第12録 特訓とゴブリン討伐任務について
前回のあらすじ
・犬耳ウェイトレスさん
・マールさんは健啖家
今回は鞭を使ってみたり、ゴブリンの討伐に関して話したり
「ありがとうございました!」
犬耳犬しっぽウェイトレスさんの元気な声を聞きながら、俺とマールさんは店を後にした。
「いやぁ、ホントに美味しかった」
「そ、それは何よりです……」
結局全部食べ終わったあと、マールさんがまた恥ずかしそうにするので食休みもそこそこに店を出ることにしたのだ。
……もうちょっと犬耳犬しっぽのウェイトレスさんを見たい気持ちもあったが……機会があればまた今度来よう。
「この後はなにか予定が?」
「いえ……特に無いですね。ギルドにはロイドさんとライルくんが行っているので、私達まで行く必要はないです」
「成る程……じゃあ丁度いいしセーフハウスの庭でこの鞭の練習でもしようかな」
ポンポン、と腰に装備した鞭を叩く。
鞭を貰うとガデツさんに言ったところ、「こいつも持ってけ!」と渡された鞭用のホルダーが付いた腰ベルトもなかなかいい感じだ。
「そうですね。それがいいと思います。ロイドさんが帰ってくればゴブリンの件についても新しい情報が聞けると思いますし、それまではマキジさんの好きに時間を使って下さい」
「ありがとう、そうするよ」
その後はとりとめのない話をしながら二人でセーフハウスへと戻った。
※※※※※※※※※※
「あら、お帰りなさい」
セーフハウスへと戻ると庭から丁度ヴァージニアさんが出てきた。
「折角のデートなのに早かったわね?」
「ヴァ、ヴァージニアさんっ! 急になに言い出すんですかっ!」
「あはは、楽しかったですよ?」
早々にヴァージニアさんの弄りが発動するが、流石にもう慣れてきたぞ!
「あら、こっちは動じないわね? 面白くない……」
「も、もう! ヴァージニアさんからかわないで下さいよ!」
マールさんお昼ご飯からこっちずっとアワアワしてるなぁ……可愛い。
「お昼は食べてきたのよね? 午後からはどうするの?」
「えぇ、午後からはこいつの練習をしようかと」
腰にある鞭を指す。
「あら、また変わり種を選んだわね……面白そうだし付き合うわ」
「お手間ではないですかね?」
「えぇ、今日は特に予定とか無いしね」
そう言うと再び庭へ向かうヴァージニアさん。
「じゃあ折角なんで見て貰おうかな……いいかな? マールさん」
「そうですね……【ストレージ】に入れて貰ったものは、後で出して貰えれば良いので。そのまま行ってもらって構いませんよ」
「了解。じゃあまた後で」
「はい!」
マールさんと別れて庭に出る。
「来たわね……取り敢えず練習用の藁人形を用意しておいたわ」
「あ、わざわざすいません」
あの短時間で……まぁ何時も使ってるだろうから、予備が置いてあるんだろうな。
「私も鞭とか使ったことないから、教えて上げられることは少ないわ……とはいえ戦闘経験からこうしたほうが良いかもって言う位のことは助言してあげられると思う」
「十分ですよ。お願いします」
そういうと俺は腰止めから鞭外し、人形からある程度の距離を取る。
……取り敢えず俺が知ってる鞭使いと言えば、有名な冒険映画の主人公位だ。
「……ほっ!」
鞭を振り、先端が当たる程度まで人形に届いた瞬間、肘と手首でスナップを効かせて、戻す!
……
…………
………………
……残念ながら距離感がちょっと掴めてないらしいな!
「あら、案外悪くないんじゃない? 鞭の威力は出せそうな動きね。当たれば、だけど」
ぐぬぬ……
「そうね、もう少し足を開いて直ぐに動けるようにしておくのも大事ね。立ち方も少し落とす感じで……」
言いながらヴァージニアさんが手で位置を調整してくれる。
……たまに柔らかいものが当たるけど、コレは訓練! 訓練だから!
「ふふふ……なにか気になるかしら?」
「イエナニモキニナリマセン」
「あらそう? 残念ね」
何が残念なんですかね。訓練中だから気が散るようなことはしないで欲しいなぁ!
「さぁ、こんなものでしょ。あとは数をこなすしかないわ」
「……そうですね。いきますッ!」
もう一度同じように鞭を振るって……ここッ!
腕全体のスナップを効かせた鞭が藁人形を強打した瞬間、凄まじい衝撃音が辺りに響き渡る。
「……あ、当たりました……」
「……えぇそうね……ちょっと思ったより威力が出てるようだけど……」
俺の振るった鞭は見事に藁人形を強打した。
……したのだが、鞭に付随したスキルのせいか、人形はバラバラに分解してしまったのだ。
「……なにその鞭、何かスキルでも付いてるの?」
「ええっと……はい。衝撃増加が付いてますね」
「また鞭にピッタリなのがついてたわね……まぁ何にせよあとは感覚掴むまで振るしかないわ。見ててあげるから頑張りなさい」
「分かりました」
そのあと、ロイドさんとライルくんが帰ってくるまでヴァージニアさんに見てもらいながらの特訓は続いた。
※※※※※※※※※※
「よし、みんな揃ったな」
ギルドから帰ってきたロイドさんに声をかけられて、セーフハウスのリビングへとやってきた。
これからギルドのゴブリン対応について共有されるんだろう。
「先ずゴブリンについてだが、巣があることを前提に大規模討伐任務がギルドから発表される。その後、ギルドから依頼を受けたパーティーをギルド主体で支援し森を捜索、ゴブリンの巣を発見次第殲滅することになる」
「当然報告者である俺達太陽の剣とその預かりになってるマキジさんは参加確定っす!」
……おや、俺もか。
「でもマキジさんは冒険者登録したばかりですよ?」
「あぁ、ギルドもそれはわかってる。だから【ストレージ】を使っての後方支援をメインに協力して欲しいとの事だ」
成る程、確かにストレージなら荷物を持たなくて言い分戦闘職の人達が自由に動けるもんな。
「……でも……」
「マールさん、心配してくれてありがとう。でも大丈夫だよきっと」
……いざとなれば【阻害】でなんとかなる……多分。
「……すまないなマキジ。巻き込むような形になった」
「ロイドさんも気にしないで下さいって。どのみち生活を考える上で冒険者って選択肢を選ぼうかなって思ってましたし。それに後方支援だけならそこまで危険もないでしょう」
「そう言ってくれると助かる……」
頭を下げるロイドさんに気にしないで欲しいと告げる。
……昨日もこんなやり取りした気がするなぁ。
「……兎に角、俺は太陽の剣の皆さんがゴブリン討伐に向かわれるなら、一緒にいきますよ。俺がここにいるのはあの時森から連れて帰ってくれた皆さんがあるからです。だから協力させてくださいよ」
「「「「マキジ(さん)(くん)……」」」」
……なんかみんな凄い感動してるんだけど……そんなに変わったこと言ったつもりはないんだけどなぁ……
「……マキジの気持ちはわかった。正式にギルドから依頼が出るのは2~3日後だ。それまでにもし必要な物があれば言ってくれ。出来るだけ都合する」
「分かりました。皆さん改めて宜しくお願いします!」
「あぁ」「こっちこそっす!」「お願いしますね!」「えぇ」
四者それぞれに声を返してくれた。
明日から更に頑張ろう……!
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