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プロローグ③

長め?のプロローグが終わって、次から本編です。

 

「なんでここに来てダーツなんですか! 普通に決めちゃダメなんですか!?」


 せっかく貰えるチートスキルなのになぜそんなことを!?

 ていうか、もうダーツの時点でそれは授けるって言わなくないか!? 勝ち取れの間違いではないのか!?


「いや、だって普通に決めたらお主無難なところ選ぶじゃろ?」

「当然ですよ!」


 異世界で何があるか分からないのに適当なスキル選ぶわけがない!


「だからじゃ。それではダメなのじゃ」


 真顔でそう、こちらに言う神様。

 チートスキルを自分で選んではいけない理由があるのか……?

 もしかして何かデメリットとかが……


「それだとお主が無難に無双して終わりじゃ。見てて面白くないじゃろうが!」

「畜生そう言えば覗き見する気だったこの神!」


 なんだよ見てて面白くないって!?

 このジジイ実は邪神の類いじゃないだろうな!?


「神に向かって畜生とか失礼な奴じゃな……まぁよい、不貞腐れても仕方ないし、ダーツの矢を三本にしてやるから頑張るんじゃ」


 そう言うと先程受け取ったトレイに新たに矢を二本追加してくれた。

 三本……まぁ三本あれば一つくらい欲しいスキルが手に入るかな……?


「わかりました……三本貰えるならやります、やりますよダーツ」

「ほっほ。そうこなくてはの! では的はこれじゃ!」


 そう言うと、ポンっ!という音と共に的が現れた。

 あら……われ……


「どっかで見たことあるぅぅぅ!」

「お主が親しみやすいかと思っての! 当然パ○ェロもあるぞ!」

「それがスキルだとしてどの辺がチートなんですか!?」

「異世界に車召喚するとかちーとじゃろ? 向こうはこっちの中世位の文明じゃからな! 燃料とかも勝手に補充されるし、壊れても元に戻る正に神仕様じゃ!」

「存外チートだったわ!」


 クソッ……! 普通にチートだからなにも言えない!


「ふふふ……そう言いつつお主も何だかんだテンション上がっておるのではないか? 神にツッコミ入れるとかなかなか出来んことじゃぞ?」


 神とか関係なくさっきから普通にツッコミ入れてるけど、そっちが気にしないならもうなんでもいいや!


「とにかくパ○ェロがチートスキルなのは分かりました……あともうひとつ気になることがあります」

「なんじゃ?」

「細かすぎるんですよ割り振りが! 投げる位置から何処に何のスキルがあるか見えないじゃないですか!」

「大丈夫じゃ! ハズレはないから! 見えないほうが(わしが)面白いじゃろ? 心配するな! もし間に刺さったら神の采配で(わし個人的に)良い方にしてやるから!」

「そこはホントに選ばせて下さいよ!?」


 もうメチャクチャだ……でもやるっていった以上やるしかない。

 どうせ死んだ身の上だ。なるようになれ!


「もう分かりました……回るんでしょうそれ? やるから回して下さい……」

「おぉ、流石よくわかっとるの! じゃあ回すからの!」


 ウキウキしながらいつのまにやら現れていたスイッチを押す神。

 そして勢いよく回り始めるダーツの的。

 ……割り振りが細かいからもうなにも見えやしない。


「どうする? 一本づつ結果をみるかの?」

「あっ……はいそれで。これ見続けると気持ち悪くなりそうなんで……あ、それと同じ場所に矢が刺さったらどうなるんです?」

「一回刺さったスキルの場所は消してやるから安心せい。そこまで底意地悪くないわい。じゃ、一回一回結果をみるからの。スタートじゃ!」


 うん、意地悪してる自覚はあるんだな? まぁいいか。兎に角今はダーツに集中だ。


 そして遂に始まるスキルダーツ(仮)。運命の一投目……!

 ヒュッ……トス。


「うむ……刺さったようじゃな。どれどれ……」

「(ドキドキ……)」


 さっきは色々ツッコミ入れたけどこれはこれでドキドキするな……!超強いスキル引いたらどうしようか!


