第46録 不幸改善策
前回のあらすじ
・またね、アンジェさん
・出発!
今回はララーナの不幸体質を何とかします
アーダジオを出発してからはや三日。
途中小さな町に立ち寄り一泊し、残りは野宿だ。
初めての野宿という事で、交代での夜番とか緊張するな……とか考えていたんだが、ララーナの「そう言うのは拙者の仕事でござるので」という一言で無しになった。
流石は忍者……頼りになるな。最初ちょっと不安だったと言うのは秘密にしておこう。
ただ、やっぱりと言うかなんというか、この三日間なにもなかったのかと言われるとそんな事はなかった。
「う~ん……随分と魔物に襲われるわねぇ~……」
「そんなにですか?」
「ここは街と街を繋ぐ大きな道だから~周辺はよくギルドで依頼を出して魔物を討伐してもらうのよ~だからそこまで遭遇率は高くないはずなのだけれど~……」
マリアさんによると、街と街の間で一回遭遇するだけでも不運らしい。
因みに俺達は既に四回程遭遇しているので、かなりのレアケースと言えるだろう。
尚、これの原因と思われる人物はと言うと。
「うぅ……拙者が、拙者が居るせいで御迷惑を……申し訳ござらぬ……」
馬車の隅っこで泣きべそをかいていた。
「うーん、思ってたよりヤバイなこの【不幸体質】」
「そうですね。まさかこんなにも魔物に遭遇するなんて思いませんでしたし」
「このままだとこの先何が起こるか分からないし、何とかしたいところだな」
とは言え俺に出来るのは【阻害】スキルを使うことくらいだ。
こいつでうまく【不幸体質】を相殺、少なくとも軽減出来れば良いんだが……
「マキジくん、何とかなりませんか?」
「まぁ時間もあるし、色々試してみようか。ララーナ!こっちへ来てくれ!」
ララーナの今後のためにも俺達と居る間に【不幸体質】は何とかしてあげたい。
幸い次の街までは時間があるし、頑張ってみるか!
※※※※※※※※※
先ずはララーナに俺の【阻害】スキルについて詳しく話すところから始める必要があるが、これはあまり他人に内容を話してほしくない。なのでその辺りから話す。
「ララーナ、落ち着いて聞いて欲しいんだけど、もしかしたら俺のスキルで君の【不幸体質】を軽減出来るかも知れない」
「!! そ、それは誠でござるか!?」
「まぁやってみないとどうなるか分からないんだけど、それをする前に君に君に話さなきゃならないことがある」
「なんでござろうか?」
俺の雰囲気を察して姿勢を正すララーナ。
「俺のスキルはかなり特殊なスキルで、使い方によっては沢山の人の人生を変えかねないものなんだよ。だから【不幸体質】がもし改善されても、他の人に俺のスキルのことは他言しないで欲しい。それを守ってもらえるなら今から君の【不幸体質】の改善を色々と試したい」
取り敢えず伝えたいことは伝えた。
あとはララーナがどうするかだ。
「……拙者、この【不幸体質】のせいで随分と酷い目にあってきたでござる。だからスキルで苦労することの大変さはよくわかっているつもりでござるよ。だから誓って、マキジ殿のスキルについては他言しないでござる」
そう言ってララーナは、今までで見た中でも一番真面目な表情でそう答えてくれた。
これなら大丈夫だろう。
「わかった。そこまで言ってくれるなら信じるよ」
俺はそう言うと、【阻害】スキルについてララーナに説明する。
全て話し終わったあと、ララーナは何とも言えない表情をしていた。
「何とも面妖なスキルでござるな……拙者としては羨ましいスキルでござるが、確かに一個人が持つにして強力過ぎる気がするでござる」
【認識阻害】なんかは確かに忍者にとって喉から手が出るほど欲しいだろうな。
「まぁそう思うよね……兎に角、理解して貰えたならこれからちょっと【阻害】スキルをかけていくよ。いいかな?」
「承知したでござる……もしこのスキルに悩まされなくなるのであれば、拙者マキジ殿に一生付いていく所存にござる」
いや、それは流石にどうかと思うんだけど……確かにララーナは美人だし、側に居てくれるっていうのは男として嬉しいけども。
「一生って……別にそこまでしなくても。これは奴隷にしてしまった俺のお詫びだと思ってくれていいからさ」
「マキジ殿……かたじけないでござるよ」
さて、本人にも納得していただいたところでやっていこうか。
先ずはもう一度ララーナの【不幸体質】を見てみよう。
【不幸体質】
所持者のLUKを大幅に下げる。
また、所持者が不幸に遭遇しやすくなる。
俺の【阻害】スキルはかけたタイミングから後に発生するものに対して発動する。
なのでもし【不幸体質阻害】をララーナに使ったとしても既にスキルがその身に宿っているので意味がない。
だから考えるべきは「所持者が不幸に遭遇しやすくなる」という部分だろう。
不幸に遭遇するのは別にスキルのある無しに関わらず「これから起こること」だ。予め決まっている事ではない。
なので「不幸を阻害」出来れば言い訳だ。
あとはいつも通りのやり方で良いだろう。
「それじゃ、行くよ。【不幸阻害】!」
ララーナに、対して【阻害】スキルを発動する。
「……?これで終わりでござるか?」
「うんまぁ、そういう反応になるよね。特に何にも起こらないから」
「確かに私も最初は半信半疑なところがありましたよ」
「私もそうね~【鑑定】がなかったら信じてなかったかも~」
皆して酷い言いようだなぁ。
「じゃあどうなったか確認するよ。【分析】」
【分析】を使用してララーナに付与された【阻害】を確認する。
【不幸阻害】
付与された者に対する不幸を阻害する。
幸運になるわけではないため注意が必要。
「よし、多分うまくいったと思う。様子を見てみないと何とも言えないけどね」
「ほ、本当にこれで大丈夫なのでござるか……?」
そう言われても直ぐに確かめる方法は無いんだよね……
「まぁ~これから魔物に遭遇するかどうかで確かめればいいんじゃないかしら~?」
「……そうでござるな。今まで不幸にあってきた身、自分が一番わかるでござる。少し様子を見るでござるよ」
「うん、現状確かめる方法はそれしかないかな」
「治ってるといいですね! ララーナさん!」
こうしてララーナの不幸を【阻害】しつつ、俺達はレムリアリアへと旅をつづけるのであった。
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