第35録 アーダジオ領主館へ
前回のあらすじ
・鬼ごっこに絶対負けないスキル発動!
・悪の組織、闇ギルド
今回は闇ギルドをどうするか考えます
冒険者ギルドで昼食を取り終えた俺達は、【銀の跳ね馬亭】へと足を向け、南区の大通りを歩いていた。
「……どうですか? マリアさん」
マリアさんに周辺に敵が居ないか聞く。
……一体どんなスキルかはわからないが、マリアさんを中心として結構な範囲を索敵しているように見えるな。
俺のスキルも大概だが、マリアさんも大概だ。
「ん~……どうやら周辺に敵対する人は居ないわね~」
「そうですか……なら今のうちに宿に戻りましょう」
「そうね~……でももしかしたら宿に戻るのは悪手かもしれないわね~」
ん……? 今追跡を受けていないなら、早いところ宿に戻った方が良いんじゃ……
「だってマキジくんの【追跡阻害】って~、待ち伏せまでは阻害できないでしょ~?」
「あ……そうか」
マリアさんに言われて気付く。
【追跡阻害】は俺達に対しての追跡を阻害するだけだ。
闇ギルドがどれだけの組織力を持ってるかは知らないが、宿泊施設を知られていた場合、当然待ち伏せされる。
この場合、俺達を追跡するわけではない為、当然だが【追跡阻害】は効果を発揮しない。
うーん、どうしたもんか……一応荷物は【ストレージ】に仕舞ってあるから、このまま街を出られないこともないが……
「困りましたね。私達の荷物は良いとして、馬車を置いていくのは……それに待ち伏せされてるかもしれないとなると、アンジェさんが心配です」
そう、ギルドから借りている馬車をそのままにしておくことは流石に出来ない。それにアンジェさんも気掛かりだ。
「あら~? アンジェなら大丈夫よ~あれでもとっても強いから~。でも私達が戻って戦闘に巻き込むのはあの子のお店に悪いわね~」
……マリアさんがそういうならアンジェさんは相当強いんだろうな。まぁ昔マリアさんと冒険者してたなら当然か……
「じゃあ……どうするんですか?」
「今のところ俺達が宿に戻るのは不味いってことが確認できただけですが……」
今のところ八方塞がりなのだが……
俺達がそう言うと
「あら~? 意外と解決方法は簡単よ~。守るからダメなの~こっちから攻めましょう~?」
マリアさんの口からそんな言葉が飛び出したのであった。
※※※※※※※※※※
マリアさんのこっちから攻める発言から少し、俺達は街の中心に向かって歩いていた。
【銀の跳ね馬亭】は側道を使って素通りし、そのまま領主館へと進む。
街で戦闘行為を行うとなれば、周辺への被害が出る可能性がある。となれば当然、公的な場所への届け出なんかが必要になるわけだが、アーダジオであればそれは衛兵の詰所等に行けば良い。
わざわざ街のトップである領主へ直に声かけをする必要はないハズだが……
「……しかしマリアさん、領主の方に直接ってなると、アポイントが必要なんじゃないですか?」
「その辺りは大丈夫よ~。ここの領主さんはギルドと懇意だし~、私の知り合いだから~」
……マリアさんの交遊関係はどうなってるんだろうか……
「……マリアさんって私が冒険者になったときからギルドに居るんですよね……謎が多いです……」
「そうなんだ……でもまぁ頼りになるのは間違いないし、あんまり深く聞くのはね」
「そうですね……でもいつか冒険者時代の話とか聞いてみたいです」
「あ、それは俺も思った」
「さぁ~、着いたわ~。ここがアーダジオ領主ハーマン・アーダジオ伯爵の屋敷よ~」
そんなことをマールと話しているうちに屋敷の入り口に着いた。
……デカいな……門……
「そこの者達! ここはアーダジオ領主ハーマン様の屋敷! 何用か!?」
立っていた門番が俺達を見て止めにかかる。
「私は~アレグレッテ冒険者ギルド職員のアンナマリアと申します~。申し訳ないのですけれど、執事長のダスティンさんにお取次ぎ願えませんかしら~」
そう言ってギルド職員証を門番に提示するマリアさん。
それをじっと確認した門番は一つ頷いた。
……初見のマリアさんをみて眉一つ動かさないとは……この門番できるな……!
「冒険者ギルドの方でしたか。わかりました。それではこちらで少々お待ちいただけますか」
「はぁい、宜しくお願いしますね~」
そう言うと門番の人は内側にいた別の衛兵に声をかけると用件を伝える。
それを聞いた衛兵は駆け足で屋敷の中へと入っていった。
そうして少し待っていると鉄格子の門が開き、中から初老の、背の高い燕尾服を来た紳士が現れた。
「お待たせいたしました、アンナマリア様……お久し振りで御座いますな」
「えぇ~、久し振りね~ダスティン~。問題がなければハーマン伯爵にお会いしたいのだけど~?」
「はい、既にご主人様にはアンナマリア様がいらっしゃった事をお伝えしておりますので、お会いになるのは問題ないかと……所でそちらのお二人は?」
そう言いつつ値踏みするような視線をこちらに向けるダスティンさん。鋭い眼光っていうのはこういう時に使うんだろうな……目力が凄い。あとなんか体から目に見えない力が出てる気がする……
「この二人は~ギルドの依頼で私の護衛をしてくれているのよ~。若いけど将来有望なの~」
「ほぅ……アンナマリア様がそう言われると言うことは、かなりの力を秘めているのでしょうな……失礼、不躾な視線を向けてしまいました。私めはダスティン・コードと申します。以後お見知りおきを」
「あ、俺……いえ、私はマキジ・ヨコシマと言います。こちらこそ宜しくお願いします」
「わ、私はマール・ロゼットです! 宜しくお願いします!」
マリアさんが紹介してくれたことでダスティンさんからの圧力が消える。あのままじゃ挨拶もままならない雰囲気だったよ……
「ふむ、粗暴な冒険者と違って礼儀についても問題なさそうですな。お二人もハーマン様にお会いして宜しいかと」
「ふふふ~そう言ってくれると有り難いわ~。案内お願いできるかしら~?」
「畏まりました。ではこちらへ」
そう言うと踵を返して屋敷に向かうダスティンさん。
俺達は彼の後ろについて、アーダジオ領主ハーマン様の屋敷へと足を踏み入れるのだった。
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