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ダーツで始まる異世界転移冒険録〜【阻害】スキルが存外チートだった件~  作者: 奈良よしひろ
2章~自分の行き先はダーツでなんて決められない~
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第36録 アーダジオ領主ハーマン

前回のあらすじ

・待ち伏せには非対応でした

・領主の館へ向かおう

・壮年の執事は強い説


今回はアーダジオ領主のご登場

 

 俺達はダスティンさんの後ろに付いて、領主館の中を進む。

 流石はこの大きな街の統治者の住む家ということか。外から見ても大きいと感じたが、中に入って移動することでもその大きさを感じることが出来る。

 そして、貴族の館と言うこともあってその内装が気になっていたのだが、決して豪華と言うわけではなく、質実剛健と言った印象を受けた。

 調度品は過度に目立つものでなく、かと言って品がないわけでもない。質素ながらも何処か目を引く物が視線の片隅にソッと入る程度に配置されている。


 貴族と言えばつい、金に物を言わせた豪華絢爛なイメージを持っていたが、この内装からその人柄を見るのであれば、ギルドで聞いた真面目というマリアさんの評価が中々どうして、ピッタリと合うように思う。


 そんな事を考えながら数分、通路に時折置かれている調度品を見ながら歩いていると、一際大きい扉の前でダスティンさんが立ち止まった。


「こちらでハーマン様がお待ちで御座います……ハーマン様はよく衛兵とも訓練を共にされる武人気質の方ですので、余程失礼なことが無ければ気分を害されることはありますまい。そう緊張されることはありませんよ。」

「は、はい!」


 ダスティンさんが俺の隣を見てそんな事をいう。

 気になって隣を伺うとマールがガチガチに固まっていた。


「……大丈夫だよマール。基本的に話し合いはマリアさんがやってくれるんだし。リラックスリラックス」


 流石に見かねて声をかける。

 魔物との戦いなんかじゃ全然物怖じしないのに、こう言うのはダメなんだな。ちょっと意外だ。


「……すぅ……ふぅ……よし! もう大丈夫です!」

「……ホントかなぁ……」


 まぁさっきも言ったけどメインのやり取りはマリアさんがするんだし、そう心配しても仕方ない。

 俺はマリアさんに顔を向けると、大丈夫だという気持ちを込めて頷く。


「うふふ~、二人とも大丈夫みたいだし~開けていいわよ~」

「ははは、そのようですな……オホン! では、改めまして……どうぞ、お入り下さい」


 そう言うとダスティンさんはドアノブに手をかけ捻り、内側へと押し開いた。

 開かれた扉を潜るマリアさんに続いて俺とマールも部屋へと入る。

 そこは応接室の様で、長机が一つと丁度同じ長さのソファーが二つ、対面するように並べられている。

 そして、扉の正面のソファーにその人物は座ってた。

 そしておもむろに立ち上がると


「お久し振りですな、アンナマリア殿。再びお逢いできてこのハーマン、嬉しく思いますぞ」


 そう言ってマリアさんに握手を求めた。

 ……伯爵に握手を求められるとかますますマリアさんの謎が深まって行く……

 因みに対するマリアさんはというと


「ハーマン伯爵様~、私は一ギルド職員ですわ~。その様に振る舞うのはお止めください~」


 言葉尻は丁寧だけど概ね普段通りだった……


「むぅ、本人にそう言われてしまうと強くは出られんな。して、後ろの二人は? 随分と若いが」

「この二人は~私の護衛をしてくれている冒険者よ~私のお気に入りなの~」


 ハーマン伯爵とマリアさんがこちらへと話を向けてきた。

 先ずは挨拶から、だな。

 取り敢えず緊張気味のマールからしてしまった方がいいだろう。

 一旦言葉を交わしてしまえば幾らか緊張も解れるものだ。


「は、初めましてハーマン様。私はマール・ロゼットと申します。以後お見知りおきを」

「うむ、若き冒険者よ。我輩はハーマン・アーダジオ伯爵である。そう緊張せずともよいぞ」

「は、はい!」


 よし、次は俺だな。

 ……貴族式の挨拶とか分からんのだが、取り敢えずそれっぽく言っておけば何とかなるだろう。


「お初目にかかります、アーダジオ伯爵様。私は冒険者を生業としております、マキジ・ヨコシマと申します。若輩の身ではありますが、これから精進していく所存です。どうぞお見知りおきを」


 ……こんな感じでいいか……?

 そう思ったのだが……何やら皆が固まっているような……


「……アンナマリア殿、こちらのマキジ殿は本当に冒険者なのかね?」

「……えぇ~、彼の身分はギルドが保証してますので~……」

「……」


 えっ、なにこの空気。何か不味い事でも言ったのだろうか……?

 ていうかマールは目をまんまるにして驚いている……ちょっと可愛いと思ってしまった。


「おお、済まぬな。我輩がハーマン・アーダジオ伯爵である……マキジ殿程の若さの冒険者でその様な礼儀でもって貴族と接する者は稀でな。些か驚いた。実は何処かの貴族の庶子ではないのかね?」


 庶子……? えぇっと……どういう意味だったか?

 聞きなれない単語にどう答えるか思案していると、マールが口を開いた。


「伯爵様、マキジは記憶を失っていて、出自などが一切分からないのです……」


 出自……あ、庶子ってあれか。貴族がメイドさんとかとの間に作ったりした子供のことか。

 ……なにと勘違いされてるんだ俺は。記憶喪失のフリをしてて助かった……


「……マールの言うとおり今の私にはここ数週間の記憶しかないのです……お答えできずに申し訳ありません」


 こういう時は取り敢えず謝っておく。

 日本で生きてきた俺の処世術だ。


「いや、そう言った事情があるのなら仕方あるまい。気になるところではあるがな? はっはっは!」


 話せば話すほど親しみやすい人だなこの伯爵。


「さて、自己紹介も終わったところで本題に入ろう。アンナマリア殿がなんの理由もなくここを訪ねる筈がない。一体このハーマンに何用であろうか?」


 そう言うとさっきまでの温和な雰囲気を消し、精悍な表情を引き締めるハーマン伯爵。

 さて、マリアさんはどういう内容の話をハーマン伯爵にするのだろうか……? 俺達にも特に話してくれていないので、全く予想が付かない。

 俺達とハーマン伯爵の、闇ギルドに対する話し合いが今行われる……


続きが気になるぞい!な貴方も、なんじゃつまらんのぅ、な貴方も下の☆から評価して頂けますと作者が泣いて喜びます。

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