第45録 アーダジオ出発
前回のあらすじ
・晩飯会
・明日の予定は?
今回はアーダジオからの出発!
夕食のあと、俺達は各自の部屋に戻って明日の用意をし、就寝することに。
部屋に戻るとき流石に今日の宿代から出してもらうのは悪いと思ったのか、ララーナが「拙者、今日は別に野宿でも」とか言いだしたので、マールによって部屋へ強制連行されていった。
マールより身長が高く、パッと見クールなダークエルフが困り顔で引き摺られて行ったのは中々にシュールな光景だったな。
尚、マールとララーナが部屋に向かった後、マリアさんと一緒に今日のララーナの宿泊費をギルド持ちにするかどうか話していると、皿を片付けていたアンジェさんが戻ってきて
「今回はあの子の分のお代はいいよ。その代わり、ちゃんと面倒見てあげるんだよ?」
と言ってくれた。
ロイドさん達やマリアさんといい、こちらの世界へ来て本当に良縁に恵まれている。こういう縁は大事にしていきたいものだ。
マリアさんはアンジェさんの部屋で話ながら呑むということなので、二人と別れ部屋へと戻った俺はゆっくりと睡眠を取り、明日の出発に備えることに。
そして次の日……
※※※※※※※※※※
朝、馬車を宿の厩舎担当の人に頼んで【銀の跳ね馬亭】前に出してもらう。
荷物類は相変わらず俺の【ストレージ】に仕舞い込んであるため、中は空っぽだ。
厩舎担当の人は荷物がないことに首をかしげていたが、特に何も聞いたりはしてこない。良くできたスタッフさんだな。
「それじゃ~アンジェ~、また来るわね~?」
「お世話になりましたアンジェさん」
「ご飯、とっても美味しかったです!」
「拙者も久々の寝床でよく眠れたでござるよ。感謝するでござる」
「うん! 何時でも来てよね! 当然マキジくんやマールちゃん、それにララーナもね? お姉さんとの約束だ!」
馬車に乗る前にアンジェさんと別れの挨拶をする。
最後まで元気な人だ。必ずまた会いに来よう。
「それじゃ~出発するわよ~」
そういうと馬に鞭を入れ、馬車を動かし始めるマリアさん。
俺達も荷台へと上がると、アンジェさんに手を振る。
「アンジェさん! それではまたー!」
「今度来るときは、私も美味しいものを紹介しますねー!」
「去らばでござるー!」
さっき挨拶は済ませたが、やっぱりこう言うのは見えなくなるまで、な。
「また来てねー!」
アンジェさんも手を振り返してくれる。
お互いに姿が見えなくなるくらいまで手を振っていたが、やがてどちらからともなく手を下げると、アンジェさんは【銀の跳ね馬亭】へ、俺達は荷台に座りアーダジオの町並みを眺めながら大通りを進む。
「そう言えば、あんまり気にしてなかったけど、入るときいなかったララーナがいても問題ないんですか?」
珍しいダークエルフと言うこともあって、ララーナは凄く目立つ。
問題があるようなら【認識阻害】で周りから見えないようにするのもひとつなのだが……
「大丈夫よ~。入るときは厳しいけど~、出るときはそこまで言われないのよ~。まぁ、街でトラブルがあったりすると犯人を逃がさないために出場が規制されたりするけど~」
「えっ、それ俺達大丈夫なんですか?」
闇ギルドの拠点を潰しているわけだが、それはトラブルにあたるのでは……?
「うふふ~そこも問題ないわよ~? だって私~こう見えてもギルド職員だもの~」
「? ギルド職員だとそういった状況下でも街から出られるんですか?」
「そうよ~? ギルドは国から認可を受けてる組織だもの~、職員は素性の確かな人しかいないから~、有事の際も移動が制限されないの~」
あの、貴女の素性のが一番ある意味怖いんですが……
まぁ、これは触れちゃいけない部分だろうな、うん。
下手に突っ込まないでおこう。
「何か言いたそうね~?」
「イエナニモ」
「そうかしら~?」
鋭いなぁもう。
そんなやり取りをしているうちに、街の北門が見えてきた。
門の周りでは人が多く居ることから、やはり昨日の闇ギルドの一件で、街からの出場が規制されているんだろう。
多くの人が路側帯(でいいのか? )に避けているなか、門へと進む俺達の馬車は当然周りから注目の的だ。
ララーナは見つからないように外から見えない位置にいる。この辺りは流石忍者ってとこだな。
「そこの馬車! そこで止まれ! 現在この門から外への出立は制限されている! 詰め所で所定の手続きを行った者のみ外へ出られる故、あちらの列に並んでいただきたい!」
迷い無く門へと進んできた俺達の馬車を門番が止める。
まぁ当然の対処だな。
「すいません~私はギルド職員のアンナマリアと申しまして~。こちらが身分証になります~」
街に来たときと同様に、門番へと身分証を提示するマリアさん。
「む、それでは拝見致します……これは確かに本物ですね。どういった用件で?」
「アレグレッテからレムリアリアまで定期報告の任務です~。荷台の人は護衛の冒険者でして~こちらが任務の概要書類です~」
「拝見します……成る程、了解しました。ギルド職員の方が同行する任務とあればお引き留めする理由はありません。どうぞお通り下さい」
そう言って門番は身分証と書類をマリアさんに返すと、門を開けてくれた。
本当にすんなりと通して貰えたな。
「さぁ~それじゃあ改めて~レムリアリアを目指しましょうか~!」
「了解!」「はい!」「承知!」
マリアさんの声にそれぞれ答えを返すと、マリアさんが鞭を振るって馬車の速度をあげる。
こうして俺達は辺境の玄関口【アーダジオ】を後にした。
レムリアリアまで、まだそれなりの日程が残っているが、出来ればこの先何事も無く旅が進んで欲しいものだ。
……ララーナがいるからちょっと難しい気もするけど。
そんな事を考えている間にも馬車は真っ直ぐに、次の街へと進んで行く。
まだまだレムリアリアまでへの旅は始まったばかりだ……
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