第41録 謎のダークエルフ
前回のあらすじ
・ダイナミックござる
・呆気ない終わり
今回はござるの人とお話
「んむー! むー!」
目の前でマリアさんの土魔法で拘束され、呻きながら暴れる人物。
俺達が闇ギルドを攻撃しようとしたときに窓を突き破って登場し、敵の構成員が慌て出したので急遽マリアさんによって縛り上げられたわけだが……
銀髪ショートがよく映える、チョコレート色の肌、そして端正な顔立ち。体つきもスレンダーから程遠い、肉付きの良い肢体……
何より、その顔の横に付いている耳が彼女が何者か示していた。
もし、本当にそうなのだとしたら、何て言うかその、異世界に来て良かったぁぁぁ! って叫びそうだ。
「あら~、この子よく見たらダークエルフなのね~?」
「やっぱりダークエルフだったぁぁぁぁ!」
「ど、どうしたんですかマキジくん!?」
……おっと、いけない。ちょっと本物のダークエルフを前に抑えが聞かなかったな。
「こほん……いや、何でもないよ。初めて見る種族だからちょっと興奮してしまっただけだよ」
「そ、そうなんですか? でもガデツさんのときはそこまででしたよね……?」
……よし! 話を逸らそう!
「……取り敢えず【認識阻害】を解除しますよ。このままだとこっちの姿が見えないですし」
「マキジくん!?」
「そうね~、取り敢えず話は聞かないといけないから~」
マールには悪いが、何はともあれ【認識阻害】を解除しないと始まらないので、この場にいる全員の【認識阻害】を解除する。
すると……
「!?? んー!! んー!!」
多分急に俺達が現れたように見えたからだろう。綺麗な金色の目を見開いて驚いたあと、物凄い睨みながら何か言おうとしているな……特に俺の方を睨んで来るんだけど……なにもしてないよ?
「……私達のこと、凄い睨んでますよ……?」
「まぁ~もう闇ギルドは制圧してあるから~騒いでも問題ないわよ~。お口の猿轡も外すわね~?」
そう言って口の猿轡を外すマリアさん。
当然そうすると、んー! んー! 言ってる人が喋り出す訳で……
「プハァ! ……貴様ら! 一体何者でござるか! いきなり目の前に現れるとは面妖な! どうせこの地面も! この拘束も! 貴様らの仕業であろう!? 何が目的でござる!?」
……凄い勢いで話し始めたな……まぁ当然だと思うが……
何より見た目と言葉のギャップが凄いんだけど! こっちに来てから翻訳は異世界言語に任せっきりな訳だが、方言かなんかをござる口調にしてるんだろうか?
あのジジ神のくれたスキルはどれも曲者揃いっぽいからな……油断できない……
「まぁまぁ落ち着いて……俺達はここにある闇ギルドを制圧しに来ただけで君に何かする気は無いよ」
「じゃあなんでいきなり縛るでござるか! せめて説明位あっても良かったでござろうが!」
「いや……まぁそれはそうなんだけど……」
君のせいで作戦がパーになりそうだったから、何て言いづらいし……
「貴女の行動で~私達の作戦がダメになるところだったのよ~? 敵かどうかもわからない上に~ある意味敵対行為なんだから~問答無用で拘束するわよ~」
とか考えてたのにマリアさんが全部言ってしまった……
「ぐっ……! ……仕方ないでごさるよ! 拙者がそんな事知ってる訳無いでござろう?! 不可抗力でござる! それに……」
それに?
「……拙者、あやつらに騙されて奴隷にされかけてたでござる……緊急事態だったのでござる!」
あー……被害者だったのか……
「あら~、そうだったの……されかけてた、って言ったわよね~? もしかして~もう隷属紋は~……?」
「……実はそれはもう……」
「あらあら~……」
隷属紋……? ってなんだろう……
【分析】を使っても良いんだけど……ちょっと聞くか
「マール、隷属紋って何?」
「……隷属紋って言うのは、主に奴隷に使われる【紋章術】の一種です。体に紋章を刺青で打ち込むことで滅多なことでは消せないようにするのが一般的で、術者の設定した主人の言うことに反抗出来なくなるんです。もちろん主人を攻撃したり、紋章を消そうとするような行動も出来なくなりますね」
……凄い詳しい説明が帰ってきました。
「あ、ありがとうマール……で、彼女はもうそれを打たれてる、と?」
「本人の言葉を信じるならそうですね……でもそれなら何で逃げ出せたんでしょう?」
確かに、それは謎だな。
もし隷属紋が既に打ち込まれているなら、彼女は既に何者かの奴隷ということになる。
当然逃げ出すと言った行動は取れないように思うのだが……
「隷属紋が打たれたなら~貴女はどうして逃げ出せたの~?」
どうやらマリアさんが俺達の疑問を聞いてくれたようだ。
「……拙者に紋章を打ち込んだ術者は、性格の品曲がった奴でござった。奴は拙者に対して次にスキルを使用した異性を主人とするように術を使ったでござる……」
「じゃあ~、貴女は打たれて直ぐに逃げ出したから~?」
「うむ……拙者を買おうとしていた奴もゲスで、拙者を痛め付けて屈服させたような演出が欲しかったようでござる……なので大人しく紋章術を受けたあと、隙を突いて逃げ出したのでござる……なのに!」
キッ! っと音がしそうな勢いで俺を睨む彼女。
……そう言えば……さっき不穏な事を言っていたような……
「なのに! 貴様! 拙者に何かスキルを使ったでござるな!? 隷属紋が励起状態になっているでござる! 見るでござるよ!」
そう言うとバッ! っと音がしそうな勢いで腹部を見せてくる。
……さっきから気になってたけど、どうしてピッチリしたレオタード着てるんだろうこの子……しかもお腹とか背中とか開いてるんだよなぁ……じゃなくて。
「……あっ! 【阻害】スキルを使ったから……!」
作戦中に何かあると不味いと思って彼女にも【認識阻害】をかけたのだが……どうやら使った方が不味いことになったようだ……
言われた通りにお腹を見ると、現代におけるエッチな創作界隈で用いられる、淫紋と呼ばれるような形状の紋章が淡く光っている……えっこれ淫紋じゃないよね? 隷属紋だよね?
「どうしてくれるでござるか! 拙者まだ嫁入り前のおぼこなのにっ! 責任取るでござるぅぅぅ!」
無事に闇ギルドを制圧した俺達であったが、どうやら別の問題に直面する羽目になったようだ……主に俺のせいで……
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