第32録 アーダジオ散策①
前回のあらすじ
・宿屋に到着
・マリアさんのウマ系友人あらわる
今回はアーダジオ散策回
アンジェさんの質問ラッシュから明けて翌日。
朝食を取り終えた俺とマール、マリアさんの三人でアーダジオの街へと繰り出していた。
……因みに昨日の部屋割りの際、妙な気を使ったアンジェさんにもう少しでマールと同室にされそうになるという事件があったが、マリアさんがマールと同室になることで事なきを得た。もし二人でこの宿に泊まるような事があったとしたら危なかったかも知れない……
あと朝食は普通に食パンとスープ、あとスクランブルエッグとサラダが出てきた……アレグレッテの屋台で食べたハズレは何だったのかと言いたい程、きっちり香辛料の使われた料理にありつけていて、案外食に関しては日本の知識でどうこうとか考えなくてもいいかもしれないな。
……まぁ、マヨネーズやケチャップは恋しいところだが。
「それじゃ~先ずは~、この街のギルドへ行きましょ~」
俺達の少し前を歩くマリアさんから声がかかる。
「そうですね、俺も別の街のギルドには興味がありますし」
「私も、アレグレッテよりも古いこの街のギルドには興味があります!」
「うふふ~、一職員としてはそう言って貰えると嬉しいわね~」
そう言いながら微笑むマリアさん。
そうして大通りを進むと、かなり大きな建物に着いた。
「はぁい、ここがアーダジオの冒険者ギルドよ~」
「「ほぇ~……」」
二人して間の抜けた声が出るが、それも仕方ないというものだ。
なにせアーダジオの冒険者ギルド、アレグレッテの2倍はあるのだ。
石造りの3階建てで、重みのあるしっかりとした佇まいが見る人に安心感を与えるな。横にも広く、訓練所のようなものもあるようだ。
「いや……凄い立派ですね……」
「はい……圧巻です……」
「驚いて貰えてなによりだわ~、さ~入りましょ~」
そう言ってギルドの入り口を潜るマリアさんに続いて中には入ると、アレグレッテと同じように酒場の併設された内部が俺達を迎えてくれた。
受付カウンターもかなり多いし、併設の酒場も本格的だ。
当然、人も多いがこれは……商人が多いかな?
「妙に商人が多いですね……? これは?」
「昔は討伐依頼が多かったのだけど~、今は流通の多さから護衛依頼が多いの~だから護衛依頼を出す商人の人がいるのよ~」
「成る程……街毎に特色が出るんですね」
「それでも討伐依頼もあるみたいですよ、ほら」
そう言ってマールさんの指差すほうを見ると、討伐や採集依頼の貼られた掲示板があり、少なくない冒険者が依頼を吟味していた。
「冒険者の本分は~やっぱりそういった任務だもの~そうそう無くならないわ~」
「そうですね。私もやっぱり採集依頼が無いとちょっと寂しいです」
冒険者に成り立ての俺にはちょっとわからない気持ちだけど……続けて行くうちにそう言う気持ちも出てくるんだろうか。
「さぁ~、昨日の報酬を貰いに来ただけだし~早いところ貰って街を散策しましょうね~」
「わかりました」「はい!」
機会があればこの街の依頼なんかも受けたいところだが、今日は三人で街を散策するのが目的だからな。
報酬を貰って街へ繰り出すとしよう。
※※※※※※※※※※
「マキジふん。ふぉれもおいひいれふよ!」
「あー……ほらもう食べながら喋らない」
「……むぐむぐむぐむぐ」
あ、食べる方に専念するのね……
ギルドで報酬を貰った俺達は外に出ると、マリアさんの案内で街の東側へやって来ていた。
マリアさんによると、このアーダジオは綺麗な円形をしており、東西南北で主な産業が変わるらしい。
今いる東側は主に商業が盛んなエリアだそうだ。
因みに大通りのある南区は主に冒険者に対する店が多く、ギルドそのものと宿泊施設のほか入浴施設や軽食屋など、冒険者生活に直結したお店などが多い。
で、東区はさっき言った通り、商業エリアだ。そんなエリアだからか結構な屋台が出ていた訳で……
「……んっ……だって仕方ないじゃないですか! こんなに美味しそうなものがあるのに!」
「いや、それは理由にならないんじゃないか……?」
「なります!」
「あっはい」
「あらあら~仲良しさんね~」
食べ物に目がないマールはここぞとばかりに買い食いをしていた。
……その体の何処に入ってるんだ……まだ朝食を食べてそんなに時間も経ってないのに……
取り敢えず口元に食べ滓が付いてるのでハンカチで拭っておく。
「ちょ、ちょっとふぁにふるんでふか!」
「口元にペタペタソース付けてたらみっともないでしょうが」
「うぅぅ……私の方がお姉さんなのにたまにマキジくんの方が大人に見えます……」
まぁ実際中身は大人だからね。言えないけど。
なんてことをしていたら……
「……もう~二人でイチャイチャしてると~私拗ねますよ~?」
「「イチャイチャしてませんよ!?」」
等とマリアさんに言われてしまった。
いや、その流れで口元拭ってあげたけど、これ確かに周りから見るとそう見えるのか……?
「罰として~、私もこれからマキジさんのことくん付けで呼ぼうかしら~」
「えぇっ!? ……いやまぁそれくらいならいいですけど」
「ホント~? じゃあ今日からマキジくんって呼ぶわね~」
そう言うとうふふ、と笑うマリアさん。
お茶目な所もあるんだな……と思っていると……
「なんだあいつ……美人二人も連れやがって……」
「俺なんて彼女居たことすらねぇのに……!」
「爆発しろクソガキめ……!」
……まぁ、気持ちはわかる。わかるがそんな怨嗟の篭った目で見ないで頂きたい。あと心の声を言葉にするんじゃない、普通に怖いから!
こう言うときは……
「……よし! マールももう十分食べただろうし、そろそろ次の区画を見に行きましょう!」
「えぇ!? もうちょっと食べたいんですけど!?」
「もう少ししたらお昼だし、あんまり食べるとそこで食べられないかも知れないよ?」
「うぅ……そう言われると……わかりました……」
「うふふ~それじゃあ今度は北区に行きましょうか~」
よし……! これでこの状況からは脱出出来るな!
こうして俺達は商業の発達した東区を後にして、工業が発達している北区へと足を向けた。
まだ西区もあることだし、ゆっくりとアーダジオ散策を続けるとしよう。
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