと、地図に描かれた通りに街を歩くと、少々大きめの邸宅にたどり着いた。
周りもそれなりに大きい家が多いので、富裕層が住んでいる区画なのかもしれないな。
扉のノッカーを手に取り、扉を叩く。
……反応がないな。
「ごめんくださーい。エレミアさんはいらっしゃいますでしょうかー?」
次は無難に外から声をかける。
反応は……あ、足音が聞こえる。
随分と小走りだな。足音はそのままドアまでやって来て……
「おぉ! 我が家のエレミアに用のあるのは誰かな!?」
勢いよく開くと同時にこれぞ吟遊詩人! な見た目をした男が歌うように語りかけてきた。
ヤバイ、思ってたより変かもしれない。
「……えっ、あっはい。俺ですけど」
「ふむ、なんだあまり驚かないのだな。まぁいい、エレミアから話は聞いている。ついてきたまえ」
そういうと男はさっさと家に戻ってしまう。
おっと、呆気にとられてる場合じゃないな、追いかけよう。
「ここだ。ここがエレミアくんの部屋の入り口だよ」
追いかけて少し廊下を歩き、何故か地下に降りるとワインセラーにたどり着いた。
この吟遊詩人が言うにはここがエレミアさんの部屋の入り口らしい。
「……ここ、ワインセラーですよね?」
「如何にも。ワインセラーだとも。だがここがエレミアくんの部屋の入り口なのは間違いないぞ。少しまちたまえ」
「? はぁ、わかりました」
取り敢えず言われた通り待つ。すると男は壁際へと歩いていき……
「エレミアくんの部屋はこの下だ。ではいってきたまえ」
壁にあったスイッチを押した。
次の瞬間、俺の立っていた床が開く……!
「どういうことぉぉぉぉぉ……!?」
当然、俺はそのまま落とし穴に落ちていった……
※※※※※※※※※
「ああぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
よくわからん吟遊詩人っぽい男に落とし穴に落とされた俺は、途中でスロープになったことで、どちらかというと穴のなかを滑っていた。
そして……
「痛っ……くない?」
俺は滑りきった先で柔らかいクッションに受け止められた。
「一体ここは……」
そこは小さな部屋になっていて、扉がひとつだけついている。
あるのは大量のクッションだけだ。
「……取り敢えず出るか」
何せ扉以外に何もないのだ。行くしかない。
俺は恐る恐る扉に手をかけ、開く。
するとそこには……
「…………??!!?」
今まさに着替えをしようとしていたエレミアさんが居たのだった……
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