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ダーツで始まる異世界転移冒険録〜【阻害】スキルが存外チートだった件~  作者: 奈良よしひろ
1章~現実はダーツのように運任せとはいかない~
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第22録 帰還報告

前回のあらすじ

・トロール襲来

・チート炸裂


今回はキャンプへの帰還

 

「……完全に、死んでいるな」


 トロールの生死を確認していたロイドさんが声を発したのは少ししてからだった。

 周りの冒険者達からは「何が起こった?」「急にトロールが……」等といった呟きが聞こえてくる。

 まぁ、今の今まで暴威を振るっていた怪物が急に倒れたんだからその気持ちは分かる。なんせやった本人もそうだから。


 ……こんな劇的に効くとは思わなかったんだ……精々呼吸困難に陥るかと思ってたら完全に(・・・)呼吸が止まるとは……

 炉の時もそうだったが、これ阻害というより停止とか無効に近いんじゃないのか……

 まぁ深く考えるのはよそう。またジジ神が出るかもしれん。


「……おいロイド! ホントにそのトロール死んでんのか!?」

「あぁ、間違いない」


 どうやら、考えてる間に冒険者達が復活したようだ。

 ロイドさんにトロールの死を確認している。


「……でも何故急に死んだんだ? 直前にそこの黒髪の青年が下がるように言っていたようだが……彼がなにか?」


 優男風の冒険者がこちらに話を振ってきた。

 周りもそれを聞いて一斉にこちらを見てくる。


「……えぇっと……」


 流石に【阻害】について詳細を言うのは避けたいんだけどなぁ……


「……マキジは鑑定持ちでな。ギルドから供与された薬品の中には呼吸を害する毒があったらしい。それを使用してトロールを攻撃していたんだ。マキジにはトロールに状態異常が発生したら合図するように伝えてあった。そうだな?」


 そう考えていると、ロイドさんがそんな事を言い出した。

 ……こちらを横目で見ているところを見るに、話を合わせろと言うことだろう。


「……はい、ロイドさんの言うとおりです。俺はその指示に従っただけです」

「……分かった。そう言うことにしておく」


 少々疑問が残る形になるが、まぁなんとかなるだろう……マリアさんなら、あとであの冒険者が薬品について聞いても巧く誤魔化してくれる……多分。


「……兎に角、ゴブリンの巣は予定通り潰滅させたんだ。報告に戻ろう」

「あぁ、わかった」


 ……どうやら、あの優男の冒険者がリーダーらしい。さっきからよく陣頭指揮してるし。

 まぁ今は指示に従って宿営地に戻ろう。

 正直、マールさんの魔法のお陰で落ち着いてるけどあまりここに長居したくない。

 向こうの方ではトロールにやられてしまった冒険者達が集められていた……当然、事切れている者を。


 ……もう少し早く着いていれば、等と言うつもりはない。彼らもこういったことがあるとわかって冒険者をやっているのだろうから。

 だから、今は無理でもいつかはああいう理不尽も直視できるようにならないと駄目だろうな。ここで、この世界で、冒険者として生きていくなら。


「……マキジ、何はともあれ助かった。それだけは確かだ。それは忘れないでくれ」

「ロイドさん……」

「そうよ。少なくとも私達は助かったわ。だから落ち込まないで」

「そうっす! あんまり気にしすぎるとギルドマスターみたくなちゃうっすよ!」


 ヴァージニアさんもライルくんも声をかけてくれる。


「……マキジさん、戻りましょう」


 そう言うとマールさんがそっと手を握ってくれた。

 ……そうだ何はともあれ今は生きて帰られることを良しと考えよう……


 ※※※※※※※※※※


 その後、後始末を終えて宿営地に戻った俺達は、アンナマリアさんに事の次第を説明した。

 それを聞いたマリアさんは、ギルドの方針としてもう1日ここで体を休め、明日キャンプを解体して街に帰還するというものを全体に通達。

 今日はもう体を休めることになった。


 日が落ち空に星が出始めた頃、夕食を終えた俺はマリアさんに呼ばれてそのテントへとやって来ていた。


「……お邪魔します……」


 こんな時間に女性の所へお邪魔するのは、ちょっと緊張するなぁ……

 一声かけて中にはいるとマリアさんがお茶を用意して待ってくれていた。


「いらっしゃ~い、マキジさん~、待ってたわ~」

「すいません、遅かったですか?」

「いいえ~?丁度いいくらいよ~、さぁここにどうぞ~?」


 そう言ってお茶とクッキーの置かれた席を指すマリアさん。

 言われた通り席に座ると、その前の席にマリアさんが座る。


 因みに今回の騒動を納めるために、俺を庇って出鱈目な話をしたロイドさんは、口裏を合わせるためにマリアさんに俺の【阻害】の詳細を含めた話を既にしている。当然俺も承諾済みだ。


「……まさか、マキジさんのスキルがそんなに凄いものだなんてね~」

「……あの、マリアさん」

「心配しないでも~、この【阻害】スキルの秘密は誰にも言わないわ~」

「……有り難うございます」

「良いのよ~、こうして無事に帰ってきてくれただけで嬉しいもの~」


 そういってお茶に口をつけて、柔らかく微笑んでくれるマリアさん。

 折角だから俺ももらおう。


「……美味しいですね」

「ふふふ、お口に合ってよかったわ~」


 ホントに美味しいお茶だ。何だか気分も落ち着く。


「特製のハーブティーなの~、戦闘の後って躁鬱が激しくなるから~、特に初めて大規模な戦闘に出た人はね~」

「あ……」

「ふふっ、今日はこの後ゆっくり休んで元気に街に帰りましょうね~」


 ……なんだかんだ皆に気を使ってもらったな。

 気持ちを切り替えて明日から頑張ろう。


「……お帰りなさい~、マキジさん」

「……ハイッ!」


 この後、他愛のない話をしてお茶を頂いたあと、俺は自分のテントへと戻り、眠りに就いた。


 ……俺の初めての討伐任務は、こうして終わった。

 人の命が理不尽に失われることもある、大変な世界……これから冒険者を続けても、今日のこの経験はきっと忘れないだろう。

続きが気になるぞい!な貴方も、なんじゃつまらんのぅ、な貴方も下の☆から評価して頂けますと作者が泣いて喜びます。

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