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ダーツで始まる異世界転移冒険録〜【阻害】スキルが存外チートだった件~  作者: 奈良よしひろ
1章~現実はダーツのように運任せとはいかない~
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第20録 ゴブリン討伐任務⑤

前回のあらすじ

・【阻害】をかけるよ!

・マールさんとデートの約束


今回は戦闘回(ちょっと怪我の描写表現があります)

 

 戦闘が始まって少しすると、此方にも少数ながらゴブリンが流れ始めてきた。散発的にやってくることもあって、対処に追われる前衛の戦闘の合間を縫ってきたのだろう。たった今俺のいる後ろにも一匹やって来た。

 ……よし、やるか。


 俺の武器は鞭だ。その攻撃範囲は広い。

 後衛から前衛に向けて、っていうのは流石に無理だけど、それでも中衛に届くか届かないか位のまでの範囲は十分に攻撃が出来る。


「……はっ!」


 振るった鞭がゴブリンの体を強かに打ち付ける。

 ペインブラックスネークの鞭がもたらすのは単なる痛みだけではない。

【衝撃増加】による協力な一撃に加え、【痛感残留】により、打ち終えたあとも敵には痛みが残る。

 地面に倒れた後もその痛みにもがき続けるゴブリンに再度、鞭を打ち付けその息の根を止める。


「……ふぅ……」


 ……よし、思ってたより大丈夫だな……【トアタス平原】で見た目は可愛いウサギを相手にしてた分、醜悪な見た目のゴブリンを攻撃する精神的ダメージは思ってたより少ない。

 まぁ、鞭による打撃で倒したから手足が飛んでったり頭が飛んでったり中身が見えてないってのが大きいだろうけど……うっぷ、想像したらやっぱりキツイわ。


「……大丈夫ですか? マキジさん」


 隣から心配そうな顔でこちらを伺うマールさん。


「うんまぁ、思ってたよりは大丈夫そうだよ。そっちは?」

「はい、此方も大丈夫です。慣れっこですからね」


 流石は先輩冒険者だ。俺も早いとこ慣れないとな。


「しかしホントにこっちまでゴブリン通さないつもりでやってるなぁ、前の三人」

「マキジさんにスキルをかけて貰ってますから、張り切ってるんですよ……ヴァージニアさんは特に」

「? なんで?」


 特に理由が思い付かないんだけど……


「ヴァージニアさんのスキル【スピードスター】なんですけど、実はデメリットがあるんですよ。ステータス上には表示されてませんけど、受けるダメージが増えるんです……だからマキジさんのかけてくれた【攻撃阻害】はヴァージニアさんにとって本当に有難いものなんですよ」

「そんなデメリットが……」


 件のヴァージニアさんは嬉々としてゴブリンを屠っている。

 ……凄いスピードで。

 初めて森で見たときよりも更に速い。あの時はダメージをを気にして抑えていたんだろうな。


「あんな風に戦うヴァージニアさん私も初めてみました」

「まぁヴァージニアさんが喜んでるなら何よりですよ」


 その後もたまに流れてくるゴブリンを倒していると、前線から怪我人がやって来た……腕が明後日の方に曲がってるな……


「あぁぁぁぁっ! 痛ぇぇぇ! 俺の腕がぁぁぁぁ!」

「頼むっ! 俺が押さえてるからこいつの腕を!」


 パーティーメンバーだろう。付き添いの男が暴れる相方を必死に押さえている。


「そのまま押さえていてくださいっ! ……元の位置に戻しますよ! 痛いですからね!」


 そういうとマールさんは素早く怪我人の口に布を噛ませると、曲がった腕を力を入れて戻す!


「んんんんんーーーーーーっ!」


 布を噛ませられたことで声は出ていない、が声にならない絶叫をあげる男。とんでもない激痛だろう……想像したくはない。

 暴れる男を押さえる相方も涙目だ。


「すぐに回復魔法をかけますから! 【ヒール】!」


 マールさんが患部に両手を当て、呪文を唱えると暖かそうな淡い光が患部に広がる。

 すると、暴れていた男は徐々に落ち着き始め、最後は気絶してしまった。


「……はい、これで大丈夫です。骨も元通りに繋がったので後遺症も残らないと思います。」

「す、すまねぇ……! 恩に着る!」

「いえ、これが私の仕事ですから……あとは貴方がついてあげていてください」

「あ、あぁ……本当に有り難う……」


 そう言うと男は気絶した相方を肩にかけ、後ろへと下がっていった。


「……お疲れ様です、マールさん」

「いえ……私に出来るのはこれくらいですから」


 これくらい、とマールさんは言うけど俺は十分だと思う。

 もし、マールさんがこの場にいなければあの冒険者の腕がどうなったかはわからない。もし腕を喪うようなことになれば、彼の冒険者としての一生は終わりだろう。

 そういう意味で、マールさんは1人の人間を救ったんだ。

 普通に尊敬する。


「それでも俺は凄いと思うよ」

「……有難う御座います!」


 そういったマールさんは本当に嬉しそうに笑ったのだった。


 ※※※※※※※※※※


 それから、たまに来るゴブリンを俺が対処し、怪我人はマールさんが診る、マールさんのMPがなくなると俺が【ストレージ】からMPポーションを取り出し渡す。マールさんが診る程の怪我でない場合は、俺が【ストレージ】からHPポーションを取り出して渡す、ということを繰り返した。


 そして戦闘が始まって1時間経った頃、前線の方がにわかに騒がしくなった。

 何か起こったんだろうか。


「……マキジ! マール! 集合だ!」


 そんな事を考えていると、前衛のロイドさんが前線から帰って来た冒険者と二、三話したかと思えば、全員を集合させる。


「ロイドさん、何かあったんですか?」

「あぁ、もう少しでゴブリンの掃討が終わろうかというタイミングでトロールが出た。……あまりこの辺りでは出ないんだがな」


 どうやら不測の事態のようだ。


「前線部隊はゴブリンの掃討で疲弊している。これから俺は前に出るつもりだが……どうする?」


 そう言うとこちらを見るロイドさん。

 ……俺は下がっていてもいいんだぞ、と言いたげだ。でもここで引く気はない。


「行きますよ。それにトロールに【阻害】をかければそんなに怖くもないでしょうから」

「……そうか……わかった。じゃあマキジも来てくれ。前線の奴等も牽制しながら下がってきている。俺達は此方から向かうぞ!」


 ロイドさんの号令の元、俺達は前線に向かって駆け出す。

 ゴブリン討伐に来て、トロールと戦うことになるとは思わなかったが……やるしかない!


続きが気になるぞい!な貴方も、なんじゃつまらんのぅ、な貴方も下の☆から評価していって頂けますと作者が泣いて喜びます。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 本来の役割をせずに前線に出るなんて、指揮をしているものは許さないはず。ポーションはどうするのだろう?
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