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ダーツで始まる異世界転移冒険録〜【阻害】スキルが存外チートだった件~  作者: 奈良よしひろ
2章~自分の行き先はダーツでなんて決められない~
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第47録 ギルドでの御約束(二回目)

前回のあらすじ

・ヤバイほど魔物に襲われる

・不幸阻害


今回はマキジの周りが女性だらけなのが仇に……

 

 ララーナに【不幸阻害】をかけてから数日。

 俺達は首都【レムリアリア】の手前にある【モデラータ】に着いていた。ここまでくれば首都は目の前といって良い。


 ここまでの道中、あれだけ魔物に襲われていたのに、ピタリとそれは止んでいた。どうやら【不幸阻害】はうまく働いているようだ。ダメだったら言っていた通り色々と試す予定だったが、一発で上手くいって何よりだな。


 まぁ、そのせいで別の問題が出てきたのだが……


()殿()殿!確か出発は明後日の予定でござろう? 拙者、小遣い稼ぎに任務を受けたいのでござるが」

「うんまぁ、構わないよ。でも一人で行くのは無しね。俺かマールと一緒に受けること。まだ不幸が全く来ないとは限らないからね?」

「うむ、承知したでござる。では先によい任務がないかギルドを覗いてくるでござるよ」


 そう言うとシュッと音がしそうな速さで馬車から降り、人並みを縫うように抜けていった。

 ……問題というのはララーナが【不幸体質】をここまで軽減出来るとは思っておらず、感激のあまりに「この隷属紋は運命だったのでござる!やはりマキジ殿は終生の我が主だったのでござるよ!」と言い出したことだ。


「ララーナさん生き生きしてますね」

「うーん、生き生きしてるのは良いんだけどこのままだとホントにずっと付いてきそうだよね」

「? ダメなんですか?」

「いや、ダメって事はないんだけども」


 なんていうか、このままだと色んな意味で責任を取る羽目になるんじゃないかっていう恐れがですね?

 それが嫌って訳じゃないんだけどね?


「マキジくんも女泣かせね~、お姉さんちょっと幻滅かな~?」

「私は別に気にしないですけど」

「あの、本人そっちのけで女の敵見たいに言わないでもらえます?」


 勝手に女の敵呼ばわりされてしまうのは流石にどうかと思う。


「でもちょっと嬉しいですよね? ララーナさんにああ言ってもらえて」

「……いやまぁ、それはその、はい……」


 そりゃ美人のダークエルフに一生付いていきます! なんて言われて嬉しくない男なんていないだろう。

 ……まぁ何処かには居るかもしれないけどさ。


「ダメよ~マキジくん~。そう言うのは本人に言ってあげなきゃ~」

「えっ、あっ、はい」

「ヴァージニアさんのことも帰る前に考えておいて下さいね?」

「えぇっ!? 何で今それを言うかな!?」


 駄目だ、このままではズルズルと話題がそっちの方に!


「と、取り敢えず! ララーナが依頼を探しに行ってくれた訳だし! 早いところ馬車を預けて追いかけましょうそうしましょう!」

「(露骨に話題を逸らしましたね)」

「(強引に話題を変えていったわね~)」


 なんだか視線を感じるけどここで挫けてはいけない!

 何れは直面する問題だとしても!今じゃ、今じゃない!


「さぁ! 急ぎましょう!」

「も~、しょうがない子ね~」


 俺が頑なに話を逸らそうとするのを見て、マリアさんが不承不承と言った感じで馬車の速度をあげる。


 ……今はまだ、この世界でも生きていくことを決めたに過ぎない。住む場所も、どういうことをして暮らしていくのかも、不透明なままだ。安易な答えはしたくない。

 その為にも、俺はレムリアリアでこの世界について多くの事を学ばなくちゃな。


 ※※※※※※※※※


 その後、【モデラータ】でもかなり大きめの宿に馬車を預け、部屋を取った俺達は、先にギルドに向かったララーナと合流するべくこの街の冒険者ギルドへ向かっていた。


【モデラータ】は流石首都に近いだけあって活気付いてはいるが、【アーダジオ】の何処か粗雑な活気と違い、街として洗練されたというか、そう言った雰囲気を感じる。

 大通りを歩いていても大きな声の呼び込みは少なく、必要最低限の声かけをしていて、活気はあるが静か、という表現が合っているかもしれない。


 街の雰囲気を感じながら大通りを歩くこと十数分、俺達は何事も無く【モデラータ】冒険者ギルドへとたどり着いた。


「さて~、それじゃ~私はここのギルド長に挨拶してくるけど~、マキジくんとマールさんはどうする~?」

「私はララーナさんの受ける任務を手伝います。マキジくんは?」

「俺も特に今することは無いしな。ララーナを手伝うよ」

「わかったわ~、じゃあ私はギルド長に挨拶したら宿に戻ってるから~三人とも気を付けてね~」


 そう言うとマリアさんはギルドの裏手へとまわっていく。

 恐らく職員用の入り口から入るんだろう。


「それじゃ俺達もララーナと合流しようか」

「そうですね。ララーナさん採集任務とか良いの見つけてないかなぁ」


 そんな事をいいながらギルドの入口を潜る。

 するとそこには……


「いい加減にするでござる! 拙者は既に主殿に忠誠を誓いし身、何度言われようと貴殿のパーティーには入らぬでござる!」

「いいや! 君のように美しい女性は僕のような優秀な冒険者の隣にこそ相応しい! その隷属紋のせいで本心が言えないんだろう? 僕達が一緒に解呪を手伝ってあげるから黙ってついてきたまえ!」


 物凄いありがちなトラブルに巻き込まれているララーナが居た。

 成る程、不幸は阻害できてるけど、影響が残っているLUKが低くなる効果のせいで、厄介事の遭遇までは阻害できてないなこれ。


 しかしまた厄介そうなのに絡まれてるなぁ。出来ればああいうのには関わりたくないんだよ。


 ああいう手合は人の話を何にも聞かないからな!


「ちょっと! 貴方なんなんですか! うちのパーティーメンバーに対して!」


 おっと、どうしようか考えてたらマールが先に出ていってしまった。

 これは不味い!


「おお! これはまた美しいお嬢さん。僕はこの奴隷に堕された麗しい方をお救いしようとしていただけです。もしや貴女もそのような目に?」


 やっぱりそうなるよね!


「いきなり失礼な方ですね! マキジくんはそんな事をする人じゃありません! 他人のために凄く頑張れる人なんです! ね、ララーナさん」

「そうでごさるよ! 主殿は拙者のために自らの秘密を打ち明けて下さった素晴らしい殿方でござる!」


 あの、ごめん、止めて二人とも……滅茶苦茶恥ずかしいから!

 あとララーナ、ちょっとチョロすぎないか君!

 幾ら今まで不幸に苦労してきたからって、ちょっと治してくれた男に対して甘過ぎるよ?!

 なんて思っていると……


「主殿もなんとか言うでござるよ!」


 ララーナが俺に話を振った。振ってしまった。


「!! 君がこの二人を奴隷にしている男か! 今すぐ彼女達二人を解放したまえ!」


 あ~……もうどうしようこれ……

続きが気になるぞい!な貴方も、なんじゃつまらんのぅ、な貴方も下の☆から評価して頂けますと作者が泣いて喜びます。

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