「……うむ! 一つ目のスキルは……【刻印術】じゃ!」

「おぉ……刻印……こくいん?」

「うむ、生き物や物質に様々なものを刻印するスキルじゃな! 詳しい説明は後でしてやるわい! 二投目いくぞい!」

「えっ……えぇ……」


 なんか聞いただけだと良くありそうなスキルなんだけど……

 まぁ後で詳しく聞こう……


 気持ちを切り替えて二投目だ!

 ヒュン……トス


「二投目は割と様になっとったの……では二つ目のスキルは……【分析(アナライズ)】じゃ! これは当たりじゃのう!」

「おぉ! なんかそれっぽいの来た!」


 良くある鑑定みたいなもんだろう! 間違いなく当たりだ!

 ……いやちょっと待って、今当たりって言った?


「すいません、今当たりって言いましたけど、ホントにハズレ無いんですよね?!」

「んっ!? な、ないぞ! ちょっと使い勝手の悪いのが混じっておるが、"ちーと"に間違いはないわい!」

「微妙なのあるんじゃないですか!」

「えぇい! お主は細かいんじゃ! 言語理解辺りの異世界必須のスキルはおまけで付けてやるから、はよ三投目投げんか!」

「俺が悪いの!?」


 神、まさかの逆ギレである。

 なんで俺がキレられなきゃならないんだ……

 取り敢えず怒らせたらどうなるかわからんから投げよう……

 シュッ……トスッ!


「そうそう、そうやって黙って投げておけば良いんじゃ……おぉ!?」

「!?」


 何だか神の様子がおかしい。

 まさか、まさか本当に超強いチートスキルを引き当てたのでは……!?


「お主の最後のスキル……それは……」

「それは……!?」


 ゴクリ……


「……【阻害】じゃ……」

「えっ……」


 阻害ってあれだよな……こう……相手からの認識を阻害する的な……


「まぁその……この【阻害】は強力で、【認識阻害】なんかすればお主の存在が一切認識されなくなるとか割と便利じゃぞ……?」

「いや……それは便利かもしれないですけど……」

「女風呂とか覗き放題じゃぞ!?」

「利用方法がゲスい!」


 この神ホントに俗物だな!?

 っていうか覗くことに執着し過ぎだろ!


「と、とにかくこれで三つの"ちーと"スキルが決まったわけじゃ! 後はほれ、このスキルとおまけの異世界スキルセットを付与してやるから目を瞑るんじゃ!」

「(またあからさまに話を逸らしたな……) わかりまし……って、またバットじゃないでしょうね!?」

「ええい! ホントに細かい奴じゃな! じゃから前世もモテんかったんじゃ! いいから黙って喰らっておけい!」

「ちょっ……!」


 バット(それ)モテる(これ)とは関係ないでしょうが!

 そう突っ込みたかったのだが。

 問答無用でバットを振りかぶる神。

 その速さが正直ビックリするくらい速くてーーーー


 ドゴォッ!


 突っ込みを入れることなく見事に側頭部へとクリーンヒットを喰らった俺は、再び意識を手放したのだった。


 ※※※※※※※※※※※


「ふぅ……全く細かいことをいいおる男じゃったわ……」


 あんまりぐちぐち言うもんだからついつい強制的に向こうに----剣と魔法溢れる世界、マナルガムへ送ってしまったわい。


「まぁ、町の近くにぶっ飛ばしたからなんとかするじゃろ……あ」


 そう言えばスキルとかその辺の説明を結局せずじまいじゃった。


「……まぁなんとかなるじゃろ。【分析】持っとるし」


 それに全部教えてやるよりは、自分で考えながら頑張るほうが楽しかろう。

 主に見てるわしが。


「ほっほっほ……まぁがんばるんじゃぞ……」


 ----こうして、横島牧二27才の二度目の人生は、神に振り回される形で始まるのであった。

続きが気になるぞい!な貴方も、つまらんのぅ…な貴方も、評価して行ってくれると、作者が泣いて喜びます。

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