第38録 作戦会議①
前回のあらすじ
・領主さんはなにもしないで!
・美味しいお茶とお菓子
今回は対闇ギルド作戦会議その1
ダスティンさんの用意してくれたお茶を楽しんだ俺達は、ハーマン伯爵に願い出て館の1部屋を借り、この後の行動について話し合うことにした。
……因みにお茶はアールグレイのような香りのするもので、焼き菓子の方は甘く、非常に美味しかった。マールがあっという間に自分の分を平らげてしまい、悲しそうな顔をしていたのを見てダスティンさんが追加で焼き菓子をくれた程である。
当の本人は貰うときに恥ずかしさから顔を真っ赤にしていたが。
まぁそれはさておき現在の俺達三人はというと、この街の地図を覗き込んでいる。
「さて~、じゃあ先ずは闇ギルドの拠点を見つけちゃいましょう~」
「そうですね、攻めるにしても拠点が分からなければ話にならないです。見当は付いているんですか?」
マリアさんとマールが話を進めていく。
俺は所詮、日本で戦いなどとは無縁の生活をしてきたドの付く素人だ。
知識的な部分でちょいちょい口を挟むかする位になるだろうな……
「残念だけど~流石にわからないわ~。西区を適当にうろつけば~私のスキルでその辺りも分かるのだけど~今回は敵拠点を強襲したいから~」
「えぇっと……それじゃどうするんですか?」
「大丈夫よ~場所の見当は付かないけど~見つける方法になら心当たりがあるから~。ね~、マキジくん~?」
と思っていたら早くもお鉢が回ってきた。
「お、俺ですか?!」
「そうよ~、【阻害】の他にも~便利なスキルがあるの討伐任務のキャンプで教えてくれたでしょ~?」
……そう言えばあのトロールの一件で俺の【阻害】スキルの詳細と、【認識阻害】をかけてある【分析】スキルに関してもアンナマリアさんには話してたな。
「うーん……一応やってみますけど、上手くいかなくても恨みっこなしでお願いしますね」
「ダメだったらダメで考えるから~とにかくやってみて~」
……まぁ【分析】に関してはまだあんまりどんなことがどこまで出来るか調べてないからな……ちょっと復習しながらやってみるか。
※※※※※※※※※※※
よし、じゃあ先ずは【分析】についておさらいしよう。【分析】自体に【分析】を使用し、詳細を表示する。
……相変わらずのステータスみたいな表示画面だ。
【分析】
ユニークスキル。
使用者の認識範囲内にある対象に対して解析を行い、必要な情報が分析され、使用者にフィードバックされる。
尚、この情報元は【#$883!”】に保存されている最高位の情報が使用されている。
下の文字化けはもう無視するとして、今考えなければならないのは「使用者の認識範囲内にある対象に対して解析を行い、必要な情報が分析され、使用者にフィードバックされる」という部分だろう。
ぶっちゃけた話、あんまり意識せず使ってきたが、この表現であれば「俺が認識出来ている、知識として把握している対象であれば解析可能」であると考えられる。
であれば、だ。
闇ギルドがこの街にあると俺が「知っていて」、街全体図が「認識出来ている」今の状況であれば、「アーダジオにある闇ギルドの拠点」を解析出来るのではないか。
まずは試してみよう。確か西区は歓楽街と言うことだから、その手のお店が多いはず。なので、「アーダジオにある娼館の位置」を【分析】する。すると……
「うおっ!?」
「ど、どうしたんですかマキジくん? 何かスキルの反動とかが……?」
「い、いや大丈夫だよ」
……ビックリした。俺が見ている地図上へ急に沢山の光点が現れたもんだから声が出ちゃったよ……
分析結果:
「アーダジオに存在する娼館の数」:58件
「アーダジオに存在する娼館」の位置情報を、視覚情報として出力します。
又、最もレベルの高い娼婦のいる娼館は……
……おっと、調べるときに雑念が入ったかな?
確かに俺が欲しい情報をピックアップしてくれているようだ。
……別に、興味があるだけで行かないけどね?
さて、テストも終わったところで本命に行くか。
「アーダジオにある闇ギルドの拠点」を【分析】!
分析結果:
「アーダジオに存在する闇ギルドの拠点数」:5件
「アーダジオに存在する闇ギルドの拠点」の位置情報を、視覚情報として出力します。
又、最も重要な拠点を赤で表示しています。
「……よし! 上手くいきましたよマリアさん、マール!」
「やったわね~!」「やりましたね!」
どうやら二人の期待に答えられたようだ。これで一つ問題が解決したな……
※※※※※※※※※※
「……で、ここが闇ギルドの一番重要な拠点みたいです。他はダミーで戦闘要員と多少の活動資金があるだけ、と言った所ですかね」
俺は視界に映る光点を地図に書き込み、その拠点の現在の防衛人数やトラップの有り無し等を横に箇条書きしていく。
「う~ん……場所がわかればいいとは思っていたけど~……まさかここまで分かるなんてね~」
「はい……ちょっと自分でも驚いてます」
もうちょっと前にちゃんと扱い方を考えていればゴブリンの集落の位置を【分析】で発見出来たかもしれない。
トロールのことも分かっていれば、被害が大きくならずに済んだかもな……いや、これはもう終わった話だ。タラレバなんて言うべきじゃないな。
「……でもこれ、ちょっと怖いですね。戦争とかだと施設の防衛人数が分かるなんて悪夢ですよ」
俺がそんな事を考えていると、マールがそんな事を言い出す。
するとマリアさんも
「確かにこれは守る側からすれば脅威ね~……マキジくん、このスキルはやっぱりあまり他人に教えない方がいいわ~もし偉い人に知られたら~無理矢理戦争に連れていかれたりするかもしれないから~」
そんな事を言い出した。
……まぁ確かにそうだよな。スキルの有用性がバレて奴隷なんかにされかねない。今のところ太陽の剣、マリアさんしか【分析】スキルを知ってる人はいない。これからも注意しておこう……
「さて~その辺りはマキジくんに気を付けてもらうとして~、闇ギルドの拠点が分かったから~後は私が何とかして終わりね~」
次は拠点攻略をどうするか、と考えようとしていたのだが、急にそんな台詞がマリアさんから飛び出した。
しかし敵の拠点がわかったとは言え、相手は多勢な訳だが、マリアさんはどうするつもりなんだろうか?
作戦会議は続く……
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