第34録 闇ギルド
前回のあらすじ
・怪しい杖のお店
・謎の追跡者あらわる!?
今回は追跡者についてマリアさんが語ります
とてつもなく不穏な事を言って走り出したマリアさんに続いて俺達も走る。
……ていうかマリアさん滅茶苦茶走るの速いな!?
「マリアさん! 一体どういうことなんですか?!」
「説明は後でするわ~! 今は冒険者ギルドへ向かいましょう~!」
……まぁ何かに狙われてるなら今は逃げるのが先決か!
「マールは!? 大丈夫か!?」
「うぅぅ……! さっきあんなに食べなければ良かったかもしれません……!」
そうだね! スッゴい食べてたもんね!
……って今はそれはいい! 兎に角なんとかした方がいいだろう……!
【感知阻害】……は既に見つかってるし、【認識阻害】も同じか……!
えーっと、えーっと!
くそっ! 普段からこういう時の為に色々考えておくべきなんだがな! これじゃ便利道具持ってるのにいざというとき出せない某国民的アニメの青タヌキと変わらんぞ!
……あー……よし! こいつなら行けるか!?
先ずは俺達の【防御阻害】を解除して……!
「マール! マリアさん! 今から新しい【阻害】スキルをかけますからね! ……【追跡阻害】!」
残念ながら俺には追跡者が認識出来てないので、対象にすることは出来ない。なので対象として選択出来るのは俺達三人だ。
【追跡阻害(自)】
付与者及びその支援者にのみ適用。
付与された生物は他者からの追跡行動を受けなくなる。
【阻害】をかけたらすぐ【分析】。どんな効果かわからない以上、確認しておく必要がある。今回も巧くいったんじゃないか……?
「……! 流石マキジくんね~! 追っ手の動きが止まったわ~! 今のうちに撒いてしまいましょう~!」
よし! マリアさんの探知系スキルでも巧くいったのが確認できたな! このまま撤収だ!
「了解です! 行こうマール!」
「はい! マキジくん!」
俺達は脇目も降らずに大通りへと走り抜け、そのまま冒険者ギルドへと駆け込んだのだった。
※※※※※※※※※※
ギルドホールに飛び込んで来た俺達を見て、始めは何事かといった目を向けられたが、俺達が息を整えて酒場の方へ行くと、そのまま何事も無かったかのように日常が動き出した。
俺達は手頃なテーブル席を確保すると、それぞれやって来たウェイトレスに飲み物を注文し、一息付く。
「……それで、一体どういうことなんですかマリアさん」
改めて、マリアさんへと質問する。
「話すと長くなるのだけど~、まず簡単にいうと私達を襲おうとしていたのは~この街にある【闇ギルド】の連中だと思うわ~」
「【闇ギルド】……ですか?」
【闇ギルド】、という聞きなれない言葉にマールが反応する。
……闇と言うからには、あんまり良い感じのしない組織というのはわかるな。
「そうよ~。アレグレッテが出来てから~このアーダジオでは沢山のお金が動くようになって~それに合わせるように非合法な商売や取引を専門に扱う組織が出来たの~。それが【闇ギルド】よ~」
「要は危ない薬品や禁止されてる品物を扱ってる……ってことですか?」
それだけなら現代のマフィアみたいな組織という事で納得がいくが。
「それだけならまだ良いのだけど~、彼らは人拐いやその拐った人を奴隷として売るような商売もしているのよ~」
「……人身売買……ですか……?」
……この国には奴隷制度があるらしい、だがそれは主に犯罪奴隷や借金奴隷だということだ。何らかの責を負ったものが、その労役という形で就く。
ある種の仕事のような形をとった制度と言えた。
だが、マリアさんが言っているのは完全な人身売買、なんの罪もない人を拐ってきて、奴隷に落としているのだという。
「……ということはさっきのも?」
「恐らくね~。マールさん可愛いもの~。さっき東区で買い食いしてたのが目を引いたのね~」
「えっ……じゃあ私のせいなんですかね……?」
……多分だがマールだけのせいじゃない。マリアさんも十分美人だ。
狙われる理由にはなる。それに……
「……多分二人を俺が連れてたからでしょう。随分と目立ってましたからね」
「まぁ~襲われたのは誰のせいというものじゃないわ~悪いのは【闇ギルド】の連中なのだし~」
マリアさんはそう言って、気落ちする俺達を励ましてくれる。
「それに、昨日の盗賊達がいたでしょ~? 彼らの中に構成員が居た可能性があるの~。もしかすると報復目的なのかもね~」
「厄介ですね……因みに摘発等はされないんですか?」
マールが尤もなことを言う。だがこう言うことには大概裏があるものだ。
「実はね~、まだ行ってない西区なんだけど~殆ど歓楽街なのよ~。で~、恐らくそこに【闇ギルド】の拠点もあると思うんだけど~歓楽街にはこの国の貴族も噛んでるらしくて~あまり大規模な摘発が出来ないのが現状なの~……」
まぁ、どこの世界や国でもこういうことはあるものだよな。
「……ここの領主さんがそう言うことをしてるってことですか?」
「違うわ~、アーダジオの領主は凄く真面目な方で~、西区の違法店を大規模摘発したい人なの~でも~自分より上の貴族からうまく圧力をかけられてるみたいでね~」
「……なんだか嫌な話ですね」
「……マールの言うとおりだな」
こういうことがある、と理解できるのと納得出来るかというのは別問題だ。
……かと言って俺がどうにか出来る話じゃないけど。
「……あんまり暗い話は止めましょうか~。マキジくんのお陰でなんとか追っ手は撒けたわけだし~。取り敢えず丁度良いし~ここでお昼にしましょうか~」
そう言えば、東区から北区へ移動して杖を見たり追われたりしてる間にもうお昼か……酒場にいるし確かに丁度いいな。
「そうですね……マールは?」
「はい! 私も走ってお腹が空いたので、賛成です!」
……東区で結構な量を買い食いしていたと思うんだけど……
まぁ、幸せそうに食べるマールの見るのは悪くないからいいか。
「それじゃあ~、飲み物が来たら食事も頼みましょう~。食べ終わったら取り敢えず【銀の跳ね馬亭】へ向かいながらどうするか考えましょ~」
「わかりました!」「はい!」
その後、飲み物を持ってきたウェイトレスさんに食事の注文をし、三人で昼食を取るのだった。
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