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ダーツで始まる異世界転移冒険録〜【阻害】スキルが存外チートだった件~  作者: 奈良よしひろ
2章~自分の行き先はダーツでなんて決められない~
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第49録 VSゲイル

前回のあらすじ

・うるさい、しつこい、メンドクサイ

・そして諦めが悪い


今回はマキジが一対一での戦いに挑む……!?

 

 ……はぁ、どうしてこうなったのか。


「ふっ、鞭が武器とは! その下卑た本性が得物にも現れているようだな! マキジ・ヨコシマ!」


 ここはギルドに併設された訓練施設。

 その真ん中に俺とゲイルが立っている。


「ふん! 僕の威容を前に言葉もでないようだな! 安心しろ! お前と違って僕は紳士だからな! 一撃でノックアウトしてやるよ!」


 言葉もないのはまぁ間違ってないけど、呆れて何も言えないだけなんだよな……

 とは言え黙ってるわけにもいかないか。


「因みに俺が負けたらパーティーを解散しろ、ってことですけど、もしそちらが負けたらどうするつもりです?」

「はっはっはっ! 僕が負ける? 面白い冗談だな! でもまぁ運良く勝てることもあるかもしれないか。よし! その時は金銭を支払おうじゃないか!」


 ……なんというか全然対等ではない条件だな。

 とはいえこれ以上面倒事は避けたい。


「わかりました。それでいいですよ。金額はいかほど?」

「がめつい奴だな。万が一勝てたときは金貨100枚渡そうじゃないか! これなら文句はないだろう?」


 おおっとまさかの高額。これは是が非でも勝ちたくなった。


「マリアさん!」

「バッチリ聞こえてたわよ~。この試合~マキジくんが勝てば金貨100枚~、ゲイルさんが勝てばマキジくんのパーティー解散~、そう取り決めます~。双方宜しいですか~?」


「はい。問題ありません」「こちらもなんの問題もない!」


 さて、正直なところ今回の一件、ゲイルくんに悪意があっての行動なのかどうか計りかねる。

 もしかしたらこんなノリで善意からの行動かも知れないわけで。

 なので【攻撃阻害】に頼りきるのは少し不安だ。効くかどうか怪しいからな。

 だから今回はちょっとばかり方向性を変えた【阻害】スキルを使うとしよう。


「それでは双方問題無いようなので、これより試合を始めます。用意は宜しいですか?」


 マリアさんに代わって、【モデラータ】ギルドの職員が審判に入る。


「問題ありません」「さっさと始めて終わらせるとしよう!」


 間も無く試合が始まると言うことで、ギャラリーも徐々に盛り上がり始めた……っていうかいつの間にこんなに集まりだしたんだこれ。

 男は「どっちも死にやがれ」なんて言ってる奴がいるし、女性は女性でゲイルくんに黄色い声援を送っている人が多いな。

 あれ、俺の味方少なくない?


「マキジくん! 頑張って下さい!」

「主殿ー!そんなやつけちょんけちょんにするでござるー!」


 ……少ないけど、一番熱が入った声援を頂いてるのは間違いないな。

 まぁあっちも似たような感じだけど。


「ゲイル! そんな奴パパッと片付けてー!」

「そうよぉ!ゲイルは【勇者】なんだからねぇ!」

「……(こくこく)」


 ……

 …………

 ………………


 なんか今、聞こえてはならない単語が聞こえた気がしたんだが。


「え、今なんて……」

「それでは試合、開始!」


 俺の疑問を解消する間も無く始まる試合。

 そして、合図とともに攻撃を繰り出そうと動き出すゲイルくん。

 何はともあれ、このままだと攻撃される。

 ()()()()()()()()()()()()


「ははは! 今さら後悔しても遅いぞ! 一撃で終わらせてや」

「【移動(・・)阻害】」


 次の瞬間、慣性やベクトル等の物理法則を全て無視したかのように、ゲイルくんはその場でピタリと動きを止めてしまう。


「なっ!? なんだこれは!? 僕に何をしたぁ!」

「何を、と言われても。俺のスキルを使ったとしか言えないですね」


 ゲイルくんは必死にその場から動こうとするが、それは叶わない。これはそういう【阻害】だからな。


【移動阻害】

 かけられた対象は現在地から移動が出来なくなる。

 座標に固定されるため、外部からの力による移動も不可。

 座標点は対象の中心が設定される。


 要するに今ゲイルくんは歩いて動く、飛び上がるその他全ての「移動」という行為が阻害されている状態となる。

 座標点は体の中心、なので体の中心が移動しなければ足も動けば手も動く。

 ただただ「その場から移動出来ない」のがこの【移動阻害】と言うわけだ。


 俺もただここまでのんびり馬車に揺られていた訳じゃない。

 【アーダジオ】の闇ギルドの一件もあって、備えをしておいた方が良いと考えた俺は、自分自身や襲ってきた魔物で色々【阻害】を試しておいたのだ。

 ……パーティーが女性ばっかりだから、やっぱり良いところも見せたいし、守りたいしな!


 さて相手はどうも【勇者】らしいので、このまま危なくなる前にとっとと【阻害】してしまおう。


「くそっ! だが僕にはまだ奥の」

「【スキル(・・・)阻害】」

「手が残っているんだ! ……って今度は何をしたァ!? 魔法が使えないぞ!」


【スキル阻害(敵)】

 付与者の敵対対象に対して付与。

 付与された者のスキル発動を阻害する。

 但し、パッシブスキルには効果がない。


 よし、【勇者】相手だから通用するか心配だったがこっちも問題ないようだな。


 この【スキル阻害】はララーナの【不幸体質】をどうにかしようとして考えていたときに思い付いていたものだ。

 結果として【不幸阻害】がうまく機能したので出番はなかったが、よくよく考えると全てのスキルを阻害してしまうので意味がない。しかも肝心要のパッシブスキルには効果が無いと来た。


 で、どうせならこれは敵に使ってしまえば良いと言うことで、一度魔物に試したのだが、ぶっちゃけ魔物がどうスキルを使ってくるかわからない。マールが自分にかけて試してほしいと申し出てくれたのでこちらも試してみたのだが、案の定味方用のものになってしまい……


【スキル阻害(自)】

 付与者及び協力者に付与された場合のみ適用。

 付与された者に対するスキル発動を阻害する。

 但し、パッシブスキルには効果がない


 となってしまった。

 こちら、どうやら敵だけでなく味方の使う補助魔法も阻害対象らしく、恐ろしく使いづらい。

 なので一度敵対者にかけてどうなるか見てみたかったのだ。


「さて……と。ゲイルくん。万が一にも俺が勝つことは無いんだったかな?」


 俺は鞭を床に何度か叩きつけながら聞く。

 【衝撃増加】のお陰か、辺りには何かが爆発したかのような音が響いた。


「ぐっ! そ、それは……」

「俺も鬼じゃない。このまま負けを認めてくれるならどうこうするつもりはないよ。俺はただ今のメンバーで冒険者を続けたいだけだからね」

「ぼ、僕は……僕は……!」


 俺としてはこのまま負けを認めてくれると非常に助かる。

 幾らムカつくと言えど、無抵抗な相手を嬲る趣味はない。最悪、審判に判定勝利を願い出る必要がある。


 さて、【勇者】ゲイルくんは一体どう答えるだろうか……?

続きが気になるぞい!な貴方も、なんじゃつまらんのぅ、な貴方も下の☆から評価して頂けますと作者が泣いて喜びます。

気に入って頂けたらブックマークも宜しくお願いします~!

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